学内の動き T行事・イベント
◎ 平成26年度 公開講座を開催
<眼からウロコサイエンス1:自分の「細胞」と「脳」を元気にする方法>
 7月12日(土)、科学博物館において、工学部有機材料化学科・材料健康科学寄附講座の主催により、公開講座「目からウロコサイエンス1:自分の「細胞」と「脳」を元気にする方法」が開催され、一般の方々21名が受講しました。
 当日は、午前中は座学が行われ、まず初めに脳科学・理学療法学を専門とする跡見友章帝京科学大学講師による「自分の脳との付き合い方・自分というシステム」と題する講義が行われました。続いて、JAXA研究院の長谷川克也氏による「地球・宇宙・重力」と題する講義、跡見順子工学府客員教授による「いのちの理解」と題する講義が行われました。
 午後はストレッチ実習と細胞の顕微鏡観察実習が行われ、ストレッチ実習では自分の体と対話する方法を学び、顕微鏡実習では心筋細胞が拍動している様子を観察しました。午前に行われた座学では講義内容に今ひとつ実感が持てなかった参加者も、実習をとおして理解が深まったようで、「ついて行くのが大変。だけどそれがかえって脳への刺激にいいのかな」、「ストレッチの効用がはじめてわかった」などの声が聞かれ、受講者にとって有意義な講座となりました。
 なお、8月23日には中高生を対象とした「ジュニア版・眼からウロコサイエンス1:自分の『細胞』と『脳』を元気にする方法」が開催される予定です。
 
講堂でのストレッチ実習の様子 実験室での細胞観察実習の様子
 
 
<子供科学教室「絹の科学−カイコが病気をなおす?絹の不思議解明と医療への応用」>
 7月12日(土)、科学博物館において、近隣の小・中学生を対象とした子供科学教室「絹の科学−カイコが病気をなおす?絹の不思議解明と医療への応用」が開催され、計32名(保護者を含む)が参加しました。
 当日のプログラムは、当館と関わりの深い絹の性質とその先端医療への応用を、実験をとおして体験的に学ぶというもので、最初に繭からの糸取りを体験したのち、取り出した糸を薬剤で溶かす実験を行いました。自分の取り出した糸がみるみる透明になっていく様子を見た子どもたちは、みな驚きの声をあげていました。
 さらに、溶液を乾燥させて作ったフィルムから、先端医療への応用で用いられる絹の特性も確かめました。
 大学の博物館ならではの高度な内容でしたが、講師のわかりやすい解説と学生の細やかなサポートにより、子どもたちは十分に理解していた様子でした。また、保護者からも熱心に質問があり、先端科学への市民の高い関心を感じさせる科学教室でした。
 
 
 
<実演・実習 高校生のための野生動物学講座>
 7月20日(日)、府中キャンパスにおいて、公開講座「実演・実習 高校生のための野生動物学講座」が開催されました。
 本講座は、中垣和英農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)野生動物保護管理分野客員教授と鈴木馨分野長のほか、武田庄平地域生態システム学科准教授、佐藤俊幸共同獣医学科准教授、小山哲史共同獣医学科助教が担当し、大学での野生動物学教育と研究について、わかりやく具体的な解説が行われました。FSセンターの野生動物保護活動の紹介や実演・実習を中心にした内容は、多くの受講者から好評を博し、本学への関心をより深めていただきました。
 この講座の受講者には、動物関係の進路や本学への進学を志望する高校生が多く、実際に多数の学生が本学に入学しています。受講者の満足度も高く、講座内容を吟味することでより一層の発展が期待されます。
 
大学教育の一端を知る 実物に触れて学ぶ
 
 
<学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会>
 7月24日(木)および25日(金)、学術研究支援総合センターの遺伝子実験施設において、公開講座「学校教員のための遺伝子組換え実験教育研修会」が開催され、中学・高校の理科系教員18名が受講しました。
 本研修会は、「教育目的組換えDNA実験」のガイドラインが文部科学省で制定された2001年に、筑波大学遺伝子実験センターと東京農工大学遺伝子実験施設が全国の国立大学遺伝子実験施設に先駆けて開催し、以来、両大学での参加者は合計600名以上になります。
 研修会では、リテラシーとしての遺伝子教育を目標としてアメリカで開発された教材キットを利用して行われ、1日目はヒートショック法で大腸菌にプラスミドDNAを導入するという基本的な実験を行いました。プラスミドにはオワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の遺伝子が含まれており、2日目に観察する大腸菌コロニーが紫外線ランプの下で美しい緑色の蛍光を放つ様は感動的であったようです。また、外部講師陣による多面的な講義と実習には、関連法令の知識から遺伝子研究の最先端までが含まれており、多くの受講者は予想以上のレベルの高さに満足していました。
 今回受講した教員の方々の指導の下、中学や高校の授業での同実験を通して、生徒たちは生物学に対する興味が高まるものと思われます。
 
 
 
<アリと自然環境>
 7月26日(土)、府中キャンパスにおいて、小学生を対象とした公開講座「アリと自然環境」が開催されました。
 この公開講座は、様々な環境に多種多様なアリが生息していることを体験的に理解してもらうことを目的に平成23年度から開催しており、4回目となる今回は、保護者の方々を含め29名が受講しました。
 当日は、佐藤俊幸農学研究院准教授によるアリの分類と生態に関するミニ講義の後、参加者自らが「吸虫管」を作成し、小山哲史農学研究院助教らの指導の下、キャンパス内での“アリエンテーリング”に出かけました。子供達は、事前に配布されたアリのリストを参考にしながらキャンパス内を探索し、採集したアリを実習室に持ち帰り、顕微鏡を使って種の同定を行いました。また、蜂蜜水を入れたトラップを異なる環境に設置し、集まってくるアリを採集しました。
 昼休みは、昼食をとりながら、サムライアリの奴隷狩りの様子をビデオで学びました。屋外での採集を終了した後、アリの形態を観察しながら描いたスケッチを提出してもらい、アリエンテーリングの点数と合計し、成績優秀者を表彰しました。
 その後、日本蟻類研究会の近藤正樹会長(白梅大学名誉教授)によるミニ講義が行われ、最後に受講者全員に受講証明書が手渡されました。全プログラムをとおして、身近な環境にいろいろなアリが生息していることを実感でき、家族ぐるみで楽しく学べる一日となりました。
 
採集したアリを同定 受講証書の授与
 
 
<リフレッシュ操体呼吸法>
 7月26日(土)〜27日(日)、小金井キャンパスにおいて、公開講座「リフレッシュ操体呼吸法」が開催され、17名が受講しました。
 本講座では、基礎的な呼吸循環系の生理機能および身体と精神の関連性についての説明が行われた後、(1)基本の呼吸のしかた(呼吸法)、(2)リラックスを得る緩めの体操、(3)気感を得る・気の交流などの実習が行われました。
 実習は、深く長い呼吸や力を抜いた体操を意識しながら行われ、特に内臓を動かす運動や体に振動を与える動作が受講者に好評でした。お互いに肩等に手を当て、人の「気」を感じたり、自分の体を捉える体験をしたことから、新鮮な感動が得られたようです。
 2日間をとおして、受講者は本講座の「自らの健康を維持、増進する」という目的を理解した様子で、楽しく有意義な講座となりました。
 
 
 
<子供科学教室「昆虫の体の仕組みを調べてみよう」>
 8月2日(土)、科学博物館において、近隣の小・中学生を対象とした子供科学教室「昆虫の体の仕組みを調べてみよう」が開催され、計26名(保護者を含む)が参加しました。
 当日のプログラムは、「カイコ」の体の仕組みを、講義と実験をとおして体験的に学ぶというもので、最初に、カイコガの幼虫の体の仕組みやオス・メスの見分け方等の説明がありました。一部に難しい内容がありましたが、カイコガは人間が作った昆虫であること、カイコとヒトにはよく似た遺伝子が約60%もあることなど、興味深い説明に子供たちは真剣に聴いていました。
 次にテキストと講師の説明に従い、カイコの解剖に入りました。カイコを氷に浸す方法で麻酔をかけてから、容器にピンで止め、縦にハサミで切っていきました。子供たちは皆気持ち悪がらずに、講師や学生のサポートを受けながら、解剖と観察に真剣に取り組んでいました。
 
 
←前の記事 次の記事→

547号目次へ戻る