「東京農工大学MRMプロジェクト」が「ビジネスプランコンテスト
インジャパン」でMOST CONVINCING AWARD」を授賞

 8月26日(水)、北とぴあ(東京都北区)において、第9回ビジネスプランコンテスト・イン・ジャパン(BPC9)最終審査発表会 が行われ、本学生物システム応用科学専攻博士後期課程3年(笹原研究室)の田中敬三さんをリーダーとする「東京農工大学MRM プロジェクト」の「溶融金属積層によるオンデマンド三次元造形システム事業」が、本コンテストでの最優秀賞に相当する「MOST CONVINCING AWARD」を受賞しました。
 このビジネスプランコンテストは、MIT(マサチューセッツ工科大学)卒業生が中心となって開催しており、研究シーズおよびアイデアをビジネスに繋げるための「指針」となる事業の設計図のコンテストで、今回で9回目となります。本コンテストで受賞したチームおよび個人には、起業に向けて、経験豊かな大学教授、会社経営者等による支援、また米国および世界にある20を超えるMITエンタープライズ・フォーラムとのネットワークを通じて幅広く情報を提供する機会が与えられます。また、本コンテストは起業への登竜門となっており、過去において受賞したチームが起業し、グローバルな企業として活躍しています。
 本年度は国内外の36チームが応募し、ファイナリストに7チームが選出され、事業としての実現性、ビジネスモデルの内容、フィージビリティのチェックなどの観点から厳重に審査され、「MOST CONVINCING AWARD」を田中さんのチームが受賞しました。

【ビジネスプランの概要】
 MRMはMetal Rapid Manufacturingの略で、アーク放電により溶融させた金属を固化・積層し、3次元CADデータを元に迅速に立体を造形する革新的な技術で、笹原研究室で研究を進めています。
 本ビジネスプランでは、この技術による金型や金属部品製造と、造形システムの研究開発を事業対象としており、オンデマンドによる直接造形が可能となること、使用材料の無駄が少なくなり省エネルギーや環境負荷の低減に寄与することも特長で、小型金型、プレス金型、工芸品、タービンブレードなどの造形例を紹介しました。鋳造・鍛造・切削に代わる新しい造形技術としての発展が期待され、技術の新規性だけでなく、高いニーズが見込まれること、ビジネスとしての可能性も評価されたようです。

 こちらに概要が掲載されています→http://www.mit-ef.jp/contest.html


【受賞に寄せて】
 入学前からの構想が、このような形で大変栄誉ある授賞につながり光栄に思っております。これもプロジェクトのメンバー、笹原研究室の皆様、日本MITとメンターの方々、農工大インキュベータ、ほか研究にお力添えいただいた方々のおかげです。この場をお借りして深く御礼申し上げます。技術レベルの更なる向上を図り、日本発の新技術として世界的な普及に向けて努力したいと思います。
(生物システム応用科学専攻博士後期課程3年 田中敬三)
 
←前の記事 次の記事→

489号目次へ戻る