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第12回遺伝子実験施設定期公開セミナー(平成14年9月19日)

平成14年9月19日(木)午後3:00〜5:00

     会場:東京農工大学農学部2号館1F多目的講義室

プログラム1
「ジーンサイレンシングとウイルス抵抗性」
                          愛媛大学農学部生物資源学科 西口正通

 外来遺伝子導入植物の研究から初めて見つけられたジーンサイレンシング,特にRNAを効率的に分解する現象は,動物,微生物にも広く保存された機構である。本現象はウイルス感染に対する宿主の防御機構としての役割が示されており,植物についての我々の結果も含め説明したい。

プログラム2
「高等植物におけるテロメラーゼの科学」
                         東京大学分子細胞生物学研究所 田村勝徳

 テロメラーゼは,テロメアと呼ばれる真核生物の染色体末端に特異的なDNA配列を合成・付加する一種の逆転写酵素で,細胞増殖能の維持,がん化およびアポトーシスの抑制などの重要な機能を持つことから,近年大きな注目を集めている。高等植物にお いても,本酵素の保存性が示され,植物に特有な機能が明らかにされつつある。今回は,植物におけるテロラーゼ逆転写酵素の構造,発現制御および機能を中心に紹介する。

プログラム3
「植物のオルガネラを介したプログラム細胞死」
                   農業生物資源研究所 分子遺伝研究グループ 光原一朗

 植物の過敏感細胞死は,「プログラム細胞死」の一つと考えられている。動物の細胞死のシグナルが,ミトコンドリアを介することはよく知られているが,植物のプログラム細胞死の実行には,ミトコンドリアだけでなく葉緑体などのオルガネラも重要な役割を果たしていると考えられるようになってきた。今回のセミナーでは,過敏感細胞死における,植物特有の葉緑体を介した経路と,動物のアポトーシス機構と共通と思われるミトコンドリア経路を介した経路のそれぞれの関与について,当研究室での解析を中心に考察する。