技術経営研究科(MOT)学生によるオリジナル携帯ストラップの
考案・設計・製作の実践講義を実施

 技術経営研究科(MOT)は、実践講義と農工大イメージ・知名度アップ活動の一環として、今年度後学期において、学生主体で、「農工大オリジナル携帯ストラップ」を考案し、設計、製作を行いました。15週間という短い期間でしたが、携帯ストラップの考案から完成までのプロセスを終えました。
 座学で学んだ知識を実際に応用することや、本学のオリジナルグッズが少ないのではとの意見から、農工大オリジナルグッズの開発をすることになり、技術経営研究科の社会人学生4名、新卒学生10名と教員1名が参加しました。

 最初に10個以上のオリジナルグッズ案を提出し、議論を重ねました。その後、300名以上の学部生からのアンケートを参考に、MOT学生が考案した“TAT”文字入りの農工大オリジナル携帯ストラップの設計を決定しました。製品の外観デザインや各部品の形状や寸法の設計、製造方法の選定などは、すべて参加者から提案し、グループ討論により決定しました。

 今回、デジタルものづくり教育プログラム開発事業を手がけている工学府機械システム工学専攻から支援を受け、本携帯ストラップのチャーム製造には、日本が世界に誇る先端機械技術であるプレス金型を使用し、仕上げには射出成形金型を用い樹脂加工まで施しました。金型製造と部品加工については外注し、組立作業は参加者で行ないました。外注部分についても、参加者が実際に発注先を訪れ、各工程の説明や加工現場の見学を行い、この工程はなぜ必要なのか、なくしてもよいではないか等、担当者と真剣に議論を交わしました。

 本企画の実施を通して、製品の企画、設計、製造の一連のプロセスを体験し、組織運営のあり方はもちろん、プレスや樹脂加工の工場見学、外注先の担当者との打合せなど、現場に密着した実務を経験することができました。
 

<考案図>

<完成品>
 
参加者の感想
<社会人学生>
限られた時間であるため、かなり簡易的ではありますが、商品企画、開発、製造、販売の全工程、事業化のプロセスを体感することがき、とても有意義でした。特に強く感じたことは、プロジェクトを統括するリーダー(ファシリテーター)の存在が計画成功のカギを握っていることを再認識し、自分が農工大MOTに入学したときの想いを再確認しました。
ものづくりの喜びを肌で体感することができ、得るものが多い内容でした。
会社では色々なことがあり、なかなか素直にものづくりを楽しむことが出来ないのが現実だと思います。そんな中、この授業では学生さんの若い力に囲まれて、ものづくりの楽しさを改めて実感することができました。
<新卒学生>
大学教員、社会人学生、新卒学生、という異色の組み合わせで、一つのものを作り上げていく過程が何よりも楽しかったし、一生の財産になりました。
プレス金型製造、射出成形金型製造、及び製品加工現場の見学を通じて、世界に誇る日本のものづくりの現場と実際に関わり、「先端機械技術」を目にすることが出来たことは、非常に貴重な体験でした。特に、射出成形加工現場で説明していただいた、「引け」や「気泡」などの不良を改善していくプロセスは、大変勉強になったし、一番興奮した瞬間でもあった。
今回の企画で得た反省点や社会人のスピード感は将来技術に携わる者として今後、社会に出たときに非常に役立つ経験になったと思っています。
15週間は短い期間でしたが、非常に濃度の濃い、普通の学生が得られない経験をさせて頂きました。社会人学生や新卒学生からのするどい指摘やつっこみに苦しみながら、非常にいい刺激を受け、本企画に参加前の自分とは比べ物にならないくらい成長できたのではないかと思います。
 
  
←前のトピックス〉                                         〈次のトピックス→

470号目次へ戻る