◎ 工学部で教育褒賞制度ベストティーチャー賞授与式を開催
 1月14日(水)工学部総合会館において、工学部教育褒賞制度ベストティーチャー(以下、BT)賞授与式が行われ、共生科学技術研究院 長澤和夫 准教授、田中健 准教授、前山勝也 講師、櫻井誠 准教授、長岐滋 教授、三沢和彦 教授、涌井伸二 教授、並木美太郎 教授、合田洋 教授の9名が受賞しました。授与式では、小宮三四郎 工学部教育委員会委員長の司会の下、纐纈明伯 工学部長から各受賞者に教育経費および記念品が授与されました。
 この表彰制度は、学部における教育方法の技術的向上及び教育者としての地位的向上を図ることを目的として平成11年度から導入され、今回が10回目となります。受賞者選考にあたっては、昨年12月に学生投票によるBT賞候補者選挙を実施し、その結果を踏まえて工学部教育委員会(平成20年12月24日開催)で審議の上、決定されました。
 昨年同様に学生投票という「学生の視点」でBTを選出するため、各学科の必修科目時間を利用してアンケート回収を行った結果、投票率も上がり、各学科専門教員および一般教育担当教員から各1名が選出されました。工学部全体の教育力がさらに向上することを期待して、受賞者の感想や学生からのコメントをまとめた報告書を工学部教員へ配布するとともにWeb公開し、更に昨年度の受賞者による授業公開なども行いました。なお、今年度受賞者の授業公開は来年度に行う予定です。
 本制度に対する学生および教職員の認知度も確実に向上しており、その成果が教育力向上に反映されているものと思いますが、引続き学生と教職員が協力して、より良い授業を創っていく努力が望まれます。
 
  
<表彰式の様子>
【受賞メッセージ】
 
長澤和夫准教授
 
 平成20年度のBT賞を受賞し、学生の皆さんに選んで頂いたことを大変嬉しく思います。私は、学生との間で「学びたい−教えたい」と双方が感じる緊張感(思考のキャッチボール)の中で講義を行なうことができたら、といつも思っております。ただ、なかなか難しいのが現状です。今後ともいろいろな工夫を重ねながら自分なりの緊張感ある講義を目指し、東京農工大の教育に尽力したいと思います。以上です。
 
田中健准教授
 
 このたび平成20年度工学部BT賞を受賞することができ、大変うれしく思います。学生の好奇心を刺激するような魅力ある講義を、今後も熱意を持ってしていかねばと気を引き締めると共に、更に実効ある講義へと改善する努力をしていきたいと思います。
 
前山勝也講師
 
 このたび工学部BT賞に選んでいただきありがとうございます。私は有機材料化学科において、化学分野における基幹科目の一つである有機化学系科目を2科目担当しております。有機化学は積み上げ科目であるため、一箇所つまづくと、その後の内容が全く理解できないことがあります。何が理解されていないのかを常に把握することで(世間では、「確認テスト」ともいう)、学生の理解不足(不安)を解消できるよう心掛け、講義を行っております。化学(科学)の学習意義・面白さが少しでも伝わる講義を行うことで、東京農工大学工学部の人材育成に貢献できるよう今後とも努力致します。
 
櫻井誠准教授
 
 平成20年度工学部教育褒賞(BT賞)を受賞できましたことを大変うれしく思っております。今年度から新たに講義と演習をあわせた専門科目の講義を実施しており、その中ではできるだけ丁寧に演習の解説をすることを心がけてきたつもりです。これを機会にさらに改善の努力を進めて農工大および学科の教育に貢献していきたいと思っております。
 
長岐滋教授
 
 BT賞をいただき、大変有難うございます。学生諸君が面白いと感じて自ら勉強するようになって欲しいと思いつつ、機械系の基礎科目である材料力学などを講義していますが、道半ばというところでしょうか。今後も様々な工夫を重ねて、より興味を持ってもらえる講義にするべく努力していきたいと思います。
 
三沢和彦教授
 
 物理システム工学科では、学科スタッフが一丸となって教育改革を進めています。これまでに導入基礎教育(SEED)や理数学生応援(SAIL)などで成功を収めてきました。私も学科の教育改革プログラムの一部を担当しているのにすぎません。ですから、今回の受賞もたまたま物理システム工学科の中では私の名前が挙がりましたが、実際は学科全体の試みが学生に評価されたものと思います。BT賞も今後は、個人の技量を競うだけではなく、学科単位あるいは学部単位の教育改革を加速するような仕組みにしていくのがよいと考えています。
 
涌井伸二教授
 
 平成20年度工学部BT賞の受賞を光栄に思います。生来、緊張性体質で、かつ技術に対する思い入れの余り大音声で話すため、上半身びっしょりと汗をかいていました。大学赴任当初の頃です。最近は、とみに汗をかかなくなってしまったので、今回の受賞を機に、再び大汗をかく講義に取り組みたいと思っています。以上。
 
並木美太郎教授
 
 数年前にいただいた上に、再度BT賞をいただきましてありがとうございました。私といたしましては、自分は知識を伝える優れた「教師」とは思っておらず、感謝すると同時に困惑しております。ただ、大学は研究と教育の両輪で成り立っており、そのどちらが欠けても成立しないと考えています。そのために、学生に専門分野の興味を持ってもらうこと、特にその分野の何が本質的に面白いことなのかを知ってもらうこと、何より、自ら考えて自分で創造できるように学生を導ければ、と微力ながら講義や研究室で過ごしております。能書きばかりをたれているようでは本質的なところと技術的な内容を語れないので、いつでも自分自身で手足を動かし、その背中を見てもらうことを、特別なこととしてではない「導師」としての務めと思っております。このような私に賞をくださったことを改めて深謝いたします。
 
合田洋教授
 
 平成20年度BT賞に選ばれ大変うれしく思っております。私の専門は数学、特に幾何学を専攻しております。講義は数学の科目(微分積分学、線形代数学、関数論、微分方程式など)を担当しています。おそらく工学の一番基礎をなす学問で、基礎であるがゆえに地味で、なおかつゆっくりじっくり理解していかねばならない科目です。今回の受賞を励みに、微力ではありますが、今後も東京農工大学の数学教育に尽力し、人材育成に貢献できるように努力したいと思います。
 
 
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