学内の動き T行事・イベント
◎ 公開講座を開催
公開講座が開催されました。

<学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会>
 7月28日(木)から29日(金)に、公開講座「学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会」が開催され、中学・高等学校(都道府県の教育センターを含む)の理科系教員4名が受講しました。本研修会は、「教育目的組換えDNA実験」のガイドラインが文部科学省で制定された2001年に、筑波大学遺伝子実験センターと東京農工大学遺伝子実験施設が全国の国立大学遺伝子実験施設に先駆けて開催したもので、今年で21回目となります。
 リテラシーとしての遺伝子教育を目標とした教材を利用し、オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を含むプラスミドDNAを大腸菌に導入し、翌日に大腸菌のコロニーを観察しました。紫外線(ブラックライト)照射下でプレート上の大腸菌のコロニーが緑色の蛍光を放つ様子から、遺伝子が発現して緑色蛍光タンパク質が蓄積しているかどうかを知ることができます。
 コロナ禍のため、一昨年は中止,昨年はオンライン形式でしたが、今年は定員を少人数とし、感染予防対策を徹底して対面形式で開催することができました。中学・高校の教育現場ではコロナ禍であっても工夫しながら理科実験を行っています。感染防止対策と遺伝子組換え実験を両立させるためにどのようなことに留意したらよいか、活発に意見交換し情報共有できたことも意義であったと思われました。今回受講した教員の方々の指導の下、中学や高校の授業での同実験を通して、分子生物学に対する生徒たちの興味が高まることが期待されます。
 
講義の様子 緑色蛍光タンパク質合成により大腸菌のコロニーが緑色蛍光を放つか観察する様子
 

<夏休み自由研究アカデミー:元気なココロとカラダを手に入れる!!親子細胞ワークショップ>
 7月30日(土)、4号館および先端科学実験棟物理実験室にて、昨年に引き続き工学部応用化学科 材料健康科学寄附講座の研究・人材育成メソッドを応用した「夏休み自由研究アカデミー:新型コロナに負けないココロとカラダを手に入れる!!親子細胞ワークショップ」を開催しました。対象は小学4~6年生親子10組で、申込み開始すぐに定員満了となりました。跡見順子客員教授が、健康や細胞、その細胞の集合体である身体を先端科学、材料健康科学基盤から学ぶ講義を行い、健康を保つための体操の実演を行いました。その後、自分が生きていることを細胞で理解するための拍動する心筋細胞の顕微鏡観察と、遺伝情報を目に見える線維として取り出す細胞からのDNA抽出、自分のからだと同じ柔らかい素材の細胞模型作りを行いました。体験できる内容にとても楽しんでいただき、親子でよく会話しながら行う姿がみられました。体操を行って、「体、細胞は(働きかければ)応えてくれる」との感想があり、体操を今後頑張ろうというモチベーションにつなげることができました。細胞模型作りでは、「手を動かすことで細胞の構成が頭に入った」、「心筋細胞の拍動している部分が、細胞が生きていることを想像しやすかった」、細胞模型を手にして、「人間の体がなぜ柔らかいかを想像しやすい」など、細胞と身体をつなげる意見を聞くことができました。
 
講義と体操 心筋細胞観察
細胞模型作成 完成した細胞模型
 

<遺伝子工学実習講座タンパク質コース>
 9月21日(水)、府中キャンパス 学術研究支援総合センター 遺伝子実験施設において、「遺伝子工学実習講座タンパク質コース」が開催されました。本講座は初心者を対象に講義と実習をとおして遺伝子工学の基礎を学ぶことを目的として、「遺伝子工学実習講座DNAコース」と交互に概ね隔年で実施されています。教育および研究従事者(学生を含む)を受講対象としており、社会人に対するリカレント教育の場としても高い評価を得ています。受講者は、学部学生?大学院生から企業の研究者および大学教員など幅広い分野から関東圏を中心に6名が参加しました。
 今回開催のタンパク質コースでは、「大腸菌で合成したタンパク質及びそのトリプシン消化物を質量分析装置で解析し、目的のタンパク質が合成されたかどうか確認する」という、これまでのタンパク質コースとは異なる新しいプログラムを提供し、講義と実習を通して、質量分析によるタンパク質同定解析について学んでいただきました。本学に2021年度に発足したスマートコアファシリティー推進機構(スコップ)の質量分析分野の専門家の協力を得て実現することができました。講義?実習?総合討論の各々において、質問など参加者から活発な発言がみられ、少人数開催の利点が生かされ学習効果が一層高められたと思われます。
 
質量分析室での実習風景 全長タンパク質の質量分析結果説明の様子
 
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