岩崎 香苗さん
人が生み出した有害物質は、人の手によって処理するのが使命。大きな使命感があり、やりがいが感じる。
- OG(2006年度入学) 有害物質班
Q. 岩崎さんはなぜ細見・寺田研に決めたのですか?
私は大学1年生の前期というかなり早い時期から当研究室に興味を持っていました。というのも、高校生の頃「化学の分野から地球環境に貢献したい」という考えから化学システム工学科への進学を決めたのですが、そのイメージにぴったりはまったのがこの研究室だったからです。化学工学の立場から、環境浄化に直接的に取り組んでいる研究室はなかなか無いと思います。3年生になってもその思いはブレルことなく、細見・寺田研への配属を希望しました。
また、もう一つの理由として「女性の先輩方が多く在籍していたから」というのもあります。女性の割合が多いのも細見・寺田研の大きな特徴の一つで、現在は学生の男女比がほぼ1:1となっています。目標としたくなる様な素敵な女性の先輩が多く在籍していた事が、細見・寺田研へと進む決心をする大きな決め手となりました。
Q.細見・寺田研の長所はどんな点だと思いますか?
学生主体で物事を進めていく所だと思います。各々の研究活動でもそうですし、ゼミや展示会の出展等の研究室でのイベントに関しても学生自ら考え、企画・行動することが求められます。この様な経験を通じて、一人ひとりが成長するチャンスが細見・寺田研にはあります。
また、学生は研究室に入ってから1度は何かしらのイベントの幹事を務める事になります。細見・寺田研究室は先生方も含めると30人近い大所帯ですので、これだけの人数をまとめる経験が出来たのも細見・寺田研究室だからこそだと思います。
Q.逆に悪いところや、今後の課題となってくる点はどこだと思いますか?
人数が多く研究分野も多岐に渡るため、日頃の研究活動は研究班ごとに行っているのですが、その分研究班ごとに隔たりが出来てしまっている点が今後の課題と言えると思います。せっかく多様な研究に触れる機会があるのですから、その壁を越えて互いの研究を深く理解し合い、自分の研究に生かすことでより成長することが出来ると思います。
Q 研究のテーマを教えてください。どんなところが大変で、どんなところが楽しいですか?
「ダイオキシン類によって汚染された土壌や底質(川等の底の土)の新しい処理法の開発を行っています。ダイオキシン類に汚染された土壌などを速やかに処理するためには、低コスト処理な技術であることが重要なポイントであると考えています。ダイオキシン類を安全確実に処理できる技術があっても、処理費用が高額になってしまうと現実的にはその技術を用いて処理を行う事は難しくなってしまうからです。私の研究では、廃棄物由来の材料を使用することによって、低コストな処理技術の開発を目指しています。
研究を進める上で大変な事は、有害物質を扱う研究なので実験時には細心の注意を払う必要があり、神経を使うところです。しかし、有害物質だからといって闇雲に避けるのではなく、その性質を正しく理解して適切に扱う事を心がけています。
ダイオキシン類は人間が生み出した有害物質であり、環境中で自然に分解されることはないため、人の手によって適切に処理を行う必要があります。このような課題に取り組むことは大きな使命感があり、やりがいが感じられます。
Q.来年以降どのような仕事につきますか?細見・寺田研で学んだことをどう活かしたいですか?
来年からは、公務員の土木職として人々の生活環境を支える仕事に就く予定です。これまでは環境浄化という視点だけでしたが、今後はさらに「まちづくり」というところまで視野を広げ環境問題に取り組んでいきたいと考えています。これまで、土木分野を専門として学んできたわけではないですが、細見・寺田研で身に付けた環境分野の知識やプロセスの知識を自分の持ち味として活かしていきたいと思います。
また、公務員として働く上では、様々な人の意見を聞きながら、長期的な視野を持って目的に対して取り組んでいくことが求められると思います。
研究室に入ってから、所属メンバーだけでなく、卒業した先輩方、企業の方、他大学や研究機関の研究者の方など多くの方々と関わる機会がありました。
たくさんの人と関わりながら物事に取り組んできた経験を、将来の仕事に活かしていきたいと思います。