活躍する卒業生
2017年3月に東京農工大学大学院工学府機械システム工学専攻博士前期課程修了を修了後、株式会社ニコンのヘルスケア事業部に勤務する二牟禮さん。大学で学んだ知識は、仕事で生かされているのでしょうか?
現在のお仕事
ニコンの中でも新しい挑戦ができる仕事
ニコンのヘルスケア事業部で、眼科の医療機器の開発に携わっています。これは、グループ会社であるイギリスOptos社との共同開発プロジェクトで、培ってきたカメラやレンズの技術を医療分野に応用するニコンの中でも新しいことに挑戦ができる仕事です。
眼科機器の新製品の評価実験を行う
私はここで、眼科機器の新製品の評価実験を担当しています。まず、どうしたら正しく性能を評価できるか考え、自ら計測装置を設計し、実験を行います。ゼロから自由な発想でものづくりができるのは、新しい部署ならではの楽しさだと思います。
農工大での研究活動
研究テーマは「人体運動学」
学生時代は、工学部機械システム工学科のベンチャー・ジェンチェン教授の研究室に所属し、「人体運動学」をテーマにした研究に取り組んでいました。これは、ヒトの動作を力学的に表すことを目的とした研究分野。例えば、ヒトが立ち上がるときにどれくらいの力がかかるのかを物理的な実験やコンピュータシミュレーションによって解析し、数値化していきます。
研究室全体としては、ロボットを使ったリハビリテーションなどに入手したデータを応用することを目的として、幅広い研究を行っていました。技術と医療の融合領域という点で、今の仕事にもつながる発想力をここで養えた気がしています。
カナダとフランスで研究留学を経験
また、グローバルな研究環境もベンチャー研究室の大きな特長で、私は修士課程1年次にカナダで半年、フランスで1か月半の研究留学を経験。ベンチャー先生のネットワークを利用させてもらい、自分の専門領域の最先端の研究現場を見て、大いに視野を広げることができました。修士課程2年次には、メキシコでの国際学会の発表にも挑戦。こうしたグローバルな研究活動をアピールし、今の会社からの内定を獲得することができました。
今後の目標、夢
自分の手で新しい製品を生み出したい
将来の夢は、やはり自分の手で新しい製品をゼロから生み出すこと。世界中の人が利用する眼科機器を開発するのが目標です。もちろん研究の過程で、海外勤務のチャンスがあれば、ぜひ挑戦したい。そのときに備えて、今は海外の技術者とディスカッションできるレベルの英語力を身につけるために勉強中です。研究室で鍛えたグローバル感覚を社会でも必ず活かしたいと思っています。
高校生へのメッセージ
実はかなりグローバルな大学です!
農工大は、ものづくりをする上で不可欠な「基礎」を学ぶことができます。私も学部1〜2年次に、材料の加工や機械の設計など、手を動かしてしっかり機械工学の基礎を身につけたことが大きな財産になっています。優れた機械設計は、加工の難しさがわかった上で成立します。農工大は、こうした実践的な知見を身につけられる設備が充実している点も魅力だと思います。
また、あまり知られていませんが、海外との研究交流も盛んで、非常にグローバルな大学です。留学の機会もたくさんあります。海外での最先端研究に興味がある人もぜひ農工大を目指してほしいと思います。
※掲載内容は、2019年11月取材時のものです。