留学体験者インタビュー

大学院農学府在籍中に、「ダブルディグリープログラム」を利用して、修士課程1年の9月から修士課程2年の8月まで約1年間、イタリアのミラノ大学に留学しました。きっかけは、学部時代にセメスター留学制度(AIMS) を利用してタイに留学したことです。そこで国際的な環境で研究することの楽しさを感じ、長期の研究留学に挑戦したいと思うようになりました。
関心のあるテーマで1年間の研究留学が可能であったことに加えて、修了時期を延ばすことなく渡航先大学の修士号を取得できることや奨学金制度にアクセスしやすいことなどが魅力で、ミラノ大学のダブルディグリープログラムを選びました。留学中は現地の大学院の授業を受講しながら研究活動に取り組みました。授業では、プログラミングや統計学などの実用的な科目に加えて、各国からの大学院生が集まる専門の短期講習や教養科目など幅広く受講しました。
ミラノ大学農学部のクラシカルな建物留学中に最も力を入れたのは、農工大とミラノ大学の指導教員や研究室メンバーと議論しながら進めた修士研究です。テーマは、イタリアの水田地域の水利用について。イタリア北部のポー川流域は、リゾットという料理が有名なように、ヨーロッパ最大の米の生産地ですが、雪解け水の減少等により水不足の頻度が高まっています。そこで、ポー川流域の水田地域を対象に、水田での水の使い方が下流への流出に与える影響を評価するため、水の流出をシミュレーションするモデルの改良や適用を行いました。
両大学の先生や学生と議論を重ねるなかで、自身の研究の知識や英語力の不足を実感する場面もありましたが、指導教員や研究室メンバー、周囲の方々の研究への熱意や寛大なサポートのおかげで、最後には修士論文をまとめることができました。
ミラノ近郊の水田でのフィールド調査の様子修士課程修了後は、国立研究機関に就職し、研究職として農地基盤や水管理など、農業の基盤を支える農業土木分野の研究に携わっています。イタリア留学を通して、新しい環境で多様な価値観の人とコミュニケーションをとりながら研究を進める楽しさを学びました。今後もさまざまな立場や分野の人と協力しながら農業分野の課題解決に貢献したいと思っています。
※掲載内容は、2026年3月取材時のものです。
