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11月12日(水)から14日(金)にオーストラリア・ゴールドコーストで開催された「9th
Global Congress on Manufacturing & Management (GCMM2008)」において、生物システム応用科学専攻博士前期課程1年(笹原研究室)
の木内智さんが、「Generation of Surface Hardened Layer on 0.45%C Steel
by Frictional Stir Burnishing」と題した論文で、Best Paper Awardを受賞しました。 本国際会議は、先進的機械加工・塑性加工・生産システム等の研究を対象とする国際会議で、今回で9回目を数えます。会議には10カ国以上から150名を超える参加者が集い、厳選された80件の研究発表があり、Best Paper Awardはその中から1件だけ選出されました。 |
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研究成果の詳細 歯車やカムといった機械部品は、表面の硬度や疲労強度を向上させるために、高周波焼入れなどの表面改質が施されているものがほとんどです。この表面改質技術は、母材の特性を活かしながら新たに特性を追加することができる比較的手軽な手法であるため広く利用されています。本研究では摩擦攪拌形バニシングという新しい表面改質技術を提案しました。高速回転する先端部が半球状の工具を対象となる金属表面に押しつけながら走査し、表面改質を行うという加工方法です。このとき、金属表面には非常に大きなひずみが与えられると同時に、塑性変形と摩擦による熱が発生し、これが金属表面を改質させる要因となります。 本研究では、炭素鋼S45Cに対して摩擦攪拌形バニシング加工を施しその特性を調査しました。炭素鋼は一般的に焼入れを施すことが可能ですが、標準的な焼入れ鋼の硬さが660HV程度であるのに対して、本研究による改質部の硬さは900HVに達しているところがあることが明らかになりました。また、加工条件によって数種類の異なった特徴を持つ改質層が創成されることもわかりました。 |
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このような賞を戴けるとは夢にも思っておりませんでしたので大変驚きました。非常に光栄に思っております。私が受賞できたのも、研究をご指導頂いた笹原先生、笹原研究室の皆様のほか、研究にお力添え戴いた方々のおかげです。この場をお借りして深く御礼申し上げます。今後さらに、金属組織学的な観点から改質部の特徴を調査し、改質層が創成されるメカニズムを解明して行きたいと思います。 | ||||
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