◎ 高大連携校対象「夏休み体験教室」を開催

 7月24日(火)から8月3日(金)にかけて、小金井キャンパスにおいて高大連携推進高等学校の生徒を対象に「夏休み体験教室」を開催しました。各学科の講義を聴講することにより、教育内容の理解を深め、進路決定への主体的な取組みの促進を支援することを目的としており、工学部の8学科で開講しました。
 高大連携事業は、主に夏の高校生体験教室の開講、出張講義、大学訪問等を実施しています。平成13年度に工学部が高等学校8校と協定を結び、平成16年度からは全学規模へ引き上げられました。なお、平成19年度連携校は、59校となっています。
 
◇ 生命工学科 バイオテクノロジーって何?

 生命工学科では、8月1日(水)〜3日(金)に体験教室「バイオテクノロジーって何?」を開催しました。約30人の参加者に対し、クローン植物の培養、遺伝子多型解析、タンパク質フォールディング、疾患モデルマウスに関して、基礎から最先端の研究までをわかりやすく紹介しました。それぞれの講義の後は、関連する実験装置や実際の実験材料を見学し、植物組織培養やDNA電気泳動の体験もしてもらいました。この体験教室をきっかけに、生命工学という分野をより身近なものとして興味を持っていただければと思っています。
  
【体験内容】  
8/1(水) クローン植物を作ろう
8/2(木) ポストゲノム解析を学ぼう
8/3(金) 疾患モデルマウスを学ぼう
 
 
◇  応用分子化学科 応用化学の最前線

 8月1日(水)、2日(木)に体験教室「応用化学の最前線」を開催しました。受講者は11名でした。
 1日は、まず学科説明を行いました。 「触媒を用いた有機合成」では、効率的な合成に不可欠な触媒を用いた有機合成について解説し、その後、田中研究室を見学しました。「あなたの隣のフッ素化学」では、身の回りのフッ素を含む有機化合物について紹介し、その後、学生実験室を見学しました。
 2日の「細孔と吸着剤の化学」では、家庭や産業で欠かせない吸着剤の種類・構造や吸着特性について前田先生が易しく紹介しました。「結晶を作って使う」では、縁の下の力持ち、「結晶」についてその分類と物性を解説し、その後、熊谷研究室のクリーンルームで実習を行いました。
     
【体験内容】
8/1(水) 触媒を用いた有機合成
      あなたの隣のフッ素化学
8/2(木) 細孔と吸着剤の化学
       結晶を作って使う
 
◇  有機材料化学科 高分子化学実験
- 高分子ゲルを用いたカプセルの合成と
           色素の呈色に関する講義と実験 -

 8月1日(水)、2日(木)の2日間にわたる、高校生対象の体験教室「高分子ゲルを用いたカプセルの合成と色素の呈色に関する講義と実験」に4名の参加がありました。
 1日の午前は、高分子とは何かからはじめ、高分子には線状だけではなく環状や分岐状のものなどもあり、網目状のものはゲルとして広く使われていることを講義し、具体的なものとして人工イクラやノーカーボン紙に使われている高分子のカプセルを紹介しました。1日の午後および2日は実際に、人工イクラの合成、蛍光色素の合成および発色実験を行いました。基本的な操作でカプセル・色素の合成を体験したあとは、カプセルの壁と中身に種々の色素を導入しました。ここで、生徒さんたちは自分たちのアイデアで様々な組み合わせを考え、思い思いの高分子カプセルを作製しました。
<蛍光色素を導入した光るイクラ>
【体験内容】
8/1(水)〜8/2(木) 高分子化学実験 - 高分子を用いたマイクロカプセルの合成 -
   
◇ 化学システム工学科 先端科学と循環型社会を支える化学の工学

 化学システム工学科では、7月24日(火)に「先端科学と循環型社会を支える化学の工学」と題して高大連携体験教室を実施し、11名の高校生(1年生2名、2年生9名)が受講しました。化学の工学がどんな分野で応用されているかを、「環境にやさしい社会を実現する化学の工学」、「コンピュータで制御する巨大システム」、「循環型社会を目指したエネルギーと環境システムの構築」、「新素材開発をとおしたナノ未来型システムの実現」の4時限の講義で実習なども交えて具体的に紹介しました。
 アンケート結果を見ると、興味深い内容で楽しかった、高校の授業と違い新鮮だった、大学の雰囲気がわかって良かった、などの記述が並び好評でした。
 
【体験内容】
7/24(火) 講義・実習
  ・環境にやさしい社会を実現する化学の工学
・コンピュータで制御する巨大システム
・循環型社会を目指したエネルギーと環境システムの構築
・新素材開発をとおしたナノ未来型システムの実現
    
◇ 機械システム工学科 モビリティ(自動車工学・ロボット工学等)技術の
最先端を知ろう

 機械システム工学科では、7月24日(火)から7月27日(金)の計4日間、「モビリティ(自動車工学・ロボット工学等)技術の最先端を知ろう」をテーマに高大連携体験教室を実施し、7名の参加者がありました。
 人々の生活を支えるモビリティ技術として、「鉄道車両の制御」、「環境・人間に優しい魅力的なクルマの仕組みを知ろう」、「福祉と人間の移動」について講義・実習を行い、大学での教育に触れると共に制御や回路設計等も体験してもらいました。
 また、ドライビングシミュレータで首都高速の運転体験をしてもらう等、普段ではなかなか経験できないような体験もしてもらい、関連分野への関心が高まったという感想をいただいています。
  
【体験内容】
7月24日(火)  鉄道車両の制御
7月25日(水) 環境・人間に優しい魅力的なクルマの仕組みを知ろう
7月26日(木)  福祉と人間の移動
7月27日(金)
オープンラボ・1日体験教室
(同号学報掲載)
 
◇ 物理システム工学科

 物理システム工学科では7月23日(月)、高大連携体験教室を開催しました。16名の参加者が「水素のエネルギーを調べる」「超電導を測る」「CDで分光器をつくる」「身近にある放射線を測定する・放射線を見る」「虹をつくる・光束を計る」「オーロラをつくる」の6つのテーマについてグループに分かれ、午前中は主にテーマに関する講義と準備、午後から実際の実験を行いました。
 写真は、オーロラをつくる装置と実際につくったオーロラの青白い光です。
実験室でオーロラなどの自然現象を間近に観察できて、参加者は驚きの声を上げていました。また、少人数での体験教室を通じて物理学に対する理解と興味が増えた、という感想も聞けました。
  <オーロラの青白い光>
【体験内容】
7/23(月) オープンラボ・1日体験教室 (同号学報掲載)
 
◇ 電気電子工学科  マインドストーム(LEGOロボット)を用いた
ロボット制御技術の体験

 電気電子工学科の体験教室は、8月2日(木)に5名の参加者を対象に開催されました。テーマは「マインドストーム(LEGOロボット)を用いたロボット制御技術の体験」でした。2時間にわたってプログラム作成の基礎について学んだ後、走行ロボットへのプログラミングとデモンストレーション走行を行いました。
 参加者は皆熱心に課題に取り組み、「プログラム作成の難しさ」や、「苦労の末にロボットがうまく動作したときの喜び」などを感じたようです。合計4時間という短時間にもかかわらず、密度の濃い体験学習ができたようでした。
  
【体験内容】
8/2(木) マインドストーム(LEGOロボット)を用いたロボット制御技術の体験
  
◇ 情報工学科  人工知能を作ってみよう

 情報工学科では8月2日(木)、高大連携体験教室を開催しました。「人工知能を作ってみよう」のテーマのもと、「コンピュ−タに作文をさせよう」と「たくさんのデータから知恵をとりだそう」の2つのサブテーマを設定し、講義と実際のプログラミングを高校生の皆さんに体験してもらいました。担当教員の講義に真剣に聞き入り、自分のプログラムを一生懸命作成していました。

 写真は、情報工学科の計算機室でプログラミングをしているところです。自分が作ったプログラムの動作に、みな一喜一憂していました。多くの参加者から、この体験教室によって情報工学への興味が増したという感想が得られ、教える側にとっても充実したイベントでした。
   
【体験内容】
8/2(木) 講義・実習
 
・コンピュ−タに作文をさせよう
・たくさんのデータから知恵をとりだそう
 
 
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