学内の動き T行事・イベント
◎ 卒業式および連合農学研究科修了式中止のお知らせ

 本学では、3月17日(木)、平成22年度連合農学研究科修了式および、3月25日(金)、平成22年度卒業式・修了式を挙行予定でしたが、先に発生した東日本大震災に伴うその後の余震の 可能性や、東京電力株式会社による計画停電の影響等を考慮した結果、学生の安全確保を最優先することとし中止しました。

<東京農工大学を巣立ちゆく皆さんへ>

 本日、学部を卒業された皆さん、大学院博士前期課程、同後期課程を修了された皆さん、おめでとうございます。 この度の東北関東大震災および福島第一原子力発電所の危機的状況下とはいえ、皆さんにとって記念すべき重要な式典である卒業式・修了式の見送りはまさに苦渋の決断であり、誠に残念な思いです。 式典での告示に代わり、改めて皆さんのこれまでの努力と研鑽により学位を取得されましたことに心より祝意をお伝え致します。
 今回の地震と津波による被害は未曾有のものと思われます。皆様の中にもご家族をはじめとする近親者や知人が被害に遭われた方もおいででしょう。 心よりお見舞い申し上げます。一瞬の内に命を奪われ、大切なものを失うという悲劇を全国民が目の当たりにしました。 今、我々は共に悲しみ痛みを分かち合い互いに助け合うことが大切です。同時に、我々は未来を見据え、困難に立ち向かう勇気と人への思いやりを抱いてこの悲劇を乗り越え力強く前進する必要があると思います。 皆さんはこれまでに蓄えた専門的な知識や技術だけではなく大学・大学院生活で培った多様な能力により、総合的かつ大きな人間力を持つ研究者・技術者に育っています。 社会に出る人、大学院に進学する人、道は異なろうとも、それぞれの場でその持てる力を十分に発揮することこそ、自分自身の人生の目標に添うだけでなく、復興から発展へ向けての社会の大きな力となるのです。前途ある若者である皆さん、4月からの新しい生活に全力で邁進して下さい。 また、今回の震災に対し世界の多くの国が支援の手を差し伸べていることを決して忘れないようにしましょう。我々は地球人です。グローバル化が進む時代にあっては、本学の基本理念であるMORE SENSE(美しい地球持続のために全学を挙げて教育研究に努力する)の精神は益々その重要性を増して来ております。 MORE SENSE農工大!の精神を貫き、これからのグローバル化社会を力強く進んでいかれることを願っております。
 東京農工大学で学んだ皆さんのこれからの明るい未来に乾杯!

東京農工大学前学長 小畑秀文
 
 

 
 
 
<同窓会よりエールをお送りいたします>

 今年、東京農工大学から卒業証書あるいは学位記を授与されました皆さんには、同窓会を代表して心よりお喜び申し上げます。今般の大震災の影響により、皆さんのお顔を直接拝見させていただきながらお喜びの言葉を申し上げられないことは、誠に残念ではありますが、今は被災地の一日も早い復旧・復興に少しでもお役に立つべき時ですので、やむを得ないと思います。皆さんとはこれから先、同窓会の集いなどでお目にかかれることを楽しみにしております。
 さて、日本を代表する脳科学者である小泉英明さんは本学経営協議会の委員でもあられますが、その小泉さんが日本経済新聞(2011年1月4日)に書かれていた中で、「『坂の上の雲』として、はっきり見える目標を持って進む事も大切であるが、これからは、吹雪で先が見えない中で、自ら深雪をラッセルする時代に入る。より熱い志と意欲、そして理性と感性の協創が求められる時代である。 心に響く芸術や科学こそ若者の意欲と志を育み、それが日本の未来を創っていく。」と述べておられました。
 皆さんが熱い志と意欲、そして理性と感性の協創を持って日本の未来の創造を担っていっていただくことを大いに期待するところでありますが、道は必ずしも平坦ではないでしょう。そのような時には、同窓会がいつも皆さんとともにあると言うことを思い出していただき、更なる一歩を踏み出していただく事が出来れば幸いです。

東京農工大学同窓会長 藤森明彦
 
 

 
 
←前の記事 次の記事→

507号目次へ戻る