矢田部研究室メンバーへの加入について
矢田部研究室では新メンバーを随時受け付けています。研究室に加入する方法として,主に以下のパターンがあります。
それぞれについての案内をこのページにまとめたので,興味のある方はぜひ該当の項目をご参照ください。
なお,矢田部研究室は東京農工大学の小金井キャンパスにあります。最寄り駅は JR 中央線の東小金井駅 (新宿から 22 分,吉祥寺から 7 分) です。本部や農学部のある府中ではないので,間違いのないようご注意ください。
学部 3 年生での研究室配属について
知能情報システム工学科では毎年 10 月に学部 3 年生の研究室配属があり,例年 5~6 人の学生が新たに加わります。このページには一般的な内容をまとめておくので,ぜひ配属の参考にしてください。ただし,研究室配属のルールに関しては毎年検討が行われており,年によって配属の方法が変わることがあるので,必ず公式のアナウンスを確認してください。また,ここに書かれている内容が古くなってる場合もあるので,配属を希望する場合は必ず研究室紹介と研究室見学に参加し,最新の情報を入手してください。質問や相談などがある場合は,メールで気軽に連絡してください。
矢田部研究室の説明の前に,研究や研究室についての一般的な説明をします。「研究とはなにか」や「研究室とはどういう組織か」について明確なイメージがない人は,まずは以下の項目を読んでください。折り畳んであるので,各項目をクリック (またはタップ) して開いて読んでください。なお,学部生向けだと思ってすごく大雑把な説明をするので,もし研究に詳しい人が読んでいたとしたら大目に見てください。また,分野によって異なる部分もあるので,一部の分野のみで成立する話を含んでいる点にも注意してください。
研究には異なる 2 つのタイプがある
前提として,研究は異なる 2 つのタイプに分類することができます。1 つ目は「人類が未だ知らない対象を知る」研究で,2 つ目は「これまでに実現されていないことを実現する」研究です。この 2 つの大きな違いは,前者は「ただ 1 つだけ存在する真実を明らかにする」のが目的なのに対し,後者は「同じ研究対象に対してたくさんの解が存在する」ので,全く性質が異なります。
真実を明らかにするタイプの研究では,例えば,宇宙がどのようにできたかとか,生命がどのような仕組みで存在しているかとか,数学的に正しいのはどれかとか,人類の知識が到達していない真実を解明しようとします。正しい答えは 1 つしかないので,色々な説を提唱して,ある説が正しいことを証明するのが研究の目的です。
一方,新しいことを実現する研究では,例えば,今までよりも速く動くものを作るとか,今までよりも省エネな方法を考えるとか,今までの不便な点を解消するとか,現在の技術の到達点よりも何らかの基準で良い方法を生み出そうとします。何を基準に考えるかによって「最も良い方法」がいくつでも存在し得るので,自分で設定した目標を達成するのが研究の目的です。
矢田部研究室で取り組んでいるのは,後者のタイプの研究です。これまでの方法より性能が高い手法を作るとか,これまでの技術で扱われていなかった情報を使うとか,これまでの方法で取り組まれていなかったアプローチを試すとか,そういうタイプの研究をしています。その前提で以降の説明をしますが,前提が違う分野には当てはまらないことが書いてあるかもしれないことに注意してください。
研究とは
非常にざっくり言えば,今までにない新しいことをやるのが研究です。これが学部 3 年生までの「勉強」とは決定的に異なる点で,研究室に配属される前は「先生が作った答えのある問題を解けるように暗記したり解く練習をする」感じですが,研究室に配属された後は誰も答えを知らない課題に取り組むことになります。今までにない新しいことをやるので,先生も当然どうやったら良いかを知りません。もしかしたら正解のない課題に取り組むことになるかもしれません。でも,それが研究であって,これまでにない新しい経験をすることで,人として大きく成長することができます。
「今までにない新しいこと」と言われると,「そんなこと自分にできるんだろうか」と思ってしまうかもしれません。もしそう感じたなら,それはおそらく「新しいこと」のイメージが凄すぎるからだと思います。ここで言ってる「新しいこと」は,例えば「今までの方法の数値をちょっと変えてみる」とか「今までの方法の手順を逆にしてみる」とか,既にあるものをちょこっと変更する程度でも大丈夫です。その変更をこれまでにやってる人が見当たらなければ,それを自分がやってみることで,新しさが生まれます。その変更にどれだけ価値があるのかを誰も知らなければ,それを実際にやってみてどうなるかを調べることで,十分に新しいことをやってることになります。
ただし,いくら「今までにない新しいこと」であっても,それが技術的に退化しているようなことをしては意味がありません。誰もその方法を試していないのは,もしかしたらその方法がショボすぎるからかもしれません。技術的に進歩する方向に新しいことをやるのが大事です。その点は,先生が方向を示してくれたり方向を確認してくれたりするはずなので,先生と一緒に「この方向に進めば良さそう」という方針を考えて,その方針に従って今までやられてない新しいことをやって,その結果として新たな価値が生まれたら成功です。そのために試行錯誤を繰り返すのが研究です。
ちゃんとした言葉を使えば,研究には新規性と有効性があることが重要です。新しくて価値のあることに取り組むということです。
研究室とはどのような組織か
大学の研究室における典型的なメンバー構成は,教員・研究員・学生です。知能情報システム工学科の研究室の場合は,教員が一人だけいて,学生が 10~20 人いるような構造がありがちです。
教員は,教授や准教授などの肩書きの人で,監督のような役割を持っている人です。研究室というチームを束ねて,そのチームがいつ何をどうするか,どういう役割分担でどうやって勝負するか,とかを考えて実行する人です。チームの一人一人にやり方を教えたり,アドバイスをしたりするし,色んなことの相談に乗ったりもします。自分自身で手を動かして自分で研究を進めるというよりも,チームとして研究が進むように計画を立てたり実行させたりする人です。あと,お金のやり繰りをマネージメントしたりするので,そういう意味では個人商店の経営者みたいなイメージでも良いと思います。バイトをどう配置してどう回すかとか,いくらのお金をどうやって獲得するかとか,そんなことを考えて実行する人です。
研究員という言葉でここでイメージしてるのは (分類としては正しくないですが),助教・特任助教・博士研究員 (ポスドク・PD) などの肩書きの人で,学生を卒業して (博士号を取得して) 学生よりも教授や准教授に近い位置にいるけど,自分自身でバリバリ研究を進める若めの人です。チームで言うところの一軍のエースみたいな感じで,立場によっては学生に研究指導をしたり,授業をしたりもします。これらの人を雇用するには大量のお金が必要で,年間 700 万円ぐらいの予算を追加で獲得してやっと一人雇用できるかできないかって感じなので,あまり数は多くないです。
学生は,学部 (研究生)・博士前期課程・博士後期課程に在籍している人で,研究をメインで遂行する人です。大学の研究室で最も人数が多いのは学生だし,教員は自分で研究する時間をなかなか取れないので,必然的に学生が研究の実行部隊みたいな感じになります。最初は何もわからなくて当たり前ですが,教員や先輩のアドバイスをもらいながら勉強したり作業したりして,段々と専門性を身につけていき,頑張ればそのうち研究を一人で進められるようになります。
研究室の目標は,研究を進めて論文を書くことと,人材を育成することです。大学は「研究・教育機関」なので,研究もするし教育もする場所です。研究の面では,新規性と有効性のある成果を生み出して,それを論文として出版することで,世の中に新たな知をもたらすことを目指します。教育の面では,学生が研究に取り組むことで,問題解決力などの「社会で生きていくのに重要な能力」を身につけることを目指します。研究を進めることで,「その研究分野を通じて世の中に貢献する」のと「能力の高い人材として社会で活躍する人を増やすことで世の中に貢献する」のが目標です。
なお,研究室の運営は研究室ごとにバラバラで,何をどのようにするかは完全に教員に任されています。研究室によって方針も目指すところも違うし,やることもやり方も異なります。教員ごとに何をしたいかも違って,研究をしたい教員もいれば教育をしたい教員もいるし,スタンスも活動量も人によって異なります。なので,研究室ごとに完全に異なる世界の完全に異なる組織だと思っておくと良いと思います。スポーツのチームで例えるなら研究室ごとに競技から違うし,個人商店で例えるなら研究室ごとに業種から違う感じです。それぐらい違う組織なので,同じ学科の中でも,隣の研究室の活動について何もわからないのが普通な感じです。
学生が研究をする意義
学生にとって研究に取り組む意義の一つは,社会で必要なスキルを身につけることです。研究に取り組むことで,その研究分野に関する専門性を高めることはもちろんできますが,多くの学生にとってその研究分野に関わるのは学生の間だけだったりします。人生において大事なのはそこではなく,研究に取り組む過程で様々なスキルを身につけることが大事で,そうやって研究活動で身につけたスキルは将来に渡って生きるのに役立ちます。
研究は「答えのない問題の解決」に取り組む活動です。一方,「どうやったらお金を稼げるか」とか「商品の売り上げを伸ばす方法」とか「宣伝効果を上げるには」とか,社会で取り組む問題も答えがないのが普通です。企業の研究開発も,「商品の価値を高める方法」とか「世の中に新たな価値を生み出す提案」とか,絶対的な正解は存在しないのが普通です。そのように「答えがない問題に取り組む体験」は,研究室で研究活動に取り組まなければ,学生のうちはなかなか経験できないものです。なぜなら,研究室に配属される前の「勉強」の大部分は,答えのある問題を解く訓練を行うものだからです。研究室に所属して,研究に取り組むことで,答えのない問題に取り組むための問題解決能力を身につけるのが,研究をする意義だと思います。
研究活動では問題解決力だけでなく,様々な能力を身につけることができます。例えば,情報収集力・論理的思考力・セルフマネジメント力・コミュニケーション能力などを身につけるチャンスがあります。情報収集や論理的思考は研究に直結する活動なので,研究を頑張っていれば経験値が溜まります。また,締切に合わせて短期~中期の計画を立てて実行し続けるので,セルフマネジメントの訓練をする機会は非常に多いし,卒修論やゼミや学会発表で原稿を執筆したりプレゼンテーションをする機会がたくさんあるので,口頭や紙面でのコミュニケーション能力が鍛えられます。
これらの「研究活動を通じて身につく能力」は,社会のどこに行っても重要な能力です。現代社会のどこで何をしていても,情報を集めて頭で考えることで問題解決をし,それを遂行するスケジュールを組めて,結果を他者に適切に伝えることは,生きていく上で必須のスキルです。つまり,研究室は研究活動を通じて生きる力を養う場だと捉えることができます。研究に取り組むことで,現代社会を生き抜くための基礎体力を身につけ,その力を持って卒業後に世の中で活躍することが期待されます。
研究室に配属された際に重要な考え方
研究室に配属された際に重要な考え方として,配属前はインプットがメインで,配属後はアウトプットがメインということを意識しておくと良いと思います。なぜなら,研究室に配属された際に,それらのギャップに戸惑う学生が少なからずいるからです。しかも,そのギャップがあること自体を認識するのが難しいので,時間をかけて少しずつ違和感を感じるようになっている間に手遅れになることもあり得るからです。
小中高大で取り組んできた「勉強」は,その大部分がインプットであり,つまり知識や技能を自分の中に取り入れる行為で,自分の中に経験値を溜める操作です。それは,足し算を知らなければかけ算を学べなかったり,微積分を知らなければ微分方程式を学べなかったりするように,十分なインプットがない状態では,より高度な概念を学ぶことはできないので,未熟なうちは必然的にインプットがメインにならざるを得ないからです。
一方,研究室に配属される頃には,研究を始めるのに十分な知識や技能を獲得しているはずなので,研究室に所属した後は,今までにインプットした知識や技術を活用して,今度はアウトプットをする番になります。上の「研究とは」の項目に書いたように,「今までにない新しいこと」をやるのが研究なので,学んだ知識のその先の部分を自分で生み出すのが研究です。自らの手で新しい部分を生み出すので,研究を進めていくと必然的に「その研究内容については世界で一番自分が詳しい」という段階に到達します。そうなったら,他の人が学べるような新たな情報を提供するために,自分だけが知っていることをアウトプットします。具体的には,学会で講演をしたり,論文を出版したりして,自分の中だけの最新の知識を他の人と共有します。
もちろん,研究室に配属されたばかりの学生は,その研究分野に関する専門知識を持っていないので,研究室に配属された当初は勉強や実習などのインプットから始めます。ただし,研究室に所属する前と明らかに違うのは,そのインプットには明確に目的があって,最終的にアウトプットすることが目標であることです。そして,実際にアウトプットする内容を生み出すために研究を進めます。
ここに落とし穴があって,研究室でのインプットは「何もせずとも与えられるもの」ではなく,「自分の研究内容に合わせて自分で何をインプットすべきか決めるもの」です。一番最初は右も左もわからない状態なので,先生や先輩から指示された内容を勉強することになりますが,研究を進めていく間に行うインプットは,自分の研究を進めてアウトプットするにあたって「自分に足りない部分」をインプットするものであって,自分で決めて能動的に学んでいかないといけないものです。つまり,授業のように「待っていれば勝手に学ぶべき内容が与えられて,課題が出されてそれに取り組めばいい」ものではなく,自分から能動的に動いて自分がやることを決めないといけないものです。これを勘違いして,与えられたことを与えられた範囲でしか実行しないと研究がなかなか進まず,能動的に動ける学生との差がどんどん広がっていってしまいます。また,受動的に待っているだけでは,研究活動で身につくはずの能力もなかなか身につかず,社会で役立つスキルをあまり獲得できないまま卒業することにもなります。研究室では,ぜひ能動的に学ぶ姿勢で研究活動に取り組み,得られた成果を積極的にアウトプットするように心がけてください。
以上の前提を踏まえて,ここから矢田部研究室の特徴や,志望者向けのメッセージを記します。配属のミスマッチはなるべく避けたいので,配属を希望する場合はご一読お願いします。なお,研究については Research や Publications に記してあるので,そっちのページをご覧ください。また,現在のメンバー構成については Member をご覧ください。
研究室のスタンス
矢田部研究室では,基本的に面白ければ何を研究してもいいというスタンスをとっています。メインは音響ですが,面白いトピックなら音響でなくても良いと思ってます。ただし,ここで言う「面白さ」とは,数学的・技術的または応用的に面白いことを指し,特に数理的に面白い研究が好みです。分野としては,数理最適化・数値解析・信号処理・深層学習などの技術を扱うことが多いです。機材と場所の制約であまり取り組めていませんが,計測の研究もしてます。
研究内容は基本的に全員違うテーマの研究をします。つまり,学生の数だけ異なる研究テーマがある感じです。学生によるゼミ発表などでは,違う分野の研究の話が聞ける環境になっているので,ある程度広い分野の勉強ができ,広めの知見を得ることができるようにしています。一人一人が自身の研究テーマに関する専門分野に詳しくなって,別の分野に詳しい他の学生と協力することで,皆でより良い研究を進めていこうというスタンスです。
研究成果は,非常に積極的にアウトプットします。具体的には,学会で年 2 回発表することをデフォルトとし,良い成果が得られた場合は論文誌への論文投稿も積極的に行います。配属は学部 3 年生の 11 月ですが,運が良い人は学部卒業までの 1 年半弱の間に学会で賞を受賞したり,論文誌に (英語で書いた) 論文を採録させたりしています。そうでなくとも,学部卒業までに少なくとも 2 回は学会で研究発表をするようにしているので,卒論に加えて 2 本以上の学会講演論文を執筆するのがデフォルトです。
研究室ではコミュニケーション能力を鍛えることも重視していて,ゼミや学会でプレゼンテーションや原稿執筆をする際に適切なコミュニケーションの方法についても指導しています。学会などでは他大の学生や教員と交流することをミッションとして課しており,学会の若手イベント運営団体に所属する学生も多いです。また,研究室内での交流会も毎月開催しており,対人コミュニケーションをする機会を積極的に設けています。
研究のペースは各個人に任せているので,研究室としてコアタイムは設けていません。平日・休日関係なく,研究に取り組めるタイミングで取り組むことを想定しています。ノルマとしては年 2 回の学会発表を課しており,それに間に合うようにスケジュールを自分で組むようにお願いしています。基本的にはガンガン研究を遂行する方針で,各々が計画的に行動することを期待しています。研究自体は自宅で実施可能なテーマも多いですが,他の学生や先輩と協力して進めて欲しいので,できるだけ研究室に来て研究することを推奨しています。
学生は教員にいつでも質問したり相談できるような環境を整えています。教員は学生と同じ部屋に (基本的に毎日) いるので,わからないことや相談事があればいつでも対面で会話できるようにしています。また,Slack を用いてオンラインでもいつでもやり取りできるようにしています。その日あったことについて日報を毎日書いてもらっているので,それをキッカケに会話が始まることもあります。コミュニケーションこそ研究を進展させる原動力だと思っているので,学生と教員の間も,学生同士でも,対話が始まる機会をなるべく多く設けるように努めています。
研究室活動
矢田部研究室での活動は「毎日の日報・週 1 回のゼミ・月 1 回の定例会」の 3 つを中心としており,あとは個人個人が自由に取り組む形式をとっています。研究室のイベントとして固定でやることは少なく,個人の裁量を大きく取っているので,それぞれのライフスタイルに合わせて自分でスケジュールを決められる自由があります。ただし,自由であるということはその分だけ責任も本人に降りかかってくるので,自己責任でコツコツ作業に取り組むことが求められます。
メインの活動をそれぞれ説明すると,まず日報を行っていて,その日の研究活動や出来事を毎日文章で報告してもらいます。日報は Slack 上のメンバー全員が見えるところに投稿してもらうので,その日に何をやっていたかを学生同士もお互いに知ることができ,日報をキッカケに共通の話題が出来たり,一緒に遊びに行く予定が立ったりすることもあります。また,研究などに関する困りごとが書かれていた場合は,教員や先輩がアドバイスを返信することもあります。決まった時間に全員で集まる機会が週 1 回しかないので,その分お互いを知る機会を作っています。
毎週月曜日には全員参加のゼミを実施しています。各学生が持ち回りで研究の発表や論文の紹介を行い,発表内容に対して学生全員が質問をする形式で進めています。教員はなるべく補足や補助をするのみに留め,できるだけ学生同士で議論をすることで,研究的な側面だけでなく,コミュニケーション能力も同時に養う機会にしています。また,一人一人が異なる研究テーマで研究をしているので,メンバー同士がお互いの研究について知る機会にもなっており,学生の人数分だけ幅広い研究的・技術的トピックを学べる機会にもなっています。
さらに,月に 1 回は定例会と称して飲み会を開催しています。定例会では,プレゼンの練習のために 3 分のお題トークを実施しています。お題は毎月異なるテーマを設定していて,例えば「オススメのお菓子」とか「今年の抱負」とか「最近の気になること」とかについてお酒を片手に 3 分でプレゼンします。研究室配属直後の 11 月や,大学院生が入ってくる 4 月には「自己紹介」をテーマにしています。これは,時間の感覚を養うのと相互理解のために実施しており,お互いに話題を提供しあうことで普段からメンバー同士で話をしやすい雰囲気を作っています。
これらの活動は,直接的に研究が進むようなものではなく,コミュニケーション力を鍛える意味合いが強いです。社会のどのような場所で何をしていてもコミュニケーションは必須のスキルなので,世の中で生きて行きやすくなるようにコミュニケーション能力を向上させることを重視しています。ただし,研究室は研究を行う場なので,これらの活動とは別に一人一人が自分で研究を進める必要があります。とはいえ,難しい部分は学生同士で助け合って進めるので,一人で孤独に研究に取り組む感じではなく,それぞれの得意分野を活かして協力して研究を進める感じになります。そのような協力をしやすくするために,日報やゼミや定例会を実施しています。
求める学生像
他に良い言葉が思いつかなかったので「求める学生像」と書きましたが,ここに書くのは「求める」というよりも「こういう学生は向いている」とか「向いていない」とかの話です。矢田部研究室に向いていない学生が配属された場合に,卒業が危うくなる事態が発生したり,休学する学生が生じた経験があるので,適切なマッチングが取れることを願って本項目を記します。全ての項目はメリットとデメリットが表裏で存在するので,両方を同時に記します。少し厳しめに書いているところはありますが,大体は過去の経験に基づいています。
矢田部研究室の特徴として,自由があるというメリットがあります。確定で拘束される時間が少ないので,自分の裁量で自由に時間の使い方を決めることができ,学生としての自由度の高さを活かすことができます。しかし,自由だからといって研究を進めないと,周りの学生が研究を進めて行く中で一人だけ研究が進まず,気付いたときには周りについて行けなくなってしまう可能性があります。そのため,言われなくても日々コツコツと作業を進められる人は矢田部研究室に向いていますが,例えば授業課題を締切ギリギリまで放置してしまうような言われないとやらないタイプの人は向いてないと思います。研究室は研究をする場なので,研究面で周りに後れを取ると研究活動自体に参加しづらくなり,そのせいでさらに研究が進まなくなる,という悪循環に陥る可能性があります。
研究の特徴としては,高度な数学的概念に基づく考え方をしがちであり,矢田部研究室で頑張って研究に取り組めばハイレベルな技術に触れる機会がたくさん訪れるというメリットがあります。技術的な難易度が高ければ高いほど,世の中でその技術を扱える人の数が減るので,高度な技術に触れれば触れるほど自分の強みを増やすことができます。しかし,ハイレベルな技術に触れる機会が多いということは,研究室配属の直後は理解できない話が大量にあるということです。そのような状況に置かれたときに,「知らないこと」や「わからないこと」を「面白そう!かっこいい!」と思える人は矢田部研究室に向いていますが,全く理解できない技術や数学の話を聞いたときにわからないことをプレッシャーに感じたり負い目に感じる人は向いてないと思います。先輩の研究発表とかで異常に難しい話を聞いて「よくわからないけどかっこいい!面白そう!」って思える人は,矢田部研究室で面白い数学や技術にたくさん触れて大いに成長できますが,逆に「理解できない自分はダメだ…」と落ち込んでしまう人は,落ち込み続けて帰って来れなくなってしまうかもしれません。
研究の取り組み方としては,基本的に一人一人が異なる研究テーマに取り組むので,それぞれが異なる技術のスペシャリストとして成長していき,そのうち「この研究室で一番〇〇に詳しいのはあの人」みたいな立ち位置を獲得するようになります。それぞれが色んな方向に強みを伸ばしていき,学生同士で質問や相談をすることで全員が教える側にも教えられる側にもなって皆で成長できるような場作りに取り組んでいます。技術や数学を教えあうだけでなく,原稿やスライドも学生同士で添削したりして,人に教えることで自分の能力も伸ばすようにお願いしています。そのように,学生同士のコミュニケーションが組織としての研究室の根底にあるので,何でもすぐ人に聞くし,聞かれたらその場で何でも答えるようなオープンマインドの人は矢田部研究室に向いていますが,自分をさらけだしたりコミュニケーションを取るのが苦手で,難しい問題に遭遇しても人に聞いたりせず自分一人で抱え込んじゃうような人は向いてないかもしれません。わからないことがあれば教員にも学生にもすぐ聞いて,他の人の得意な部分をどんどん吸収する姿勢を持っていた方が成長も早いし,そのようなコミュニケーションが新たな議論を生んで研究が進むこともよくあります。
日常生活においては,ワイワイガヤガヤしてることも多いです。研究室は楽しい場であるべきだと考えているので,研究室内でもよく遊ぶし,昼夜関わらず談笑することも多いです。特に一部のメンバーは,毎日のように研究室でゲームをしたり,研究室で頻繁にお酒を飲んだりしています。しかし,時にはうるさくなりすぎてしまうこともあり,廊下まで笑い声が響いてしまうこともよくあります。そのような騒がしさを苦に思わない人は矢田部研究室に向いていますが,特に自分が真面目な作業に取り組んでいるときなどに周りが騒がしいとイライラする人は向いてないかもしれません。研究の面でも遊びの面でも,メンバーの皆で楽しい場を作れたらいいなと思っています。
そもそも,矢田部研究室は学生が 20~30 人もいる大規模な研究室です。教員が複数人いる研究室では珍しくない人数ですが,教員が一人しかいない研究室としては多い部類で,教員も学生も全員が同じ部屋にいるのが特徴的です。人数が多いので賑やかになりやすいのも特徴で,研究室に行けば誰かしら人がいるので,大人数で集まるのが好きな人は矢田部研究室に向いています。一方,ゼミなどで集まるとたくさんの人がいるし,ゼミ発表などもその人数を前にして話すことになるので,人が多いところが苦手な人は向いてないかもしれません。特に学会に参加した際は,学会で開催される大人数の飲み会に参加することをお願いしていて,初対面の学生と積極的に交流するよう指示しているので,大人数が集まる場に参加する機会がそれなりに存在します。
総じて,毎日とにかく研究を進めて,いっぱい研究成果を出して,たくさん学会発表をして,色んな人と交流して,多くの経験を積むことで,様々なスキルを獲得して人として成長したい人は矢田部研究室に向いていると思います。また,大学院の前期課程を修了した後に博士後期課程に進学する学生が多いので,博士になりたい人にもオススメな研究室だと思います。逆に,勉強や研究にあまり時間を使いたくなかったり,ラクをしたかったり,大人数が苦手だったり,数学に苦手意識を持っている人は,矢田部研究室に配属されると居づらさを感じてしまうかもしれません。
よくある質問
- スマブラができないとダメですか?
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スマブラができなくても全く問題ありません。矢田部研究室では教員を中心としてスマブラが非常に盛んですが,学生でスマブラをやっているのは研究室メンバーの 2 割程度です。残りの 8 割の学生は日常的にスマブラをしていません。人生でスマブラを全くやったことのない学生も普通に所属しています。 (ちなみに,遊んでばかりで勉強や研究をしない人は歓迎できないので,ゲーマー自体は歓迎していません。)
- 研究についていけるか心配です
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やる気があって,自分から行動することができれば全く問題ありません。最初は何もわからないのが普通なので,研究テーマの中でも取り組みやすそうなところからスタートするし,少し取り組んでみて合わない感じならテーマを変更することも可能です。また,教員や先輩が色々なことを教えてくれるので,わからないことも聞けばすぐに答えてもらえます。そのような環境を利用して,自ら行動していけば何も問題ないです。逆に,自分から行動できずに「待ち」に徹してしまうと上手くいかないことがあります。
- 配属前に勉強しておいた方がいいことはありますか?
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どんな研究テーマを扱うかによりますが,とりあえず線形代数はしっかり学んでおくといいと思います。微分積分やプログラミングもできると良い感じです。他には,フーリエ解析・信号処理・情報数学・パターン認識と機械学習あたりも知っておくと良いことがありそうです。学部の授業ではほとんど見かけないですが,線形代数と微積分を合体させたような「関数解析」と呼ばれる分野の数学もかじっておいて良いかもしれません。なお,研究テーマを決める際に得意・不得意を加味することができるので,苦手な分野があったとしても,得意な分野を活かせるテーマを設定すれば問題ないことが多いです。
- 数学が苦手でも大丈夫ですか?
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「苦手」の種類によります。例えば,計算ミスをしがちだとか,公式を細かく覚えられないとかの,テストで点を取るのが苦手な場合は問題ないことが多いです。研究に取り組むときは,公式などの暗記物は調べればいいし,式変形や計算はパソコンや周りの人に助けてもらえばいいので,手計算が苦手でも研究は進めることができます。一方,数式の入った文章が読めないとか,数学の話題に入っていけないとか,「任意のε> 0 に対して,あるδ> 0 が存在して~」みたいなのが嫌いとか,数学という存在自体が苦手な場合は,研究室に居づらくなるかもしれません。
- 音楽に詳しくないとダメですか?
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音響の研究室なので,楽器をやっていたり音楽好きな学生は多いですが,全体としては半分ぐらいな印象で,残りの半分の学生は特に音楽に興味がある感じではないと思います。研究活動では,物理現象としての音や,時系列データとしての音を扱う基礎的な研究テーマが多いし,音楽自体を研究テーマにすることはないので,数学や信号処理や最適化に対する興味さえあれば,音楽に興味がなくても全く問題ありません。
- AS と AE のどちらのコースの学生が多いですか?
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研究室配属にあたって,志望者が数理情報工学コース (AS) と電子情報工学コース (AE) のどちらに所属しているかは全く気にしていないので,その年によってどちらが多いかは変わります。今のところは半々ぐらいな印象です。足りない知識があれば研究室に入ってから勉強すればいいと思ってるし,もし得意な分野があるならそれを活かせばいいと思ってるので,どちらのコースからも歓迎です。
- 教員について知る方法はありますか?
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あまり真面目に更新してないですが,X (旧 twitter) のアカウントがあります。先生大図鑑のインタビュー記事も参考になるかもしれません。あと,学会誌に解説記事を書いてたりするので,それらを読んでみると研究室での教員をイメージしやすくなるかもしれません。例えば,最適化と深層学習の融合に関する解説 (応用数理 33 巻 1 号, 2023) とか,短時間フーリエ変換に関する連載 (日本音響学会誌 77 巻 4~9 号, 2021) とか,位相回復問題に関する解説 (Fundamentals Review 15 巻 1 号, 2021) などを覗いてみると,教員の得意分野の一部を確認することができます。もちろん,メールで直接コンタクトを取ったり,会って話すことも歓迎なので,何かあれば気軽に連絡ください。
- 教員はどれぐらいすごいですか?
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結構頑張ってる方だと思います。例えば Google Scholar や Scopus や Web of Science などの Web サービスで研究者の客観的評価を調べることができるので,気になる人は覗いてみるといいかもしれません。
- 研究室見学はできますか?
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学部 3 年の 10 月に研究室見学の期間を設けているので,そのタイミングでぜひお越しください。その期間内であれば,配属自体に興味がない人でも大歓迎です。その期間以外で見学や相談をしたい人は,直接メールで連絡してください。スマブラの対戦申し込みも歓迎です。
- 学科内の他の研究室と関係はありますか?
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最適化に基づく信号処理を研究しているので,早川研究室は扱う技術がかなり近いです。同じ学会で発表することもあるし,卒論発表を一緒にやる際も技術的に被っている面があって内容を理解しやすいです。グラフ学習をやってる山田 (宏樹) 先生は,研究分野はそれなりに違いますが,山田先生が矢田部研究室に特任助教として一年半所属していたこともあって仲が良いです。あと,田中 (聡久) 研究室は信号処理に関して少し身近な部分もあります。他にも技術的に関連のある研究室はいくつかあるし,研究とは関係なく仲の良い先生もいて,知能情報システム工学科はいいところだと思ってます。
配属を希望する場合は上記の情報を全て確認した上で,研究室紹介の説明を聞いて,研究室見学に参加し,面談を行ってから志望調査に記入してください。特に配属に重要な情報は研究室見学の際に伝える予定なので,忘れずに参加をお願いします。もし何か質問や相談などがある場合は,メールで気軽に連絡してください。
大学院 (博士前期課程) の受験について
矢田部研究室には例年,院試を受けて何人かの学生が外部から入ってきます。他大や他研究室に所属している学部生は,以下の 3 つの方法で矢田部研究室の一員になることが可能です。折り畳んであるので,読みたい項目をクリック (またはタップ) して開いてください。
院試を受験する
博士前期課程から矢田部研究室に所属するために最も標準的な方法は,院試を受けて合格することです。例年 6 月頃から出願を受け付けていて,夏休み期間に院試があります。詳細は,大学公式ホームページの入試情報 (大学院) をご覧ください。なお,矢田部研究室は大学院工学府の中の知能情報システム工学専攻にあるので,公式ホームページを見る際はそちらをご確認ください。
出願書類には志望する教員のハンコが必要なので,出願期間に矢田部研究室を訪問して,願書に直接ハンコを押してしまうのが確実でよいです。例年,春に研究室見学に来て,出願期間に再びハンコをもらいに来る学生が多いですが,家が遠方の場合は願書を郵送してもらってハンコを押すことも可能です。ただし,郵送の場合は時間がかかるので,必ず矢田部に確認をして,出願締切に間に合うようにしてください。また,出願には TOEIC や TOEFL などの英語の外部試験のスコアシートが必要で,それを入手するのも時間がかかるので気を付けてください。
願書には「志望分野」と「志望指導教員名」という欄がありますが,それぞれ「画像情報工学」と「矢田部浩平」と記入してください。矢田部研究室の専門分野は音響ですが,なぜか管理上の主要教育研究分野がその名前になっています。この名称は管理のためだけに付いているものなので,とりあえず気にせず記入しておいてください。なお,第 2 志望は何も書かなくて大丈夫です。
院試の過去問は直近の三年分が公開されているので,そちらで範囲や形式を確認して勉強してください。なお,知能情報システム工学専攻の院試は 2022 年の夏に初めて実施されたので,令和 4 (2022) 年度以前に関しては過去問が存在しません。また,一般的に,年度によって出題者が異なるので,過去問に入れ込みすぎないようご注意ください。
出願を検討する場合は,まずは気軽にメールください。その後に研究室見学に来ていただいて,その場で詳しい話をしましょう。外部からの受験はいつでも大歓迎なので,興味あれば連絡もらえると嬉しいです。
研究生になる
研究室には,研究生として所属する方法もあります。毎月数万円の授業料で研究室に所属できる制度で,授業を受けたり学位を取得することはできませんが,非正規の学生として農工大に通うことができます。研究生になる典型的なパターンとしては,院試に落ちたけど次の年に再チャレンジしたいときに,研究をしながら院試浪人をするための身分です。非正規とはいえ農工大の学生なので,研究室のメンバーとして普通に研究できるし,成果を出せば出張して学会発表もできます。また,学内の院試経験者から院試対策のノウハウを教えてもらうこともできます。矢田部研究室では例年,研究生も受け入れているので,大学公式ホームページの研究生のページを確認して,興味があれば気軽にメールで連絡ください。
その他の方法
狭き門ではありますが,研究などで成果を上げている場合に,産業技術専攻に入ることで矢田部研究室で活動することができます。産業技術専攻は工学府の中にある技術経営の学べる専門職大学院で,技術経営修士(専門職)の学位を取得することができます。所属は産業技術専攻で,そちらの必修科目を履修しますが,大学院全体の中から研究活動を行う研究室を別に選ぶことができるので,授業では技術経営を学びながら矢田部研究室で研究することができます。詳しくは産業技術専攻のページを確認してください。もし興味がある場合は気軽にメールで連絡ください。
これらの方法で大学院から配属を希望する場合は,メールで問い合わせた上で,必ず研究室見学に来てください。また,院試の出願書類にハンコを押さないと出願できないので,気を付けてください。研究室見学の際に聞かれがちな質問を以下にまとめておきます。大学院から志望してくれる学生はいつでも大歓迎なので,興味があれば気軽に連絡ください。
よくある質問
- 学部の専門が矢田部研究室と無関係ですが大丈夫ですか?
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学部の専門が異なっていても全く問題ありません。もちろん,学部で信号処理・最適化・数値解析・機械学習・音響工学あたりを学んでいれば,それらの技術を用いた研究をスムーズに始めることはできます。一方,それら以外の分野の学生は,学部の頃の専門を強みとして新たな研究を始められるので,むしろ分野が異なる学部から進学してきた学生の方が面白い研究テーマに着手できるポテンシャルがあります。配属後に研究テーマを決める際は,何が得意かを聞いて,その強みを活かせるようなテーマを選べるといいと思ってます。
- 今までどのような学部から進学してきた学生がいますか?
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あくまで一例ですが,学部での専門が機械工学・生体計測・電気電子・表現工学などの学生をこれまでに受け入れています。大学院に入って専門分野が変わっても,皆さん問題なく研究を進めることができてるし,人によっては学部での専門が違ったからこそ個性的で面白い研究ができています。例えば,機械系出身の学生はもの作りが得意だったので,他の学生には作れないモノを使った研究に取り組むことができました。
- 地方から上京するのは不安があります
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矢田部研究室のメンバーは,実家から通っている学生よりも,地方から上京して一人暮らしをしている学生の方が多いです。同じ境遇の人がたくさんいて相談しやすい環境だと思います。また,キャンパスのある東小金井周辺は,都心へのアクセスの良さから考えると驚くほど家賃が低い地域で,住宅以外に何もない感じが落ち着く雰囲気だと地方出身者に好評です。研究室見学に来る際に,ぜひ周辺環境もご確認ください。
- 大学院の研究室定員はありますか?
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研究室ごとの大学院生の数の上限は設けられていません。つまり,院試に合格しさえすれば確実に矢田部研究室に所属することができます。もちろん,院試の全体の合格者数は決まっているので,合格者側に入れるように頑張って点数を取る必要があります。
- 筆答試験免除とはなんですか?
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学外者に対する筆答試験免除は,通常の入試問題を紙の上で答える方法ではなく,黒板を使ってその場で問題を解く形式の口頭試問のみで合否を判定する制度です。学部における学業成績が飛び抜けて優秀な学生のみが対象で,口頭試問で十分な学力を有していると判定された場合に限り 1 名のみ合格が認められます。合格者が出ない年もあります。筆答試験免除を希望する場合は,必ず事前に相談してください。
- 院試を受ける以外の方法に興味があります
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上では通常の院試と異なる方法で矢田部研究室に所属する方法を 2 つ紹介していますが,どちらも「院試を受けた上でのオプション」だと思った方が適切だと思います。まずは院試を受験することをオススメします。なお,何らかの理由で院試を受けられなかった場合に,研究生に直接なることは考えられます。どのような場合であっても,まずは相談してください。
- 授業料の支払いに使える制度はありますか?
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大学独自に授業料免除や奨学金を用意しています。詳しくは大学公式ホームページの授業料まわりのページをご確認ください。
博士後期課程への進学について
矢田部研究室では博士後期課程の学生を積極的に受け入れています。社会人博士も大歓迎です。信号処理や音響工学の研究はもちろんですが,他にも例えば光学計測に関するデータ解析など,矢田部が指導可能な研究テーマであれば広く受け入れますので,興味のある方はぜひ気軽にご相談ください。
出願および入試について
博士後期課程への出願のタイミングは,初夏・年末・年度末の年 3 回あります。それぞれ例年 7 月と 12 月と 2 月あたりですが,正確な日程は大学公式ホームページの入試情報ページをご確認ください。
初夏の出願の場合は,その年の 10 月または次の年の 4 月に入学できます。冬の出願の場合は次の 4 月に入学することになります。出願にあたって研究テーマなどの相談が必要なので,志望する場合は連絡ください。
入試では,複数の教員の前で研究に関するプレゼンテーションと質疑応答を実施します。場合によっては英語で発表をして頂く場合もあります。詳しくはお問い合わせください。
社会人博士の長期履修について
矢田部研究室では,企業などで働きながら博士号取得を目指す社会人博士の学生も歓迎しています。社会人博士として在籍する場合には,3 年分の学費で最大 6 年まで在籍することが可能な長期履修制度を利用できます。詳細についてはお問合せください。
よくある質問
- 博士号取得の要件はどのぐらいですか?
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いくつかの要件がありますが,ジャーナル論文 2 本のイメージを持って頂ければ大丈夫です。
- ジャーナル論文はどれぐらい書けますか?
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これまでの論文が Publications にまとまっているので,そのページを見て頂ければ,論文をたくさん出版していることがわかると思います。運が良い学生は修士や学部でもジャーナル論文を出版していますし,矢田部個人は博士後期課程の学生のときに主著のジャーナル論文を 10 カ月で 5 本出版した経験があります。頑張ればたくさん書けるので,その点は安心して大丈夫です。
- 他分野からの進学でも大丈夫ですか?
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もちろん大丈夫です。前期課程までの専門分野を活かした研究テーマを設定することで,面白い研究ができる可能性もあります。進学に興味がある場合は,ぜひ相談してください。
- 資金的な補助はありますか?
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毎月 20 万円が支給される日本学術振興会の特別研究員 (DC) になることを強く推奨しています。その他にも学内の奨学金などがあるので,大学公式ホームページの奨学金のページをご確認ください。また,年度によっては,研究テーマをプロジェクト予算と合わせることで,プロジェクトで給料を出すこともできるかもしれません。いずれについても,詳細はお問い合わせください。
- 社会人博士でも大丈夫でしょうか?
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夜間のオンライン対応や休日の対応も可能なので,平日に活動できなくても研究相談などに支障はありません。博士号の取得には研究にかけた時間も大事なので,研究活動の時間があまり取れないようであれば,長期履修制度を利用して期間を延ばす選択をしてもいいかもしれません。
博士研究員の受け入れについて
学振 PD など外部予算での研究員の受け入れは随時行っています。また,年度によってはこちらのプロジェクト予算で研究員を募集している場合もあります。興味のある方はメールでお問い合わせください。