マトリックス単離法

マトリックス単離法 (matrix-isolation method) とは高真空条件下で
数 Kという極低温にまで冷却したヨウ化セシウムなどの基板上に
目的分子をネオンやアルゴン気体で希釈しながら沈着させ試料とする方法です。

マトリックス単離法

マトリックス単離された試料は、極低温不活性固体中に分散して存在しているために
i) 分子間相互作用がほとんどない
ii) 分子の回転運動が阻害される
iii) ほとんどの分子が振動基底状態に分布している
といった特徴があります。

マトリックス単離された分子の赤外スペクトルを測定すると
i) 気相からのピークシフトが小さい
ii) 振動回転線が現れない
iii) バンド幅が狭い
という赤外吸収スペクトルを得ることができます。

water in matrix

回転線がなくシャープな振動バンドのみが得られるマトリックス単離赤外分光法は
量子化学計算に基づいた振動スペクトルシミュレーションを用いることで簡単に解析
することができます。そのため,コンホメーション解析,光化学反応における反応中間体
や生成物の同定などに用いられています。

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