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◎ 公開セミナー「日本列島に人間と自然の関係史を探る−
文理融合プロジェクトの試み」を開催

 10月23日(金)、府中キャンパス1号館1-11教室において、「第四回野生動物管理システムフォーラム」が開催されました。
 このフォーラムは、統合的な野生動物管理システム構築プロジェクトにより、「野生動物管理の現状と展望」をテーマに、各地の現場で実際に野生動物管理に関わる方を招き、様々な話題を提供いただいています。
 当日は、湯本貴和人間文化研究機構総合地球環境学研究所研究部教授を招き、「日本列島に人間と自然の関係史を探る−文理融合プロジェクトの試み」について講演があり、「人間−自然関係の理論的モデルの構築プロジェクト」に文科系理科系あわせて130名余りの研究者とともに、縄文時代以降、一貫して人口稠密地域であった日本列島において、大部分の自然が人間活動の影響を受けてきたにもかかわらず、豊な生物相が維持されてきた理由を  1) 古植生・古生体及び植物と動物の分布変遷の解明  2) 古人骨の食性分析による人間生態学的な解析  3) 過去の人間−自然関係の復元と、その背景となる社会・経済システムの解明 といった文理融合のアプローチをとおして、人間と自然の相互関係を歴史的・文化的に取り組む様子が紹介されました。
 さらに、今後、生物資源の賢明な利用(wise use)を行っていくためには、重層する環境ガバナンス(家計から自治体、国、国家間)を調整し、環境の変化のスピードに合わせて柔軟に対応できる環境ガバナンスを構築すること(順応的な管理)が必要であることが紹介され、学内外から参加した約40名が講演を熱心に聴講しました。
 
 
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