研究TOPICS
超音波を用いた診断や治療方法の開発を行っています。医療現場で「エコー」と呼ばれる超音波画像診断装置は、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像法)と比較して、装置が小型で低コストというメリットがあります。また、診断と同時に治療ができる点も超音波の優位性といえるでしょう。最近は、超音波を集めた熱でがん細胞を壊死させたり、結石を破砕したりするような治療法の開発も進んでいます。これからは、超音波を使ったオールインワン診断/治療がますます注目されるようになるでしょう。
研究室には最新の超音波画像診断装置が設置されており、いつでも生体画像データを収集できる現在、力を入れているのは、超音波医療へのAI応用です。AI技術の一つである機械学習を用いて、超音波画像診断の精度を向上させたり、必要な画像情報を自動検出したりする技術を開発しています。医療機関や医療機器メーカーとの共同研究も積極的に行っています。もともと日系メーカーの超音波画像診断装置は世界をリードする存在です。超音波のみを用いた診断/治療装置を日本の新たな産業として育て、輸出産業にまで発展させることが夢です。
桝田研究室では、多数の女子学生が活躍中
工学部
生体医用システム工学科
桝田 晃司 教授
Student's Voice

大学院工学府
生体医用システム工学専攻 博士前期課程修了
髙橋 幸乃さん
東京都立新宿高等学校出身
AIを用いて超音波3次元画像から
血管や臓器を自動検出する技術を開発
AIを用いて医療画像から血管や臓器を自動抽出する研究に取り組んでいます。具体的には、超音波3次元画像から肝臓の静脈や周辺臓器を自動で検出するAI手法の開発で従来の手法では診断精度が低く、自動化も困難という課題がありました。そこで、超音波画像特有のノイズをAIで軽減する新たな処理方法を開発し、目的となる血管網の抽出精度を10%以上向上させ、これを自動化することにも成功。また、本研究成果は、Symposium on Ultrasonic Electronics(USE2025)にて奨励賞を受賞し、高評価をいただきました。
「医工連携」の研究に興味を持ったきっかけは、祖母が病気で入院した際に支えてくれた医療現場の方々の姿です。さらにプログラマーである父の影響もあり、医用画像処理など医療に関わる工学を専門的に学ぶ道を選びました。そして、入学後に医用超音波工学研究室(桝田研究室)で、医療AIで新たな価値を生み出す研究と出合いました。大学院修了後は、医療機器メーカーへの就職予定です。AIエンジニアとして、画像データ解析分野などで社会に役立つ研究を続けたいと思っています。
AIを用いてヒト肝臓血管を3次元再構成したイメージ※掲載内容は、2026年3月取材時のものです。
