学内の動き T行事・イベント
◎ 公開講座を開催

公開講座が開催されました。

<子ども樹木博士>
 公開講座「子ども樹木博士」が、戸田浩人農学研究院教授、小池伸介准教授、渡辺直明FSセンター自然環境分野長の担当で、8月25日(土)に開催されました。
 本講座は、身近な樹木の名前、見分け方、性質などを小・中学生とその保護者にキャンパス内の樹木を見てもらいながら解説し、その後に室内で標本の樹木名を当てる試験を行い、正解数に応じて段位を認定するものです。受講生の学年、経験、申し出などによって、初級(25種)、中級(54種)、上級(115種)に挑戦してもらいました。受講者を数名ずつの小グループに分け、担当の学生が丁寧に解説してまわり、続いて教室で標本を手に取って覚え、最後に樹木名を当てるテストへとそれぞれのペースで進みます。樹木の葉の形や色だけでなく、香りや感触など、五感を使った見分け方の工夫が教えられていました。初級に挑戦した小学校低学年の子も、10種以上正解し初段を獲得して喜んでいました。また、連年参加し中学3年生となったベテランは上級に挑戦し、94種正解で九段を獲得しました。今年は猛暑がつづき夏休みの終わりに体調を崩し、当日参加キャンセルとなってしまった受講生も多く残念でした。
アンケートで大学の公開講座で教えてほしいことをたずねたところ、「木のつかいみち」「動物の研究」「虫のこと」などがありました。子ども達が樹木の名前を覚えることをきっかけとして、身近な自然に興味を広げてくれたことがわかります。
 
小グループに分かれて、樹木を見ながら大学生に説明を受けました
順番に並んだ標本を見ながら、樹木名をしっかりと覚えました >正解数に応じて段位の認定証を渡しました
 

<遺伝子工学実習講座タンパク質コース>
 9月20日(木)と21日(金)の2日間、府中キャンパス 学術研究支援総合センター 遺伝子実験施設において、「遺伝子工学実習講座タンパク質コース」が開催されました。
 本講座は初心者を対象に講義と実習をとおして遺伝子工学の基礎を学ぶことを目的としており、一昨年までは毎年、それ以降は「遺伝子工学実習講座DNAコース」と交互に隔年で実施され、社会人対象のリカレント教育の場として高い評価を得ています。受講者は関東圏を中心に全国から7名が参加しました。
 実習内容は、組換えタンパク質を発現した大腸菌から目的のタンパク質を精製し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動後の染色により検出し、さらにウエスタンブロット法で抗体との反応により目的のタンパク質であることを確認するというものです。関連の講義を含めて、遺伝子実験施設の専任教員が全てのプログラムを担当しました。
 昨年に実施した同講座「DNAコース」と同様に、公的研究機関、民間企業、学校教員、学部生・大学院生等、幅広い分野からの参加がありました。遺伝子実験施設公開講座ではリピーターも多く、本公開講座に対する受講生の満足度の高さがうかがえます。参加者同士も顔見知りとなり、異分野間の情報ネットワークを通じて、各自の得意な分野を拡大するのに役立つことが期待できます。
 
講義の様子 ウエスタンブロット法:タンパク質を転写した膜のプラスチックバッグへの封入作業
 

<子供科学教室「動物の体を透視しよう」>
 10月13日(土)、小金井キャンパス科学博物館において、小学生を対象とした公開講座「動物の体を透視しよう」が開催され、子供24名と保護者18名、計42名が参加しました。本講座では、動物の体を透視するために、光を使った発育鶏卵の観察と、透明骨格標本の観察を実施しました。
 発育鶏卵の観察では部屋を暗くし、強いペンライトで卵を照らして中を観察してもらいました。卵の中で動くヒヨコを見て、子供達は夢中で観察していました。観察の後はスケッチしてもらい、各班の代表者にそれぞれ発見したことを紹介してもらいました。
透明骨格標本の観察では、マウスやウズラ、金魚など色々な動物の標本を使って、「動物種の違いによって異なる部分や同じ部分、動物種が同じなのに異なる部分」を観察してもらいました。子ども達からは哺乳類と鳥類の首の骨の数の違いなど、こちらが想定していた以上にするどい回答が得られました。
 どちらの観察でも、保護者も含めた参加者の皆さんにとても興味を示していただき、盛況な講座となりました。こうした活動が、科学に興味を持つきっかけになってくれれば嬉しいです。
 
ライトを使って発育鶏卵の中を観察 色々な動物の透明骨格標本を観察
 
 
次の記事→

595号目次へ戻る