ステントモータの開発目的
動脈硬化などで心臓の冠動脈に十分な血液が流れない状態になると、心臓はエネルギー不足に陥る。これを虚血状態という。近年、虚血性心疾患による死亡者は増加傾向にある。現在、虚血性心疾患の治療法として、ステントを用いた冠動脈ステント留置術がある。これはまず,先端にバルーンがついたカテーテルを側腕部または大腿部の血管から挿入する.そして患部でバルーンを膨らまし,ステントを留置することで血管の内腔を保持するという治療法である.しかし,ステントを留置した場合でも,患部付近で冠動脈が再狭窄してしまい,ステント留置術の再施行が必要になる場合がある.この問題を解決するため、当研究室ではステントモータを開発している。ステントモータは体外からの超音波照射により血管内を摺動する。これにより、患部付近の再狭窄に対応できると考えられる。
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Fig.3 ステントモータを用いた冠動脈ステント留置術の概略 |