体験工房2018:体験テーマ12

12.化学反応を伴う液体の流れを可視化する:物理が重要な化学反応場

気体、液体は流れることができ流体と呼ばれます。この流体の流れを研究する分 野は流体力学と呼ばれ、物理の範疇に属します。本実験では、化学反応を伴う 液体の流れを取り扱います。この現象は化学現象と物理現象が同時に起きている現象になります。

本実験では、生成物が呈色性のある化学反応を用いて、化学反応を伴う液体の流 れを可視化する実験を行います。具体的には微小隙間内で粘度の高い液体が粘 度の低い液体に押しのけられるときに、二液体の界面が指状に広がる粘性指状体現象を液体流れの対象とします(動画or図)。

(1)まず化学反応を伴う場合の比較実験として、化学反応を伴わない場合の実験をします。

(2)次に反応物の濃度を変化させて、化学反応を伴う場合の実験をします。

(3)今回の実験では、反応物の濃度により流れ場における生成物分布が大きく 異なることを確認します。実はこのような事例は担当者が見つけた、おそらく 世界で唯一知られている、反応物の濃度により流れ場における生成物分布が大きく異なる事例です。

(4)この現象は化学だけでは説明がつかず、液体の流れ、反応物の拡散などの 物理的な要因を考えなければ説明できないことを説明します。

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図 微小隙間内に形成される粘性指状体現象

 

 動画(クリックすると再生します。)

化学反応を伴わない粘性指状体現象(円の直径11.6 cm4速)。化学反応を伴う場合は生成物はどのように分布されるでしょう?それが反応物濃度により大きく異なるとはどのようになるのでしょう?