研究目的/内容

国際共同研究の目的

本研究は、有機バナナ産地であるペルー熱帯雨林(セルバ)を対象地域とし、バナナに壊滅的被害を及ぼす萎凋病(いちょうびょう)への対策として診断・警戒システムの開発、抵抗性系統、健全苗、生物農薬などを組み合わせて低環境負荷型の「萎凋病総合制御パッケージ」を構築・実装する。これにより、安定なバナナ生産が担保され、セルバ小規模農民の生活水準向上に寄与することを目的とする。


国際共同研究の題目

Activity1. 圃場レベルおよび分子レベルのバナナ萎凋病診断・警戒システムの確立と実用化

1-1 対象地域に適した圃場レベルの診断技術の確立
1-2 分子診断クリニック(仮称)の設置
1-3 分子レベルの特異識別(検出)技術の構築
1-4 診断・警戒システムのマニュアル化

Activity2. 萎凋病耐病性バナナアクセッションの選抜、および、突然変異誘発による萎凋病抵抗性バナナ系統の選抜

2-1 萎凋病耐性バナナアクセッションの選抜
2-2 突然変異誘導に使用するアクセッションの選抜
2-3 突然変異誘発条件の設定
2-4 変異誘発処理
2-5 萎凋病抵抗性変異株の選抜
2-6 遺伝的安定性の確認
2-7 選抜系統の農学的形質の確認
2-8 萎凋病耐病性/抵抗性系統の圃場実証
2-9 耐病性/抵抗性系統のカタログ化

Activity3. 病原フリー苗生産および頒布システムの構築

3-1 病原フリー親植物の維持
3-2 メリクローン病原フリー苗植物の増殖
3-3 病原フリー苗生産拠点の整備
3-4 病原フリー苗の農家への頒布
3-5 専門家のトレーニング
3-6 専門家による農家指導

Activity4. 病害発病抑止土壌を構成する有効な微生物エコシステムの解明

4-1 発病抑止土壌の探索と移植性の確認
4-2 発病抑止土壌の物理性/化学性/生物性調査
4-3 発病抑止土壌微生物エコシステムの解析
4-4 発病抑止性に関わる微生物の分離
4-5 微生物エコシステムへの改良資材の影響

Activity5. 微生物あるいは微生物エコシステム等を活用した環境への影響が少ない生物農薬あるいはバイオスティミュラント等の開発と導入

5-1 非病原性フザリウム菌やその他の微生物を成分とする生物農薬あるいはバイオスティミュラント等の開発
5-2 非病原性フザリウム菌や他の微生物を成分とする生物農薬あるいはバイオスティミュラント等の実装
5-3 微生物エコシステムを成分とする生物農薬あるいはバイオスティミュラント等の開発
5-4 微生物エコシステムを成分とする生物農薬、バイオスティミュラント等の実装
5-5 低環境負荷型防除技術(プラントアクチベーター等)の検討、圃場での使用技術の確立
5-6 低環境負荷型防除技術(プラントアクチベーター等)の実装
5-7 開発した防除資材等を統合したバナナ萎凋病低環境負荷防除法の提案
5-8バナナ萎凋病防除担当者のトレーニング