RESEARCHマリンバイオテクノロジー

微細藻類カルチャーコレクション

光合成微生物は自然界の中での第一次生産者として海洋に豊富に存在するため、多様性に富み、有用物質のスクリーニングの対象として注目を集めています。当研究室では、海洋から分離した約800種類に及ぶ微細藻類、光合成細菌のカルチャーコレクションを保持しており、これまで抗酸化作用を示すアスタキサンチン、抗菌物質、多糖、水素、サプリメントに応用できるDHA、EPA、バイオ燃料の原料となる脂肪族炭化水素やトリグリセリドなどの様々な有用物質を生産する株をスクリーニングしてきました。現在、特に当研究室が注目しているのは海洋光合成微生物を用いたバイオ燃料生産です。海洋光合成微生物は高等植物と異なり、もともと食用ではないため食糧との競合を回避できることや、単位時間・面積当たりの生産量が高いこと、また、海水を利用して培養可能なため淡水資源を節約できるといった利点があり、バイオ燃料生産に適しています。更に、海洋光合成微生物は光合成によって二酸化炭素を取り込んで生育することから、地球温暖化防止への寄与も期待されます。