物理空間情報の管理機構
物理空間情報の管理機構
Bazaarは物理空間内に分散したSentientArtefactの情報を管理し,上位のアプリケーションに統一したアクセス手段を提供するためのミドルウェアです.Bazaarを用いることにより,複数のSentientArtefactから得られるコンテクストを利用して,SentientArtefactに出力を行うようなアプリケーションを開発することが出来ます.
SentientArtefactが持つ属性の多様性に対応するために,空間(World),場所(Location),日常物(Artefact),状態(State),アクチュエータ(Actuator),コマンド(Command)といった共通の基本的な属性のみをクラスとして提供し,その他の属性はkey-value形式で与えることで,アクセス手段の統一性を実現しています.
各SentientArtefactにはIDが付与されており,それを外部で検出する機構を前提としています.そして,IDが検出されると詳細の属性を定義したファイルを初回の場合は外部(例えば製造業者)サイトよりダウンロードし,前述のクラス内にマッピングしてBazaar内(BWMM)で保持します.
Bazaarはまた管理した情報にアクセスするためのAPIとして,我々が普段の物理空間での生活で物理オブジェクトを利用する方法に近い直感的な使用法を提供しています.
Bazaarはkey-value形式で多様な属性を扱える機構を提供していますが,そのためにコンパイル時に入力ミスを発見することが出来ません.このような問題に対応することと,開発現場特有の問題発見を開発者が行うことができるようにするために,BASEとよぶEclipseのプラグインを開発しました.
Bazaarは,以下の論文にて説明しています.
藤波香織,中島達夫; "知的人工物を用いた知的空間構築のための情報管理基盤", 情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム(ACS), pp. 399-410, Vol. 47, No. SIG12 (ACS15), September, 2006.
Kaori Fujinami and Tatsuo Nakajima; "Bazaar: A Middleware for Physical World Abstraction", Journal of Mobile Multimedia, Vol. 2, No. 2, pp. 124-145, June 2006.
Kaori Fujinami and Tatsuo Nakajima; Towards System Software for Physical Space Applications, In Proceedings of ACM Symposium on Applied Computing(SAC) 2005, pp. 1613-1620, Santa Fe, USA, March, 2005.
Kaori Fujinami, Tetsuo Yamabe, and Tatsuo Nakajima; Bazaar: A Conceptual Framework for Physical Space Applications, The 2nd International Symposium on Ubiquitous Computing Systems (UCS2004), LNCS 3598 (Post-Proceeding) pp. 174-191, November8-9 2004, Tokyo, Japan (full paper)).
藤波香織,山邉哲生,長谷部晴美,小林勲美,中島達夫;”現実世界のモデル化と家庭におけるコンテクストアウェアネスへの応用”,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2004)シンポジウム, pp.527-530, July 2004.
Bazaar (2004,2005)
Bazaarは物理空間内に分散したSentientArtefactの情報を管理し,上位のアプリケーションに統一したアクセス手段を提供するためのミドルウェアです.Bazaarを用いることにより,複数のSentientArtefactから得られるコンテクストを利用して,SentientArtefactに出力を行うようなアプリケーションを開発することが出来ます.