現場指向の開発ツール

 
 

BASE (2004)


BASEは,アプリケーション開発者が,その開発現場で実際に空間を目で確かめながらソフトウェアコンポーネントを取得・利用するプログラムコードを吐き出すための開発支援ツールです.BASEは,コンポーネントにアクセスする際の属性の入力ミスを防ぐとともに,対象空間特有の問題を開発者自身が確認し解決する手段を提供します.


BASEは以下のようなコンポーネントで構成されます.


BASEの本体は開発者のノートPCに搭載されます.この端末には物体につけられたタグを認識してその物体の属性情報を記述したファイルを遠隔より(例;製造業者)取得します.このタグ認識システムにより,開発者がいる場所付近の物体情報が取得されます.


取得された情報はPhysical Object Viewer(POViewer)により写真付きで表示されます.このうち,開発者が詳細を知りたいと思って,画面をクリックするとその詳細がObject Information Viewer(OIViewer)に表示されます.

ソフトウエアコンポーネントはIDや種類,場所といった属性から取得でき,該当の属性をクリックすると取得するためのCode Wizardと呼ばれるWizard画面が提示され,開発者はインタラクティブにコード生成プロセスを進めていくことになります.


また,物理オブジェクトの中にはアクチュエーション機能を持つものがありますが,Actuator Testerによりその場で動作確認をすることが出来ます.これにより,他の出力装置との干渉のような仕様書に記載されていない事象を事前に察知することが出来ます.


下図に実行例を示します.





BASEは,以下の論文にて説明しています.

  1. 箇条書き項目Kaori Fujinami, Takeshi Kambe, and Tatsuo Nakajima; "BASE: An Interactive Location-aware Development Tool for Sentient Environments", Ubicomp 2005 (poster), Tokyo, Japan, September 2005.

  2. 箇条書き項目藤波香織,神戸猛,中島達夫;“BASE: 現場指向の開発支援ツール”,第8回プログラミングおよびシステムに関するワークショップ(SPA2005).