(研究室の特徴)

研究室の運営方針は、「自由闊達」です。大学における研究は基本的には個々人が行うものですが、良い結果を得るためにはお互いの研究に関心を持って、自由に、伸び伸びと議論しながら進めることが大切だと考えています。そのため研究については自主性・自発性・独自性(オリジナリティ)を尊重しています。

研究室では、経済産業省(NEDO)の研究プロジェクトや、JAXA、民間企業などとの共同研究などを通して、社会実装につながる研究開発にも積極的に取り組んでいます。
また科研費による基礎研究にも力を入れています。

研究テーマのジャンルが幅広いので、評価実験系、数値解析系(プログラミング)、実験&解析バランス系、ものづくり専業など、個々人の希望に応じた様々なテーマ設定をすることが可能です。また、研究フェーズも、基礎研究~実用化を踏まえた開発研究まで興味にあったテーマを選ぶことができます。

もちろん研究成果があれば、海外で開催される国際会議への参加についても積極的に応援しています。研究交流会や学会への参加機会も多いです。

研究室の詳細について知りたい場合は研究室紹介や研究室の学生との懇談の機会を設けますので、是非、お気軽にご連絡ください。

(大学院への進学について)

2028年3月に定年退職予定のため、2026年度に配属された4年生が博士前期課程(大学院修士課程)への進学する場合は他の研究室に移動する必要があります。
そのため、2026年4月に配属の学部生については、下記のような学生が対象になります。

1.学部卒での就職を希望している
2.大学院として、他大学への進学を希望している
3.大学院として、JAXA連携大学院(平野研)への進学を希望している(詳細はお尋ねください)
4.大学院として、先進学際科学府(大島研)への進学を希望している(詳細はお尋ねください)

(研究分野について)

研究分野は主に「航空宇宙システムの構造・材料」と「複合材料工学」です。
航空宇宙工学というと、空気力学、飛行力学、航空推進、宇宙推進、衛星システム、宇宙航行、探査ロボット、ローバー等については馴染みがあると思いますが、重力に抗って空を飛ぶことから軽量で信頼性の高い機体や構体を実現するための「構造・材料」も重要な技術分野です。

航空機やロケット、航空エンジン、ロケットエンジン、人工衛星などの航空宇宙システムの主構造には、軽量で強度や剛性の高い繊維強化複合材料が多用されています。例えば最新の旅客機であるボーイング787やエアバスA350では、主翼、胴体、尾翼など機体のほとんどが炭素繊維強化プラスチック複合材料(CFRP)で構成されています。また、航空エンジンの大型ファンブレードやファンケースにも適用が進んでいます。最近では、1000℃を超えるようなエンジン高温部にも、超耐熱複合材料であるセラミック繊維強化セラミック複合材料(CMC)が実用化されるようになってきました。

航空宇宙システムの性能向上には高度な複合材料の適用技術が不可欠です。そのため世界中の研究機関(NASAやJAXAなど)や大学、航空宇宙メーカーなどでは、繊維強化複合材料に関する研究開発が積極的に進められています。また近年では自動車の車体や燃料電池自動車の水素タンク等への適用に関する研究も世界各国で精力的に行われています。

繊維強化複合材料は「材料」というよりも「構造」と考えた方が適切です。それは、複合材料の場合、材料と構造(機体、構体、車体など)が一体であるからです。複合材料の設計=機体構造の設計、と考えてもよいでしょう。