ONE DAY

               綾谷有貴

雪が降る 窓の外
雪の白さで妙に明るい 窓の外

ああ いずれもっと降りだすだろう
いつのまにかまじりだした風が うずをまいて走り去る

風が強くなる
見わたす限り ますます白く

白さをすかしてながめてみようとしても
雪にけむり 涙にけむり 何も…見えない

想い出ははるかに遠いあの空の下
過ぎた日々を指折り数えるように 雪が降る 窓の外


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