◎ 新年賀詞交歓会を開催

 1月7日(月)、平成20年新年賀詞交歓会が、50周年記念ホールにて行われました。
 当日は、理事、監事、部局長、評議員等のほか多数の職員が出席し、小畑学長による年頭のあいさつの後、和やかに懇談が行われました。
 
 
小畑学長より 新年のご挨拶
 
 明けましておめでとうございます。皆様、大きな期待を抱いて新年を迎えられたことと思います。2008年が皆様にとりまして素晴らしい年になることを願っております。

 さて、昨年は本学にとって比較的良い年であったのではないかと思います。表現は適切ではないかもしれませんが、逃がした魚の中には大きなものが含まれており、残念なこともありましたが、教職員の一丸となった努力により、総じて成果の挙がった一年でした。教職員の皆様に改めてこの場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。

 今年も期待の持てる一年であってほしいと思いますが、年明け早々のニュースにはこの一年が波乱含みであることを暗示させるものがありました。1バレル当たりの原油価格が100ドルを突破し、株価も大暴落をしております。これらは今年の世界経済の波乱を暗示する出来事と思われます。世界の政治状況も不確実さが増しつつあります。これらの影響をもろに受ける日本ですが、国内における政治や経済も不透明さが拭えません。急成長をとげつつある大国の台頭などにより、日本が世界の中で占める地位の一層の低下も避けられそうにありません。政治的にも経済的にも、日本が置かれた状況には非常に厳しいものがあり、しばらくは苦難の道と覚悟する必要がありそうです。

 このような厳しい状況にあるときこそ、我々はしっかりとした目標を設定し、組織的に一丸となって進む必要があります。今年は国立大学法人にとっては一つの節目の年となります。それは、第一期の中期目標・中期計画の中の4年間の実績を報告書として取りまとめて達成度評価に臨む年であり、さらには、次の6年間の第二期の中期目標・中期計画の立案を行う年でもあるからです。前者に関しては、年度計画に基づき、ほぼ着実に計画を達成しつつありますので、その取りまとめ作業は大変ではありますが、報告書の取り纏めは順調に進むものと期待しております。重要なのは第二期の目標設定です。

 いま、大学改革のための具体的な課題を検討する3つのWGが組織され、検討を進めていただいております。その中で、管理運営検討WGにおいては、これまで数多くの課題について全学的合意が形成され、それらは迅速に実施に移されてきております。法人化前と比べたとき、多くの点で改革が進んだことを実感できると思います。一方、教育研究組織改革WG、および教育プログラム検討WGを引き継いだ教養教育協議会においては、第二期の中で達成すべき重要な目標についての活発な議論が行われ、昨年末にその結果を答申としてまとめていただきました。その答申に盛られた方向での実行案作成のための議論を早々に開始する必要があります。本学が目指すべき大学像は、教育、研究、社会貢献のそれぞれにおいて高いレベルの大学であり、『人を育み、技術を拓き、世界に貢献する科学技術大学』です。質の高い教育を施し、高いレベルの研究者集団を組織できてこそ、これからの世界の中での厳しい大学間競争で勝ち抜くことができるわけです。そのような大学の実現に向けて、つめた議論を期待したいと思います。東京農工大学にふさわしく、本学の特性をより際立たせた目標の設定こそ肝要であり、これからの議論の行く末こそ極めて重要であると思います。教育に関しては一定の範囲を欠けることなくカバーしつつ、かつ高い質と実効性を備えた教育を提供できる体制の実現が求められます。研究に於いては、本学の特性を活かした選択と集中をベースに置くことが重要と思います。人員削減が避けられない現状においては、全ての分野を満遍なくカバーすることは不可能です。これから伸ばすべき分野、強化すべき分野を見定め、あきらめる部分を切り捨てる勇気を持つべきです。これらの議論においては、全学を挙げて英知を結集すべきですが、その際、我々が占めている席は自分のものではなく、たまたまその席を借りているだけであることを忘れないようにすることも重要です。この基本姿勢に立ち返り、従来の固定観念を一度払拭し、改めて本学が発展するにはどうしたら良いかを、教職員一人一人に考えていただきたいと思います。第二期の中期目標に何を掲げるかは、本学の命運を決めるといっても過言ではありません。世界に貢献する科学技術大学を目指すにふさわしい高い目標の設定にむけて、全学を挙げての真剣な議論を期待したいと思います。

 本学はこれまで順調に発展してきたといえるでしょう。しかし、マラソンに例えれば、先頭グループにくらいつきつつ中間点付近を走っているところと言えると思います。苦しくなるのはこれからですが、それは他大学も同様です。ここで改めて自らを見直し、新しい農工大学を描くことができれば、新たな走る意欲が生まれてくるはずです。新しい大学像の合意形成に向けて,私自身も最大限の努力を傾けることを誓いたいと思います。

 もう一つ重要なお願いがございます。これからすぐに2008年度予算における競争的資金の公募が始まります。それを如何に獲得するか、真剣に検討する大変重要な時期であります。獲得競争はもう既に始まっております。全学が一丸となって強力に取り組んでいただきたいと思います。

 新年早々に皆さんには簡単ではないお願いばかりで恐縮ですが、その先には間違いなく明るい未来があると思います。新年が東京農工大学にとって飛躍への重要なステップとなることを祈念し、かつ教職員皆様方の一人一人にとりましても素晴らしい年となることを祈念いたしまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
   
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