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◎ 新年賀詞交歓会を開催
 1月4日(火)、50周年記念ホールにおいて、平成23年新年賀詞交歓会が開催され、理事、監事、部局長、評議員のほか、多数の職員が出席しました。
 はじめに小畑学長から年頭挨拶があり、松永副学長による乾杯挨拶の後、笹尾副学長による締めの挨拶まで、終始和やかに懇談が行われました。
    
小畑学長
 
【小畑学長 年頭挨拶】
 明けましておめでとうございます。皆様、大きな期待を抱いて新しい年を迎えられたことと思います。2011年が皆様にとりまして素晴らしい年になることを願うと同時に、東京農工大学の一段の発展の年となることを願っております。

 年頭にあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 運営費交付金の大幅削減が大変懸念された来年度予算編成でしたが、どうやら比較的軽微な削減に落ち着きそうです。人造りや基礎研究の重要性を考慮した予算編成になったためであり、この点では高く評価できるといえると思われますが、日本がかかえる財政再建という極めて重要な課題を先送りした結果ともいえ、国全体の視点からは、国の将来に大きな不安を残す状況に変化無しといえると思われます。そのことを考えるとき、大幅な予算削減という大波がいつ襲ってくるかもしれません。我々はそれに耐えうる体制を今のうちに確立しておく必要があります。人員削減や予算削減のもとでも、質の高い教育や研究を推進できるより効率的な大学経営に向け、今年も一層の努力が求められると思います。教職員一同の高い自覚と努力を心よりお願い申し上げます。
 内閣府の総合科学技術会議が、来年度から5年間の「科学技術に関する基本政策」を政府の第4期科学技術基本計画としてまとめました。近いうちに閣議決定される予定のものですが、「科学技術に関する基本政策」として、経済成長を支える科学技術分野の主柱として、エネルギー・環境技術と健康・生命科学の二つを掲げ、研究から産業化まで支援して行く方針を打ち出しております。基礎分野の研究への予算配分を増やす一方、研究成果については国が主導して事業化し、国際展開までつなげる体制も築くとしております。基本政策では、政府の科学技術関係予算に国内総生産(GDP)比で1%を充て、5年間で総額25兆円を投じるという目標も明記しております。第3期科学技術基本計画では、同じように25兆円を投じるとされておりましたが、結果的には22兆円を下回る見込みです。第4期計画が計画通りに実行されるかどうかは財政状況次第といえるかもしれません。しかし、第4期計画での重点分野が本学のカバーする分野とまさに合致していることから、本学にとっては追い風です。これから種々の競争的資金の形で具体化されてきますので、教員各位におかれましては、それらを見逃すことなく、果敢にチャレンジされんことを強く期待したいと思います。また、文科省科研費では今年度に比して30%以上という予想外の大幅増額となりました。研究分野に左右されず、公平な採択率で交付されるのが科研費であり、本学の全教員の積極的な応募を強く期待し、採択率および採択件数の大幅増に向けて努力いただきたいと思います。

 アメリカの詩人サミュエル・ウルマンの詩の中で、青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだということを詠った「青春」という詩があります。その一節に次のような部分があります。
 you are young as your faith, as old as doubt;
 as young as your self-confidence, as old as your fear;
 as young as your hope, as old as your despair.
岡田義夫の訳によれば、
 人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
 人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
 希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる
となります。これまでの本学の発展の基礎は各人各層が大学の輝かしい将来像に向けて前向きの議論を戦わせ、叡智を結集して目標を定め、一丸となって取り組んだところにあると思います。この“信念と自信と希望に裏打ちされた組織体としての一体性”にこそ本学のエネルギーのもとがあったと言えるでしょう。これからも、本学構成員一人ひとりがそれぞれ信念と自信と希望を持ち続けなければなりません。そして、大学構成員の叡智を結集できる一体性を保持し、東京農工大学をいつまでも若々しくチャレンジする大学として力強く前進させていくように、全学をあげて力を合わて前進いたしましょう。

 新年が東京農工大学にとって更なる飛躍への重要なステップとなることを祈念し、かつ教職員皆様方の一人一人にとりましても素晴らしい年となることを祈念いたしまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
 
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