学内の動き T行事・イベント
◎ 公開講座を開催



公開講座が開催されました。

<宇宙観測とコンピュータ>
 6月4日(土)に、科学博物館において公開講座「宇宙観測とコンピュータ」を実施しました。
 本講座は、今話題になっている宇宙観測がコンピュータによってどのように制御されているかについて、現場で働いている前川先生(国立天文台研究教育職員)に失敗例も含めてご紹介いただきました。また、本講演の最後に幾何学的デザインに基づいた渦巻宇宙の折り紙の実習も行っていただきました。
 当日は20人定員のところを30名が参加しました。小学生のお子様からも質問があり、活発な講演会になりました。福島県からこの講演に参加された方もいらっしゃいました。
 参加者からは、「今後も最先端の宇宙についての講演をしてほしい」「幾何学折り紙の企画をしてほしい」といった声が寄せられました。幾何学折り紙のコーナーは和気藹々とした良い雰囲気でした。
 折り紙を日本の文化ととらえ大学の学問(数学や物理学、ものづくり学)として発展させていくと、農工大から市民の皆様へ学問を伝える良いツールになることを実感いたしました。


<小動物臨床獣医師養成講座 初級 外科 「犬と避妊手術」>
 7月10日(日)、府中キャンパス農学部附属動物医療センターにおいて、公開講座「小動物臨床獣医師養成講座 初級外科『犬と避妊手術 』」が開催されました。
 本講座は、「獣医師の卒後再教育プログラム アドバンス イン 農工大!」が主催し、リカレント教育による獣医師のスキルアップ・再就職支援を目的として毎年開催されている「小動物臨床獣医師養成講座」のひとつで、臨床獣医学の基礎や最新技術を習得できる講座として、高い評価を得ています。
 講師は松田浩珍農学研究院教授が担当し、受講者が講師の指導を受けながら実際に犬の避妊手術を行いました。手術は無事に終了し、良好な回復を確認しました。
 受講者からは、「非常にためになった」「丁寧な指導で外科手術の基礎をきちんと学ぶことができた」「これからもがんばりたい」という声が寄せられ、大変有意義な講座となりました。
 詳しくは下記ホームページをご覧ください。
http://www.tuat.ac.jp/~manabi/
講師の指導を受けながら手術を行う受講者


<実演・実習 高校生のための野生動物学講座>
 7月17日(日)、府中キャンパスの広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)において、公開講座「実演・実習 高校生のための野生動物学講座」が開催されました。
 本講座は、鈴木馨・FSセンター野生動物保護管理分野長のほか、武田庄平・地域生態システム学科准教授、佐藤俊幸・共同獣医学科准教授、小山哲史・共同獣医学科助教が担当し、大学での野生動物学教育と研究を分かりやすく解説し、具体的に理解いただくことを目的としています。野生動物保護活動の紹介や実演・実習を中心にしていることもあり、今回も大変好評で、本学への関心を深めていただきました。
 この講座の受講者には、動物関係の進路や農工大への進学を志望する生徒が多く、実際に本学に入学した学生もすでに多数にのぼっています。受講者の満足度も高く、今後も講座内容の研究に努めて発展させていきます。

聴診の体験実習 実物に触れて学ぶ


<アリと自然環境>
 7月23日(土)、府中キャンパスにおいて、小学生を対象とした公開講座「アリと自然環境」が開催されました。様々な環境に多様なアリが生息していることを体験的に理解してもらうことを目的に毎年開催しています。6回目となる今回は、小学生22名とその保護者、計41名が参加しました。
 佐藤俊幸農学研究院准教授によるアリの生態に関するミニ講義の後、参加者自ら「吸虫管」を作成し、小山哲史農学研究院助教や日本蟻類研究会メンバーの指導の下、キャンパス内での“アリエンテーリング”に出かけました。子供達は資料をもとにキャンパス内を探索し、吸虫管で採集したアリを実習室に持ち帰り、顕微鏡を使って種の同定を行いました。
 講義室で昼食をとりながら、アリの動画教材を鑑賞しました。屋外での採集を終了した後、アリの形態をよく観察してスケッチし、提出してもらいました。アリエンテーリングの点数と合計し、成績優秀者上位3名には金銀銅メダルが授与されました。日本蟻類研究会の近藤正樹会長によるミニ講義の後、全員に受講証明書が手渡されました。身近な環境にいろいろなアリが生息していることを実感し、家族ぐるみで楽しく学んだ一日となりました。
アリに関するミニ講義 吸虫管と篩を使ってアリを採集


<学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会>
 7月28日(木)から29日(金)に、遺伝子実験施設において公開講座「学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会」が開催され、中学・高校の理科系教員19名が受講しました。
 本研修会は、「教育目的組換えDNA実験」のガイドラインが文部科学省で制定された2001年に、筑波大学遺伝子実験センターと東京農工大学遺伝子実験施設が全国の国立大学遺伝子実験施設に先駆けて開催したものです。
 高校「生物」の教科書は、2012年の新学習指導要領により内容が大幅に刷新され、新教科書に基づく初めての2015年度実施大学入試では、遺伝子に関する新しい出題が増加したことが、今年の受講生の増加にもつながったと思われます。
 研修会は、リテラシーとしての遺伝子教育を目標としてアメリカで開発された教材を利用して行われました。オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の遺伝子を含むプラスミドDNAを大腸菌に導入し、翌日に観察した大腸菌コロニーが紫外線ランプの下で美しい緑色の蛍光を放つ様は感動的でした。
 今回参加した教員の指導の下、中学や高校の授業での同実験を通して、新しい分子生物学に対する生徒たちの興味が高まることが期待されます。
実験指導の様子 ループの説明
 
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