1. ホーム >
  2. プログラム概要

プログラム概要

獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!

「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」は、平成19年度から21年度にかけ実施した文部科学省「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業委託」東京農工大学「出産・育児などで休業した女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」の成果を受け、平成22年度より東京農工大学独自の事業としてスタートいたしました。

獣医学科を有する国立大学として、大学の保有する教育人材資源を活用して社会的ニーズの高い獣医師のリカレント教育を行い、獣医師資格所有者の掘り起こしや、スキルアップ・再就職支援に貢献するプロジェクトです。

*参照
文部科学省「社会人の学び直しニーズ対応教育推進事業委託」東京農工大学「出産・育児などで休業した女性獣医師の社会復帰のための再教育支援プログラム」

前・新プロジェクトリーダーからのご挨拶

【お知らせ】

「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」はすでに4年間の活動実績を持ち、特に平成22年度は大学独自のプロジェクトとしてスピンオフすることが出来ました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝しております。活動5年目に入る平成23年度より、プロジェクトリーダーを、本学獣医学科・田中あかね准教授にバトンタッチすることとなりました。新しい力で、このプロジェクトをさらに発展させ、多くの学び直し希望者のニーズに沿ったプロジェクト運営を行っていってほしいと期待しております。
今後もいっそうのご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い致します。

前プロジェクトリーダー
東京農工大学 獣医分子病態治療学研究室
 教授 松田浩珍

【ご挨拶】

平成23年4月1日より、「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」のプロジェクトリーダーを務めることとなりました。
これまで松田先生が力を注いで立ち上げてこられた本プロジェクトは、国立大学としては日本で初の獣医師再教育プロジェクトとなり、多くの学び直し希望者のご支持を得て、ここまで大きくなりました。今後、さらに確固とした獣医師再教育プロジェクトに育てて行くためには、サポーターの皆様のご理解とご協力が不可欠です。
私自身、臨床に携わる獣医師のひとりとして、また教育に従事する大学人として、皆様の「いくつになっても学びたい!」という希望をかなえられる場を提供し続けたいと考えております。
いっそうのご支援をよろしくお願申し上げます。

新プロジェクトリーダー
東京農工大学・農学部獣医学科 比較動物医学研究室
教授 田中あかね

【背 景】

①相対的な獣医師不足

獣医師は、約半数が小動物臨床、残り半数が産業動物臨床、公衆衛生業務、食品衛生や製薬会社での基礎研究と様々な分野で社会貢献しています。特に最近では、食の安全、高病原性鳥インフルエンザなどの感染症対策の強化、伴侶動物(ペット)の飼育頭数の増加にともなう獣医療の高度化や狂犬病予防法の遵守など、様々な方面で獣医師への社会的要請が高まり、その役割は一層重要になっております。しかしながら、特に地方では獣医師が相対的に不足しているのが現状です。

②女性獣医師の低就業率

昨今の社会情勢の変化に伴い女性獣医師の急増が見られますが、卒業時男性と同程度である女性獣医師の就業率は、30歳から60歳には男性より20%も低くなります。これは、出産・育児時に離職すること、ブランクの後復帰が困難なことが原因です。日進月歩の現代獣医療において復帰時には新しい知識・技術が必要となるからです。

③転職サポート

事業委託3ヵ年のアンケート集計や講座参加者の実態調査より、男性の再教育希望者が多いことも判りました。小動物臨床以外の職種(産業動物・公務員。製薬会社などの民間企業)からの転職希望者のサポートが必要です。

④獣医師免許所得後の臨床研修

大学における教育は獣医学の基礎の習得を目的としています。
獣医師は免許取得後、社会に出てから専門分野に必要な知識・技術を自分で学んでいかなければなりません。獣医師法においても、臨床研修を行うよう努めることが規定されておりますが、規定に基づく研修施設は、小動物臨床の場合、産業動物に比べると非常に不足しており、臨床研修の実施率は20%にとどまります。大半は民間の診療施設において勤務しながら診療知識・技術を習得せざるおえなく、体系的な卒後教育がほとんど行われていないのが現状です。大学における獣医師のリカレント教育が切望されます。

⑤ペットブームとトラブル

現在、空前のペットブームといわれ多くの人々が犬や猫、それ以外にもウサギ・小鳥・爬虫類などのエキゾチックアニマルと呼ばれる小動物を飼育しています。ペットを飼い始める人々は、ペットとの楽しい生活を思い描いていますが、現実には動物や法律に対する正しい知識がない為に、家庭内や地域において様々なトラブルが発生し、思いとは裏腹にペットがストレスの原因となる場合が見られます。

一般市民がペットに対する正しい知識を得る機会は少なく、専門的なアドバイスを受けることもなかなかできません。そして、ネットなど社会には誤った情報があふれ、適切な飼い主のための啓蒙が必要です。

【目 的】

  • 資格を行使していない獣医師資格所有者という人材資源の発掘と社会復帰支援の促進
  • 女性獣医師の就業率の向上と獣医師不足の改善、獣医師社会の循環
  • 現代社会の難問題へ対応可能な社会性の高い獣医師を育成する。
  • リカレント教育を通し、国立大学法人として社会貢献する。
  • 男女共同参画の理念に基づき、獣医師の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を重視し、長期的視野に立ったライフプランニング支援を構築する。獣医師資格を有する女性が職を通して社会とのつながりを維持しながらも安心して子供を産み育てられる環境の整備を目指す。
  • 市民のペット飼育に関する正しい知識の取得。それによる地域社会の調和を図る。

【方 法】

  • 東京農工大学の公開講座として、実習を中心にしたレベル別少人数の講座を開講し、受講者は確実にスキルを身につける。
  • 無料の託児サービスを実施し、育児中の獣医師が参加しやすい環境を整える。
  • 定期的にパネルディスカッションや相談会を開催し、講座受講後のケアを行うとともに参加者同士の交流や情報交換を促す。
  • 就業している獣医師対象にアドバンス講座を開催し、スキルアップ・キャリアアップを図る。
  • 講座内容によって対象を獣医師以外の小動物臨床従事者やそれを目指すものに広げ、小動物臨床全体のレベルアップを促す。
  • 市民ペット講座を開催し、飼い主に正しい知識を伝え、相談を受ける。
  • 広報活動・講演会等で本事業の理念や重要性を社会に周知する。

ページ上部に戻る