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学部入試Q&A

学科・教育内容


【このページの目次】


1.農学部の応用生物学科と工学部の生命工学科は、どのような違いがありますか?

農学部応用生物科学科
自然界・生物・ヒトとのかかわりを中心にした研究をおこない、食品、医薬品、農薬、化粧品、香料開発など農学分野での貢献をめざしています。

工学部生命工学科
ものづくりの視点で生命をとらえ、これを私たちの生活で活用する研究、例えばバイオセンサーや臨床・診断薬、医薬品の開発、有用物質の工業的応用や環境の修復などの研究をおこなっています。

両学科は、授業科目として、生化学、分子生物学、細胞生物学、有機化学、分析化学、遺伝子工学など、また、実践科目として実験や実習に重点を置いた教育を行い、生命科学の基礎知識と技術についてはどちらの学科でも共通して身につけることができます。

しかし、工学部生命工学科では、生体電子工学、蛋白質科学、細胞再生工学、生物情報解析、植物工学、脳神経科学、マリンバイオテクノロジー、メディシナルケミストリー、食品・医薬品開発工学、レギュラトリーサイエンス、地球環境工学、応用ゲノミクスなどの授業があり、工学的応用を前提とした生命現象を理解したうえで、これを活用するバイオテクノロジーの創造とその実践を習得できる教育をうけることができます。

一方、応用生物科学科では、その他の授業科目として、栄養化学、応用微生物学、天然物有機化学、食品化学、植物病理学、昆虫生物学、植物保護学、バイオロジカルコントロールなど、分子から生態までの生物・生命現象に広く焦点を当てた授業が多数あり、生物と化学を基礎とする広い意味での農学の専門分野により深く入り込んだ教育を受けることができます。

両学科ともに4年次では研究室に分属し卒業論文作成のための研究に取り組みます。研究室とは、研究を通して教育をおこなうグループです。以下に各研究室名を挙げます。これらを比較することでも両学科の教育研究内容の違いを理解することができると思います。

<農学部応用生物科学科>
生物化学、遺伝子機能制御学、醗酵学、植物工学、構造生化学、遺伝子工学、細胞組織生化学、生物制御化学、生態情報化学、生物有機化学、食品化学、栄養生理化学、応用蛋白質化学、食品プロセス工学、植物病理学、応用昆虫学、応用遺伝生態学、発生生物学、細胞分子生物学、相関分子生物学

<工学部生命工学科>
細胞機能工学、生命分子情報科学、植物情報工学、細胞分子工学、生体分子構造学、生命分子工学、海洋生命工学、生体電子工学、ナノ生命工学、分子生命化学、生命有機化学、生体分子プロテオーム、バイオビジネス


2.農学部の環境資源科学科と地域生態システム学科で扱う環境の違いを教えてください。

環境資源科学科
大気・地圏・水界から成り立つ生物圏全体を通した物質循環について教育研究する「環境保護学講座」と、再生可能な資源の有効利用や木質資源循環のしくみなどを教育研究する「資源物質科学講座」というふたつの講座から構成されています。環境資源科学科の特徴は、地球環境の保全そして持続可能な社会の構築を、自然科学の視点にたって、地球レベルからミクロの世界まで探求しようとする所にあります。そのための「学科共通科目」として、例えば、地球化学、環境資源土壌学、生化学、機器分析化学などの科目が用意されています。「学科専門科目」として例えば、生態系保全学、水界環境学、地圏環境学、環境汚染化学、地球環境化学、植物資源化工学、エコマテリアル学、環境微生物学、環境植物学、生分解学、資源リサイクル学などの科目から選択するカリキュラムとなっています。

地域生態システム学科
森林と田園、農山村と都市などの空間を相互に関連した地域システムととらえ、自然科学から人文・社会科学にわたる広い分野を基礎にして、人と自然とが共生できる地域空間の創出を目指し、持続可能な森林の管理と資源利用、野生動植物などの保護や自然修復、環境と調和した農業生産システム、ヒトと自然との共生のあり方などに関する教育研究をおこなっています。国内海外を問わず、現実に生じている地域の複雑な問題を多様な視点からとらえ的確に対応できる人材の育成を目的として、必修科目の地域生態システム学、システム学実習などの他に、選択科目として80科目の講義と20科目の実験実習で構成する履修プログラム方式のカリキュラムを用意しています。プログラムの履修ガイドにしたがって、それらを自由に選択しながら履修し、最終的にはプログラムの修了認定を受けることとなります。現在、生態系保全、森林科学、環境修復工学、地域システム工学、流域保全管理、地域環境マネジメントと教育、共生の思想と共生社会ビジョン、ヒトと動物の共生、という8つの履修プログラム・モデルを設けています。


3.遺伝子関係の勉強をしたいのですが、どの学科が適していますか?

遺伝子関係と言っても非常に範囲が広いので、まず遺伝子の何を勉強したいのかをはっきりさせましょう。ここでは遺伝子工学についてのみお答えします。新しい遺伝子の発見や働きを解析したり、遺伝子工学の技術を開発するような勉強がしたいのでしたら、農学部の応用生物科学科や工学部の生命工学科が適しています。しかし、一般には遺伝子工学とは生物の働きを解析したり、生物の性質を変えたいという目的のために使われる手段でしかありません。そのため、多くの学科で遺伝子工学を用いた研究がおこなわれています。したがって、植物の品種改良をしたいとか、環境中の難分解性の環境汚染物質を生物的に分解したいとか、動物の遺伝子治療をしたいとか、それぞれの目的によっておのずから志望に適した学科が決まると思います。また、大学では他学科の授業も選択できますから、遺伝子工学関連の授業をどの学科に入っても受けられます。ですから、遺伝子工学自体を勉強したいのか、あるいは遺伝子工学を利用して何をしたいのかをはっきりさせましょう。

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