活躍する卒業生
2011年3月に東京農工大学大学院農学府物質循環環境科学専攻修士課程を修了した清水亜希子さん。現在は、環境・エネルギー分野の調査・コンサルティングを行う企業で、活躍しています。学生時代の学びが、現在のお仕事にどのように役に立っているかを聞きました。
現在のお仕事
政策の根拠となるデータや知見を収集する
東京農工大学の農学部には、環境資源科学科という環境や資源をテーマにした学科があります。私はここで培った知識とネットワークをフル活用して、今の仕事に取り組んでいます。
現在、勤務している日本エヌ・ユー・エスは、環境・エネルギー分野の調査・コンサルティングを行う企業で、私は特に大気汚染や水中の化学物質の影響に関する調査や資料作成を行っています。主要なクライアント(取引先)は環境省で、新しい政策を打ち出す際に、その根拠となるデータや知見を収集し、計画立案を下支えするのが私たちの役割です。
環境分野の世界最先端の情報が得られる
日々の主な業務は、国内外の研究論文を読み込んだり、大学教員など専門家の話を聞きに行ったりすること。ときには、全国から専門家を集め、会議の場をセッティングすることもあります。大学時代から環境分野の研究を続けてきたので、興味がある分野の世界最先端の情報が得られるこの仕事が本当に楽しいです。
農工大への入学〜研究活動
研究テーマは「医薬品による汚染実態の把握」
環境分野に興味を持ったのは、高校時代に遡ります。『奪われし未来』という、環境ホルモンに関するベストセラー書籍を読んで、この分野を専門的に学びたいと考え、東京農工大学の農学部に進学しました。
「現場を知ること」の大切さを学んだ
在学中は、高田秀重教授の研究室で、環境中の医薬品による汚染実態の把握をテーマとした研究に取り組みました。私たちが日常的に使っている抗生物質などの医薬品がトイレから下水道を経て、河川に流入している実態を突き止め、その影響を調べました。実験のフィールドは日本だけに留まらず海外にも及び、当時は年1回ベトナムで、水質調査を行っていました。
高田先生から学んだのは、「現場を知ること」の大切さ。資料や論文を読み込むことも重要ですが、現場を見なければ本質はわからないことを痛感しました。高田先生とは現在も交流があり、最近も沖縄で海洋ごみの調査を共同で行っています。
今後の夢
環境保全のための情報発信をしたい
今の仕事に大きなやりがいを感じる一方、最近は自分自身も環境保全のために何かできないかと考えます。大学時代から積み上げた知識と経験を活かして、もっともっと多くの人に環境に対する意識を持ってもらえるように情報発信をしていきたいと思っています。
高校生へのメッセージ
やりたいことがある学生が集まる場所だ
農工大は、根が真面目で、しっかりやりたいことがある学生が集まる場所だと思います。在学中は、周りのみんなが好きなことをのびのびとやっている印象を受けました。私も学生時代は管弦楽団に所属し、初心者ながらビオラに挑戦。勉強と両立した忙しい日々を過ごしました。農学部のある府中キャンパスは、自然がいっぱいで学ぶ環境としても魅力的です。今後は、海外で研究をするような機会も増えるでしょう。ぜひさまざまなことにチャレンジしてください!
※掲載内容は、2019年9月取材時のものです。