寺岡徹教授が日本植物病理学会で学会賞、
                    有江力准教授らが論文賞を受賞

 本学大学院共生科学技術研究部生命農学部門(生物制御科学専攻/応用生物科学科)の寺岡徹教授が、「植物病理学上世界に冠たる研究成果を挙げるとともに、我が国の植物病理学の発展に著しい貢献をされた」と認められ、我が国が誇れる植物病理学研究者として、平成19年度日本植物病理学会大会において学会賞を受賞し、3月29日(木)に授賞式が行われました。
 日本植物病理学会は1918年に創立、本年創立90周年を迎える伝統ある学協会参加学術団体です。会員数は、学生を含めると1500余名に達します。
 寺岡教授は、本学大学院農学研究科修士課程を1977年に修了、約6年間企業に勤務した後、1983年から東京農工大学に奉職され現在に至っています。その間、一貫して我が国の農業生産上の最重要病害であるイネ・いもち病を対象として研究されてきました。「イネ・いもち病菌の相互認識機構に関する研究」は、いもち病防除剤開発や抵抗性育種に繋がる基礎研究として非常に重要であると評価され、今回の学会賞授与が決定したものです。
 受賞講演の中で、学生共々、本学の植物病理学研究室で発見した新規イネレクチンがイネが外来の敵を認識するのに機能していること、それを利用した低環境負荷型病害防除法の確立の可能性が示唆されることを紹介されました。さらに、近年精力的に進めているいもち病の発病機構の分子レベルの解析が、次世代農薬の開発に寄与する可能性と夢を語られました。また、「こうした成果は多くの共同研究者の力添えと本学の植物病理学研究室の長い伝統、一緒に研究を進めてきた学生達の努力が実を結んだもの」と話されました。
 今後も、安全・安心な食糧生産のために世界的な研究を進められることが期待されています。
 
 
<寺岡教授 受賞式および記念講演>
 
 このほかにも、筆頭著者を高橋英樹氏として、本学の有江 力准教授および大学院農学府修士課程に在籍していたSyofi Rosmarawati、福島すみれ、菊地麻里の各氏で共同執筆した、「Takahashi H.et al.(2005)Catalog of Micro-Tom tomato responses to common fungal, bacterial, and viral pathogens.」が、J.Gen.Plant Pathol. 71:8-22(日本植物病理学会発行の国際誌)に掲載されて以降、数多く引用され、我が国の植物病理学のレベルの向上、高いレベルの喧伝、当該雑誌の国際化に寄与したとして、同学会大会で論文賞を受賞しました。
 なお、筆頭著者の高橋英樹氏は、本学農学部を1983年に卒業後、本学農学部助手として1994年から1999年まで勤務され、現在東北大学大学院教授として活躍されています。
 
    
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