学内の動き T行事・イベント
◎ 公開講座を実施

 公開講座が開催されました。

<学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会>
 7月25日(木)から26日(金)に、遺伝子実験施設東棟3階E27室において公開講座「学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会」が開催され、中学・高等学校(都道府県の教育センターを含む)の理科系教員8名が受講しました。本研修会は、「教育目的組換えDNA実験」のガイドラインが文部科学省で制定された2001年に、筑波大学遺伝子実験センターと東京農工大学遺伝子実験施設が全国の国立大学遺伝子実験施設に先駆けて開催したもので、今年で19回目となります。
 研修会は、リテラシーとしての遺伝子教育を目標として米国で開発された教材を利用して行われました。オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の遺伝子を含むプラスミドDNAを大腸菌に導入し、翌日に大腸菌のコロニーを観察しました。紫外線(ブラックライト)照射下でプレート上の大腸菌のコロニーが緑色の蛍光を放つ様子から、遺伝子が発現して緑色蛍光タンパク質が蓄積しているかどうかを知ることができます。
 今回受講した教員の方々の指導の下、中学や高校の授業での同実験を通して、分子生物学に対する生徒たちの興味が高まることが期待されます。
 
実習の様子 大腸菌のコロニーか゛緑色の蛍光を放つ様子
 

<子ども樹木博士>
 公開講座「子ども樹木博士」が、戸田浩人農学研究院教授、小池伸介准教授、吉田智弘講師(FSセンター)の担当で、8月3日(土)に開催されました。
 本講座は、身近な樹木の名前、見分け方、性質などを小・中学生とその保護者にキャンパス内の樹木を見てもらいながら解説し、樹木や自然に親しむきっかけを持ってもらうものです。受講生の学年、経験、申し出などによって、初級(26種)、中級(55種)に挑戦してもらいました。受講者を一家族か二家族の小グループに分け、担当の学生が丁寧に解説してまわり、続いて教室で標本を手に取って確認してもらいました。樹木の葉の形や色だけでなく、香りや感触など五感を使った見分け方や、名前の由来などを楽しく学んでいました。昨年までは必ず標本で樹木名を当てる試験を行っていましたが、今年からは希望者のみとし、試験の方法も初級は標本のみ、中級は標本と野外の樹木で行いました。今回は初級の受講生がほとんどで、大部分の子が腕試しに試験を受け、好成績をとって喜んでいました。今年は応募者数が多く7月中旬までで予定数を大きく超えたため途中で閉め切らざるを得ませんでした。一方、天候には恵まれたものの、梅雨明けの猛暑がつづきで体調を崩し、当日参加キャンセルとなってしまった受講生も多く残念でした。
 アンケートで大学の公開講座で教えてほしいことをたずねたところ、昆虫に興味を持った子どもが多く、実際、樹木の解説中も虫をつかまえるなど、いろいろな楽しみ方をしてくれました。子ども達がこの講座をきっかけとして、身近な自然に興味を広げたといえます。
 
小グループに分かれて、樹木を見ながら大学生に説明を受ける参加者
 

<ジュニアサイエンスプログラム「ホログラムを作ってみよう!」>
 8月10日(土)に、小金井キャンパスの科学博物館の多目的実験室において、中学生向けのジュニアサイエンスプログラム「ホログラムを作ってみよう!」が開催され、9名の中学生と9名の保護者の方にご参加いただきました。
 本プログラムは科学実験を実際に体験してもらう公開イベントで、科学博物館で定期的に開催されています。今回は光の波を記録・再生する技術で、3次元映像技術としても注目されているホログラフィをテーマとし、ホログラフィの仕組みや身の回りにあるホログラフィの応用例の解説を行いました。また、担当の講師や大学生・大学院生に教わりながら実際にホログラムの記録・現像の実験を行いました。
 ホログラムの現像が終わり、フィルムを乾燥させると、記録した立体像が徐々に表れてきます。立体像を見た受講者からは驚く声も聞かれました。
 受講者からは、「仕組みを理解しながら自分で手を動かして学べたのが良かった」、「(大学の)予習みたいで楽しい」といった声が寄せられ、光や3次元映像技術、科学実験や研究などに興味を持ってもらえる良いきっかけになったのではないかと思います。
 
 
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