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第9回遺伝子実験施設定期公開セミナー(平成12年3月21日)

(1)「忍び寄る実り無き秋」
    東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 鷲谷 いづみ

 花が咲いても果実が実り種子が生産されることのない「実り無き秋」が世界中で問題となりつつある。本セミナーではサクラソウなど異型花柱性植物を対象とした日本の野生植物の「実り無き秋」を保全生態学の立場から紹介した。



(2)「微生物の系統進化と地球史」
    聖マリアンナ医科大学微生物学教室 助教授  山本 啓之

 微生物の進化系統は、リボソーム遺伝子の分子進化解析により明らかにされている。遺伝子の塩基配列が示す序列に基づいて実際に生じたであろう生物進化の流れを地球史から読み取ると、40億年あまりの生物の歴史において、地球環境の変遷に適応しながら新しい系統を生み出し、生態系を作り上げることを繰り返してきた姿が見えて来る。本セミナーでは、私たちの目には見えない微生物、この見えない住人の姿を地球史から解説した。