東京農工大学

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インダストリアル・エンジニアリングで「強い工場」をつくる! 住友電気工業株式会社 生産技術本部 生産技術部 ものづくり強化推進室 主査 宮谷 郁哉さん 東京農工大学大学院工学府 機械システム工学専攻博士前期課程修了

現在のお仕事

住友電工の生産技術本部で、社内および関係会社の「モノづくり力強化」に取り組んでいます。目指すは「強い工場づくり」です。直近では、情報通信で使われる光ファイバ関連製品の工場で生産ラインの改善に取り組んでいます。弊社には、環境エネルギー、情報通信、自動車、エレクトロニクス、産業素材の5つのカテゴリーがあり、これらの領域に共通するモデルとなるような工場や生産ラインの仕組みをつくるのが目標です。

主な使命は、製造コストの削減とリードタイム(製造期間)の短縮です。この2軸を念頭に置き、対象となる工場に常駐し、現場の声を聞きながら改善策を考えます。業界用語としては、「インダストリアル・エンジニアリング(IE)」という仕事で、管理工学、経営工学と呼ばれる研究分野になります。大学時代は機械工学を学んでいたので、入社してから専門知識を深めていきました。

この仕事の面白さは、工場の仕組みを変えるとその成果が数値に加えて、人やモノの動きにも表れることです。改善の結果、現場スタッフから「ありがとう」と言われることもあり、大きなやりがいになります。

農工大での研究活動

学生時代は、工学部機械システム工学科で学び、大学院までメカトロニクス系の研究室で研究を続けました。研究テーマは「能動嗅覚センシングシステムの開発」でした。犬の鼻を模倣したデバイスをつくり、ガスが流れてくる方向を判定しやすくする構造や方法を研究していました。現在の仕事とは直接つながりませんが、数値データとしてのガスセンサの応答値と目に見えないガスを煙によって「見える化」し、データと事実のセットで現象を理解し、解決策を具体的に考えるプロセスは、そのまま今の仕事でも役立っています。

将来の目標・夢

今後の目標は、工場での製造工程だけでなく、サプライチェーン全体を最適化できるようになることです。営業から材料の仕入れ、物流まで把握して、一連の流れを改善する提案をできるようになりたいです。

日本の製造業はまだまだニーズが高く、人材も不足しています。機械工学などハードウェアの知識を深めることは、将来の就職を考える上でますます有利になると思います。

※掲載内容は、2023年11月取材時のものです。