活躍する卒業生
2016年3月に東京農工大学大学院連合農学研究科農林共生社会科学専攻博士後期課程を修了した曲木若葉さん。現在は、農林水産省 農林水産政策研究所で、日本全国の農村におけるフィールド調査を担当しています。学生時代の学びが、現在のお仕事にどのように役に立っているかを聞きました。
現在のお仕事
全国の農村で現場の声を集め、農業政策に役立てる
農林水産省の研究機関である農林水産政策研究所で、調査・研究の仕事に従事しています。主な業務は、日本全国の農村でのフィールド調査。現場で生産者の声を集め、国の政策がどう活かされているか、また政策の課題はどこにあるかを探っています。農家は今、さまざまな課題を抱えています。大きなものはやはり担い手問題。さらに、労働力確保の問題、耕作放棄地の問題もあります。地域農業をこれからは誰が担うのか、不足する臨時労働力をいかに確保していくか—。現場で話を聞いていると日本の農業がどこに向かっているかがよくわかります。
農業は身近な仕事になりつつある
多くの課題はあるものの現場にはポジティブな話題もあります。近年、農業分野の雇用が増えたことで、これまで農業に関わったことのない人も農業の世界に入りやすい雰囲気が生まれています。また、短期間の雇用を受け入れる経営も増えており、農業が身近な仕事になりつつあります。土地を購入して、人を雇って……ということをせずとも農業法人に就職し農業に就くという選択肢もあるのです。こうした農村の現状を政策がどのように支えているのかを調査し、客観的なデータで示すのが私の仕事と言ってもいいでしょう。
農工大での研究活動
先生や先輩との距離が近い
大学院時代の研究テーマは、「農業経済学」。農村でのフィールドワークは、学生時代からずっと続けてきました。農業構造や労働力問題についての研究経験は、ダイレクトに今の仕事に役立っています。研究室時代の思い出といえば、やはりフィールドワークの現場での経験になります。長野県の水田地帯で合宿所に泊まり込んで、研究室のメンバーと地元のおいしいごはんを食べながら、調査結果について議論した光景は忘れられません。
今後の目標、夢
農業経済学の発展にも貢献したい
2016年に入省して、今年で3年目。やりたい仕事を任せてもらうことができ、毎日が充実しています。生産者にも行政にも役立ち、研究テーマである農業経済学の発展にも貢献できる研究を続けていきたいと思っています。
高校生へのメッセージ
真面目でしっかりタイプの人には理想的な環境
先生や先輩との距離が近く、しっかり面倒を見てもらえるのが東京農工大学の大きな魅力。また、勉強以外では、馬術部に所属し、府中キャンパスの自然豊かな環境を満喫しながら学んだのもいい思い出です。真面目でしっかり勉強したいタイプの人には、のびのびと学べる理想的な環境が農工大にはあると思います。
※掲載内容は、2018年11月取材時のものです。