東京農工大学

受験生の皆様

活躍する卒業生

獣医学の専門知識を新薬の安全性を調べる「病理検査」で活用 帝人ファーマ株式会社 生物医学総合研究所 安全性研究部 大澤 智美さん 東京農工大学 農学部獣医学科(現・共同獣医学科)卒業

現在のお仕事

製薬メーカーで、新しい医薬品の安全性を検査する仕事をしています。私の所属する部署が担うのは、ヒトの治験の前に実施する動物を使った投薬実験。新しい薬効が期待される成分に、どういう副作用があるのか......といったことを詳しく調べます。例えば、ラットに一定期間同じ量の薬効成分を投与し、最終的に病理解剖して、各器官の細胞を顕微鏡で観察し、どのような変化が起こったのかを分析します。私が主に担当するのは、この「病理検査」と呼ばれる工程です。

農工大での研究活動

私は東京農工大学農学部獣医学科(当時)を卒業し、現在の仕事に就きました。獣医学を志したきっかけは、小学生の頃に読んだ『動物のお医者さん』という人気漫画の影響です。
犬猫だけでなく、牛や豚の病気を治す獣医さんもいることを知り、「面白そう!」と思ったのです。そして、農工大入学後に授業で「病理学」という学問分野と出合いました。

当初、獣医学部に行けば、獣医になるのが当たり前と思っていましたが、感染症などのメカニズムを解明し、ヒトの病気の治療や創薬に役立てる研究分野を知り、興味を持ちました。そこで、病理学を専門とする獣医毒性学研究室で知識を深め、将来もこの方向で仕事をしたいと考えるようになりました。

仕事の面白さ

病理学および現在の病理検査の仕事の面白さは、動物の身体の中で何が起こっているかを細胞レベルで観察し、解明できることです。肝臓に効く薬なら肝臓の細胞だけ調べればいいのではなく、脳や目、消化管の細胞まで詳しく調べて、動物の身体全体の変化を把握します。薬効成分に起因するいろいろな臓器で起こる変化は連鎖していて、複雑な身体のメカニズムを推理小説のように解明していく作業は本当にエキサイティングです。ここで、獣医学科で身につけた生理学や解剖学の知識が役立っていることもうれしいですね。

将来の目標・夢

私が所属する帝人ファーマ株式会社は、化学繊維メーカーが母体ということもあり、現在は所属部署で、医薬品だけでなく、医療機器や化学製品の安全性検査を任されることもあります。将来は、日常生活に関わるさまざまなモノの安全性を判断できるスペシャリストになれたらいいなと思っています。

※掲載内容は、2020年11月取材時のものです。