Research


1. カビ・コケ類のジテルペン生合成酵素の構造と機能

植物ホルモンは,花を咲かせる植物に ①普遍的に存在していること,②微量で活性を示すこと,③ホルモン生合成が欠損すると異常形態を示すこと などが定義されています。
ヒメツリガネゴケというコケ植物は植物ホルモン「ジベレリン」を生産しませんが,カビに類似したジベレリン生合成経路を部分的に持ち,これが遮断されると成長異常が見られます。
最近,ジベレリンのご先祖様に相当する成長制御物質を明らかとしました。
日本語総説(1) 日本語総説(2)


2. コケの自己防御物質の生合成研究

盆栽に利用されるコケ植物の蘚類ハイゴケは,周りの植物の成長を妨げるアレロパシー物質としてイネの抗菌性化合物として知られるジテルペン型ファイトアレキシン,モミラクトンを生産します。 進化的にかけ離れたイネとハイゴケにおいて,モミラクトンがどのように生合成されるのか全容解明に取り組んでいます。
PNAS2020


3. 生合成酵素を用いた全合成研究と標識化技術の開発

組換え酵素群を調製して反応系をデザインした[酵素カクテル]を使って,植物ホルモンジベレリン等のテルペノイド化合物を試験管内で合成や,炭素13同位体標識化合物の合成と構造解析を展開しています。 日本語紹介


4. 生きた化石植物から学ぶ
  鏡像体生合成の酵素機能と生理機能の進化



5. 植物の根圏におけるケミカルコミュニケーション

青枯病菌 Ralstonia solanacearum は土壌伝染性の植物病原細菌で,トマトやジャガイモなどのナス科植物に感染し,宿主植物がいなくても土壌中で長期間生存することから世界中で恐れられている難防除病原菌です。
青枯病菌は植物の根から滲出する物質に対する走化性で宿主植物を探索しており,最近等研究室により走化性誘引物質としてethyl β-glucopyranosideを単離しました。 当該物質の走化性誘因作用は特異的なのか,なぜ分泌するのか,明らかにするため研究を進めています。
JGPP2017 BBB2018



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