◎ 農学部で一日体験教室・模擬授業を開催

 農学部では各学科において、高校生等を対象として一日体験教室等を開催しました。
 
 生物生産学科 体験教室

 生物生産学科では、8月24日(木)、25日(金)に模擬授業および体験実験実習を行いました。31名の高校生、受験生の参加がありました。
 模擬授業の「家畜生産技術学」では、BSE以来、畜産物の安全性が重要になっているが、飼料は約75%が輸入となっており、ルーメン機能の向上、飼料・放牧・食品残渣利用などで自給率・安全性を高める必要について概説しました。「植物生化学」では、専門分野ではなく、教養生物学の範囲の講義を行い、原始生命誕生時にRNA分子が果たした役割を概説しました。また、「農業市場学」では、現代の食生活の経緯とその性格、背後にひそむ環境諸問題の具体的事例を取り上げ、食のあり方を提起しました。
 体験実験実習では、生物生産学実験の一つである植物組織培養実験を行い、一部の参加者には、実際にクリーンベンチでの無菌操作を体験してもらいました。
 
 
【体験テーマ】
8/24(木)
 模擬授業 … 植物栄養学、家畜生産技術学
 体験実習 … 植物組織細胞培養実験
8/25(金)
 模擬授業 … 植物生化学、農業市場学
 体験実習 … 植物組織細胞培養実験
 
 応用生物科学科 模擬授業

 8月23日(水)に応用生物科学科の模擬授業が開催されました。高校生36名と一部父兄の参加もありました。「酵素の形に関する話」、「昆虫の天敵を利用した農業」、「遺伝子組換え食品の現状」と題して基礎的なところから応用面にわたる講義が行われ、講義毎に回収した質問カードには好意的な感想や質問が多数書かれていました。
  
    
【体験テーマ】 
1.酵素の形に関する話
2.昆虫の天敵を利用した農業
3.遺伝子組換え食品の現状
 
 環境資源科学科 夏休み1日体験教室

 8月26日(土)10時から環境資源科学科の「夏休み1日体験教室」が行われました。学科長の挨拶・学科概要説明の後、グループ分かれてそれぞれの実施場所へ移動して開始となりました。 参加者45名は高校1、2年生が主体で、多くは関東近県からの参加でしたが、遠方(鹿児島、愛知、福井、長野など)から遥々参加してくる生徒もいました。
 様々な実施会場で、大学院生や教員の説明に熱心に聞き入り、時に笑顔を見せながらも実験に真剣に取り組む参加者の姿が見られた体験教室は、お昼を挟んで3時ごろまで続き、最後に担当の先生から修了証を授与され、終了しました。
 実施後のアンケートには、“説明がわかりやすい”、“先生がやさしかった”、“高校でやれなかった実験ができてよかった”、“案内表示がなく会場を見つけにくかった”“少し難しかった”など、種々の感想が見られましたが、概ね好印象をもって帰途に着いたようです。寄せられた感想は次年度以降に活かしたいと思っています。
 
  
【体験テーマ】 
1.生態系を「同位体比」で調べる
2.環境ホルモンによる海洋生態系撹乱
 
 〜海で進行している異常を確認してみよう〜
3.土で水をきれいにする
4.環境ホルモンを自分の手で扱ってみよう
5.樹木の中を覗いてみよう
6.レーザ消しゴムの開発に参加しよう!
7.超音波を利用して木とコミュニケーション
8.古紙を使って活性炭を作る
9.偏光顕微鏡による植物遺体生分解の観察
 
 地域生態システム学科  教員と学生によるコラボレーション授業

 地域生態システム学科の高大連携事業が、8月26日(土)9時〜16時、延べ39人の参加を得て開催されました。その中身は、(1)専門分野を異にした教員2人が組んで行う『教員-教員コラボレーション授業』と、(2)学生と教員が共同して行う『学生-教員コラボレーション授業』の2つで、@「水とのつきあい方−水の世紀をむかえて−」(森林水文学研究室・石川芳治+施設構造工学研究室・島田清)、A「自然の再生と都市の再生−なぜ再生なのか−」(植生管理学研究室・吉川正人+環境情報科学研究室・吉田央)、B「海外支援NGOは森林を守れるか?」(森林−人間系科学研究室・乾あいみ+教員・土屋俊幸)、C「コウノトリ復活による地域再生は可能か?」(野生動物保護学研究室・中嶋美緒+教員・神崎伸夫)という4つの模擬授業を行いました。
 
  
【体験テーマ】
1.教員と教員のコラボ授業
 ・水とのつきあい方−水の世紀をむかえて− 
 ・自然の再生と都市の再生−なぜ再生なのか− 
2.教員と学生のコラボ授業
 ・海外支援NGOは森林を守れるか?
 ・コウノトリ復活による地域再生は可能か?
 
 獣医学科 模擬授業

 獣医学科では、実際の講義と実習を高校生に体験してもらうため、三森国敏教授と田中知己助教授を講師として8月9日(水)に模擬授業を実施しました。参加者は、高校2〜3年生であり、18名の参加がありました。
 第1コースでは、三森教授が担当し、「動物の病気と診断」というタイトルで、動物の病気についての病理診断に関する講義を始めに実施し、その後、獣医病理学研究室でパラフィン切片を学生が作製し、顕微鏡でその切片を実際に観察してもらいました。病理標本作成が非常に細かい作業であることに学生達は非常に驚いていましたが、獣医学の一端をみることができ、短い時間でしたが、充実した時間を過ごしたようでした。
 第2コースでは、田中助教授が担当し、「牛の繁殖」というタイトルで講義と実習を行いました。講義では、家畜の繁殖によって人間が受ける恩恵について説明し、その後、FM府中乳牛舎の牛を使って、牛の触り方、聴診の仕方、人工授精法に関して実習を行いました。高校生の多くは牛に触れることが初めての様子で、模擬実習を興味深く体験していました。
 
【体験テーマ】
1.動物の病気と診断
2.牛の繁殖
 
 
 
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