◎ 高大連携校対象「夏休み体験教室」を開催

 7月26日(土)から8月6日(水)にかけて、小金井キャンパスにおいて高大連携校の生徒を対象に「夏休み体験教室」を開催しました。各学科の講義を聴講することにより、教育内容の理解を深め、進路決定への主体的な取組みの促進を支援することを目的としており、工学部の8学科で開講しました。
 高大連携事業は、主に夏の高校生体験教室の開講、出張講義、大学訪問等を実施しています。平成13年度に工学部が高等学校8校と協定を結び、平成20年度連携校は50校(8月現在)となっています。
 
◇ 生命工学科 8月4日(月)〜6日(水) 先端のバイオテクノロジーを学ぼう 参加者 67名

 先端医療に向けた、バイオチップ研究、疾患モデルマウス研究、ポストゲノム解析研究に関して、基礎から最先端の研究までをわかりやすく紹介しました。それぞれの講義の後は、関連する実験装置や実際の実験材料を幅広い視野から見学してもらいました。 この体験教室をきっかけに、生命工学という分野をより身近なものとして興味を持っていただければと思っています。
 
【体験内容】  
8/4(月) バイオチップ研究を学ぼう
8/5(火) 疾患モデルマウスを学ぼう
8/6(水) ポストゲノム解析を学ぼう
 
   
◇  応用分子化学科 8月1日(金)〜2日(土) 応用化学の最前線 参加者27名

 学科の概要説明に引き続き、「有機化合物の形と働き」、「遷移金属の化学」、「食品・医薬品と化学」、「細孔と吸着剤」に関する4名の先生方の講義を通して多様な化学の先端分野を紹介しました。また、研究室や学生実験室を見学し、種々の最先端機器にも触れてもらいました。受講者からは、「内容はやや難しかったが説明はわかりやすく、化学に対する興味が深まった」といった感想を頂いています。
 
【体験内容】
8/1(金)〜2(土)
 ・有機化合物の形と働き
 ・遷移金属の化学
・食品・医薬品と化学
・細孔と吸着剤
 
◇  有機材料化学科 7月29日(火)〜30日(水) 茶葉からカフェインをとりだそう
〜眠気覚ましにいかが?〜
参加者25名

 初日午前は、実験上の注意、実験内容(カフェイン・抽出・昇華・分析機器)について講義を実施し、午後からは、実際に緑茶・玄米茶・玉露の茶葉、インスタントコーヒーからのカフェイン抽出を行いました。原料に何を用いるかにより粗カフェインの色の違いがみられ、また、臭いについても、原材料の香りを若干感じることができました。
 二日目午前は、粗カフェインを昇華操作による精製を行い、白色のカフェイン粉末を得ました。午後は、得られた粉末が本当にカフェインかどうか、実際に分析機器を用いて調べました。抽出操作を簡略化したため、得られたカフェインの量は多くありませんでしたが、カフェインであることが確かめることができました。
 
<粗カフェインの昇華精製>
【体験内容】
7/29(火)〜7/30(水)
 茶葉からカフェインをとりだそう〜眠気覚ましにいかが?〜 
 
◇ 化学システム工学科 7月29日(火) 先端科学と循環型社会を支える化学の工学 参加者17名
(1年生4名、2年生11名、3年生2名)

 化学の工学がどんな分野で応用されているかを、「新素材開発をとおしたナノ未来型システムの実現」、「ナノテクノロジーが創る豊かで安心な未来社会」「コンピュータで制御する巨大システム」「循環型社会を目指したエネルギーと環境システムの構築」の各70分の4つの講義で実習なども交えて具体的に紹介しました。
 アンケートの結果では、「非常に興味深い内容だった」「化学工学がどういうものか少し理解できた」「大学で行っている研究の雰囲気がわかって良かった」などの感想が寄せられ、好評でした。
 
【体験内容】
7/29(火) 講義・実習
 ・新素材開発をとおしたナノ未来型システムの実現
 ・ナノテクノロジーが創る豊かで安心な未来社会
・コンピュータで制御する巨大システム
・循環型社会を目指したエネルギーと環境システムの構築
    
◇ 機械システム工学科 7月30日(水)〜8月1日(金) 宇宙航空エネルギー工学入門 参加者21名
(3年生3名、2年生9名、1年生9名)

 宇宙・航空技術に深く関わる流体力学、宇宙飛翔のためのエンジン技術、エネルギーシステムを支える熱工学などについて5時限の講義を行いました。
 また、それぞれの研究室に分かれて実験・実習を体験し、大学における教育の一端に触れてもらいました。高校とは異なる大学の雰囲気を身近に感じながら、実習を楽しんでいる様子でした。
 
【体験内容】
7/30(水) 講義
7/31(木) 研究室で実験・実習
8/ 1(金) オープンラボ・一日体験教室(本号掲載)
 ・日本のエネルギー事情と省エネルギー技術
 ・流体力学入門
 ・宇宙へ行ってから使うロケットエンジン(=スラスタ)

 ・熱工学入門
 ・コンピューター上で見る流れ(数値シミュレーション)
 
◇ 物理システム工学科 7月28日(月)  体験から学ぶ物理 参加者31名

 「水素のエネルギーを調べる」「超電導を測る」「CDで分光器をつくる」「身近にある放射線を測定する」「放射線を見る」「虹をつくる」「パルスレーザーを用いて光の速さを測定する」「直流モーターをつくる」「オーロラをつくる」「砂粒の動き」の10個のテーマについてグループに分かれ、午前中は主にテーマに関する講義と準備、午後から実際の実験を行いました。

 実験室でオーロラなどの自然現象を間近に観察でき、参加者は驚きの声を上げていました。また、右の写真は砂粒が断続的に斜面を流れ落ちる様子を測定しているところです。参加者は、身近な装置や材料で自然災害のメカニズムが探れるという説明に熱心に耳を傾けていました。「少人数での体験教室を通じて物理学に対する理解と興味が増えた」などの感想が寄せられました。
<丸印:オーロラをつくる装置> <砂粒が断続的に斜面を
流れ落ちる様子を測定>
【体験内容】
7/28(月)  体験物理工房オープンラボ -体験から学ぶ物理-
◇ 電気電子工学科  7月28日(月) マインドストーム(LEGOロボット)を用いたロボット制御技術の体験 参加者23名 

 2時間にわたり、プログラム作成の基礎について学んだ後、走行ロボットへのプログラミングとデモンストレーション走行を行いました。
 参加者は皆熱心に課題に取り組み、「プログラム作成の難しさ」や、「苦労の末にロボットがうまく動作したときの喜び」などを感じたようです。合計4時間という短時間にもかかわらず、密度の濃い体験学習ができたようでした。
 
【体験内容】
7/28(月) マインドストーム(LEGOロボット)を用いたロボット制御技術の体験
  
◇ 情報工学科  7月26日(土) 君にも作れる賢いコンピュ−タ 参加者49名

 「人工知能を作ってみよう」と「顔認識・顔検出を実現しよう」の2つのサブテーマを設定して開催されました。
 作文をするプログラムや顔を認識するプログラムの作成にを行い、参加者はアシスタントの大学院生のサポートを受けながら、独自のプログラムに熱心に取り組んでいました。

 写真は、情報工学科の計算機室でプログラミングをしているところです。自分が作ったプログラムの動作に、みな一喜一憂していました。多くの参加者から、「この体験教室によって情報工学への興味が増した」という感想が寄せられ、指導した側にとっても充実したイベントになりました。
【体験内容】
7/26(土) 講義・実習
 ・人工知能を作ってみよう
 ・顔認識・顔検出を実現しよう 
 
   
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