第4回 理科教員のための組換えDNA実験教育研修会
平成16年6月23日
中学・高校の理科(生物)教員の皆様
「理科教員のための組換えDNA実験教育研修会」ご案内
東京農工大学遺伝子実験施設長
黄色俊一
目的:平成14年の文部科学省の組換えDNA実験指針の改正により,中学・高等学校においても「教育目的組換えDNA実験」が可能となりました。また,平成16年の指針廃止と法制化に伴い,文部科学省から教育委員会等への通知により,「教育目的組換えDNA実験」は法令の範囲内で実施可能である旨が明文化されました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/04022302.htm
農工大学遺伝子実験施設では,昨年に引き続き,夏期に中学高校教員を対象とした研修会を開催し,遺伝子組換え実験の基本的操作,注意事項を研修していただき,教育の現場に新しい教材として組換え実験を取り入れ,遺伝子組換えに関する知識の一般社会への普及に役立てていただくことを期待しております。
日時:平成16年7月29日(木)〜7月30日(金)の2日間。午前10:00より
場所:府中市幸町3-5-8 東京農工大学遺伝子実験施設西棟1F実習室
参加資格:中学または高校教員で理科または生物・農業関係を担当の方。
博物館等の教育施設の関連事業担当の方。
講習内容:学校における遺伝子教育や組換えDNA実験の規制に関する講義およびプラスミド
による大腸菌の形質転換の実習を行う。なお,参加者には研修終了証書を授与します。
定員:20名
参加費:無料
宿泊施設:なし
応募要領:往復葉書に「DNA研修会参加希望」と書き,氏名,自宅住所,電話・fax番号,メールアドレス,および勤務先の名称,住所,電話・fax番号と学校長の氏名を書いて下記に郵送する(返信用には自宅等の確実に受領できる住所を記入して下さい)。
締切:第一次は7月16日(金)に締切り,選考します。空きが生じたら7月28日まで受け付けます。
応募先:〒183-8509 東京都府中市幸町3-5-8
東京農工大学遺伝子実験施設 丹生谷 博 (にゅうのや ひろし)
問い合わせ先:丹生谷( nyunoya あっと cc.tuat.ac.jp TEL: 042-367-5563)または
松下(ymatsu あっと cc.tuat.ac.jp TEL:042-367-5855)
過去の研修内容の詳細はこちらをご覧下さい。
日程表
7月29日(木)
9:45 受付
10:00 開講式及びオリエンテーション(黄色俊一,丹生谷博)
10:10 研修1(講義:中学高等学校での遺伝子教育実施方法)(齋藤淳一)
11:10 研修2(講義:遺伝子組換え実験関連の法令)(中島春紫)
12:10 昼食
13:30 研修3(講義:遺伝子組換え生物)(丹生谷博)
14:00 研修4(講義と実習:教育目的組換えDNA実験)(大藤道衛 他)
17:00 第1日目の研修終了
7月30日(金)
9:30 研修5(講義と実習:教育目的組換えDNA実験)(大藤道衛 他)
12:30 昼食
14:00 研修6(講義:DNAと遺伝子)(飯田秀利)
15:00 休憩
15:10 自己紹介
16:00 研修7(総合討論と質疑応答)(全員)
16:20 閉講式(修了証書授与)
16:30 解散
講師等
大藤道衛 東京テクニカルカレッジ バイオ科 講師
中島春紫 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教授
齋藤淳一 東京学芸大学教育学部附属高等学校 教諭
飯田秀利 東京学芸大学教育学部 教授
丹生谷博 東京農工大学遺伝子実験施設 教授
松下保彦 東京農工大学遺伝子実験施設 助教授
笠原賢洋 東京農工大学遺伝子実験施設 助手
黄色俊一 東京農工大学大学院共生科学技術研究部 教授(施設長)
(文科省HPより一部抜粋: http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/04022302.htm)
15文科振第946号
平成16年2月18日
各都道府県教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学長
国立久里浜養護学校長 殿
文部科学省研究振興局長
石 川 明
高等学校等において教育目的で行われる遺伝子組換え実験の「遺伝子組換え
生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」における取扱いについて
文部科学省においては、従来より「組換えDNA実験指針」(平成14年文部科学省告示第5号。以下「指針」という。)により、遺伝子組換え実験等の安全確保を図ってきたところですが、近年の遺伝子組換え技術等の進歩と普及及び生物の多様性の重要性にかんがみ、我が国は、「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」(以下「議定書」という。)を締結することとし、議定書の的確かつ円滑な実施を確保するため、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(平成15年法律第97号。以下「法」という。)が、昨年6月に制定、公布されました。
法は、議定書が我が国について効力を生ずる平成16年2月19日から施行されますが、文部科学省においては、法の施行に向けて、関係省と協力しつつ、法に基づく措置の内容及び手続きを定める省令及び告示を公布しました。なお、指針は法の施行に当たり、本日限りで廃止します。
指針においては、高等学校等においても遺伝子組換え実験に取り組めるよう配慮し、安全管理の容易な実験について、一部の手続き等について簡略化を可能とする教育目的実験の枠組みが設けられていたところです。この教育目的実験についても、法に基づき所要の措置を講ずることが必要となりますが、指針と同様に、一部の手続き等については簡略化が可能となっています。
このようなことを踏まえ、今後とも、高等学校等の生徒が遺伝子組換え技術に対する基礎的な理解、遺伝子組換え実験に対する関心を高めるために有意義な教育目的実験について、法並びに法に基づく省令及び告示のほか、下記の留意事項について十分に了知の上、安全性の確保に十分配慮して実施されるようお願いします。
また、都道府県教育委員会教育長におかれましては、所管の学校に対し、及び域内の市町村教育委員会を通じて当該市町村教育委員会の所管の学校に対し、都道府県知事におかれましては、所轄の学校法人に対し、周知方お願いします。
なお、法及び法に基づく省令等については、文部科学省のホームページ (http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/index.htm)に掲載しております。
記
1 法及び法に基づく省令等における教育目的実験の取扱い
(1) 法及び法に基づく省令等における教育目的実験の位置付け
教育目的実験は、遺伝子組換え技術に関する基礎的な理解、関心向上等を目的とするものであり、その重要性にかんがみ、指針第8章において、実験に用いる生物や細胞を限定し、その安全な実施の確保を図ってきたところです。
指針の枠組みで行われてきた教育目的実験は、法においては第二種使用等に該当し、その実施について特別の規定が設けられていませんが、指針別表7に定められた組合せである遺伝子組換え生物等又はこれと同等に安全管理の容易なものを用いる等安全上の観点から十分に配慮された実験として行うことが望ましいことから、各機関においてこの点についての検討をお願いします。
(2) 執るべき拡散防止措置の内容
指針別表7に定められた組合せである遺伝子組換え生物等を用いる場合には、「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」(平成16年文部科学省・環境省令第1号)第4条第1号及び第5条第1号の規定により、同省令別表第2第1号に掲げるP1レベルの拡散防止措置を執ることが義務付けられます。同措置の内容と指針附属資料4に定められた実験実施規定の内容には異なる部分がありますので、十分に留意願います。
2 基本的事項における教育目的実験の取扱い
法第3条の規定に基づく基本的事項(平成15年財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省告示第1号。以下「基本的事項」という。)第2に、遺伝子組換え生物等の使用等をする者がその行為を適正に行うために配慮しなければならない基本的な事項が規定されており、教育目的実験を実施する機関においても、配慮することが重要と考えられ、以下に掲げる事項について十分に留意の上、実験を実施されるようお願います。
(1) 体制の整備
基本的事項第2の2において、第二種使用等をしようとする者は、遺伝子組換え生物等の特性及び使用等の態様に応じ、その安全な取扱いについて検討する委員会等(以下「安全委員会等」という。)を設置し、第二種使用等を行うに当たり、あらかじめ遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについての検討を行うとともに、遺伝子組換え生物等の取扱いについて経験を有する者の配置、遺伝子組換え生物等の取扱いに関する教育訓練、事故時における連絡体制の整備を行うよう努める旨が規定されています。教育目的実験は、安全管理が容易なものであることにかんがみ、安全委員会等の設置及び事故時における連絡体制の整備は求められるものではありません。
(2) 記録保管
基本的事項第2の4に関し、教育目的実験の実施機関においては、安全委員会等における検討結果等についての記録、保管は求められるものではありません。
3 その他の留意事項
教育目的実験を実施する機関においては、法に基づく拡散防止措置を執る義務の的確な実施等を確保しつつ、教育目的実験の円滑な実施に向けて、各機関の長を中心に関係者の連携が図られるよう十分に留意願います。