名前 塚田 健太郎
趣味
登山 昆虫 ゲーム など
研究内容
「ウルシとオオヤマレンゲの不定胚形成細胞を経由した植物体再生に関する研究」
植物には、1個の細胞から完全な個体を再生しうる能力である、分化全能性が備わっています。植物組織培養は、植物の分化全能性を利用して、植物組織の一部を人工的に無菌状態で培養する技術であり、有用物質の生産、優良品種の作出および大量増殖、希少植物の保護などに利用されています。
植物組織培養による植物体の増殖法のひとつに、不定胚形成細胞(以下、PEMs)を経由した植物体再生があります。PEMsは複数の不定胚を形成する細胞塊で、形成された不定胚を成熟させることで植物体を再生することができます。また、PEMs自体にも増殖性があるため、PEMs経由の植物体再生は同一形質の植物体の大量増殖に有効です。
ウルシはウルシ科ウルシ属の植物で、樹脂は「漆」と呼ばれ、漆器や文化財の塗料として古来より用いられてきました。近年、国産漆の十分な供給が求められており、良質な苗の大量生産が必要です。一方、オオヤマレンゲはモクレン科モクレン属の植物で、標高1000〜2000
mの深山にのみ生育していますが、近年、野生動物による食害や園芸用の盗掘によってその数は減少していて、多くの県で絶滅危惧種に指定されています。そのため、種の保存および増殖を行う必要があります。
以上のことから本研究では、ウルシおよびオオヤマレンゲの植物体再生系の確立を目標として、ウルシの種子からのPEMs誘導および植物体再生、オオヤマレンゲの種子からのPEMs誘導および植物体再生について検討を行っています。
