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Moving the goalposts (3月23日、rainものを追記しました。好きなフレーズなのに抜け落ちていました・・。5月5日、さらに追記

英語にはさまざまな慣用的な表現(idiomatic expression)があり、コーネル大学に留学していた時、nativeな英会話の先生にいろいろと教えていただいた。一部を除いて会話でも文章でも使ったことがないが。

○散見したもの
for here or to go? (店で食べますか、持ち帰りにしますか?)某ハンバーガーチェーンでハイティーンの店員さんが、やっつけ仕事感満載に早口で攻めてこられて、全く意味不明だった思い出が。例のGo to キャンペーンで思い出した。
as a rule of thumb(大ざっぱに言うと)これは英語の文献等でも散見される。
to go Dutch (割り勘にする。⇔It’s my treat おごり)(ちなみにTo take a French leaveは、“挨拶もせずにでていく、バッくれる”。 Spanish athleteは“大口をたたく”。外国系慣用句は基本いい意味で使うことはないと考えたほうがいい)

○なんとなく意味がわかるものとして・・
until the cows come home (ずっと、長い時間)
to drop the ball (へまをする)
by the book (
規則通りに、型どおりに、bookは動詞で使うことが多い)
easy come, easy go (
得やすいものは、失いやすい。某Bzさんの1990年の楽曲名と同じ。若い人でも一部のマニアは知っているだろう)
you are the man
、または you the man! (あなたはすごい。あんたは偉い)

○一見、意味がわからないもので、会話でも文章でも使ったことがないもの
in a nutshell (要するに、極めて簡単に言えば、ちなみにAre you nuts?は上品な言葉ではない)
to call it a day (
切り上げる, もう十分やったので、今日はおわりにしよう、ラボでも使えそうなフレーズ。アメリカ人の大学院生が使っているのを聞いたことがある)
on the fly
(飛んでとか、飛行中とかの普通の意味のほか、“臨機応変に”といった意味がある)
up in the air (未解決で、漠然とした、はっきりしていない)
a piece of cake (
簡単なこと)
up to the ears (
手一杯で身動きできない様子。I am up to the ears in work.のような使い方なので、日常生活でよく思い出すフレーズ・・)
rain cats and dogs (土砂降り)
rain check (本来の意味は野球などの雨天引換券だが、I"ll take a rain check this time. というと「今回は辞退します」という丁寧な言い方だという)
good chemistry(相性がよい)「We have good chemistry. There's no chemistry between us」のように使うようです。

 Longman英英辞典によると今日の表題は(British English informal )to change the rules, limits etc for something while someone is trying to do something, making it more difficult for them – used to show disapproval)の意味で、比較的新しい言葉とされる。サッカー等の競技から派生した隠喩であるが、「交渉、外交、折衝を進めているさなかに合意基準や条件を(こっそりと一方的に)変更するさま。相手側が、話を取りまとめるために妥協や歩み寄りを行った後に、さらに条件を追加して要求してくるさま」を表す。
 明日(2021年3月22日)で解除されることになった緊急事態宣言だが、当初37日が想定されていて、東京では新規感染者500人を下回るという解除のためのガイドラインがあったはずである(そこだけ切り取りとって知っていただけかもしれないが)。結局2週間延長した後に、今回解除という流れとなった。いろんな意味で合理性を探すのが難しい流れで、今日のタイトルを思い出した次第です。大学でも宣言に基づいて、出張等が制限されてきたわけで、波及効果も大である・・。
 麻雀等のゲームで負けが込んでいる人が、泣きの「もう一回(半荘)」というのもあるし、「一杯だけ」の約束で始めた飲み会が、ずいぶんと長くなることもあり、この種のことは、日常の中でも散見することだが。

 

おまけ(関西の某有名中学の入試問題です・・)
問 連続した5つの整数の積が2441880であるとき、これら5つの整数を全て求めなさい。

 

 

 

解答例
大人はこんな解き方を選ぶだろう。まず2441880を素因数分解し、2441880=2×2×2×3×3×3×5×7×17×19=23×33×5×7×17×19として、17の倍数と19の倍数が含まれること知る。17の倍数は17, 34, 51・・・であり、19の倍数は19, 38, 57・・・であり、5つの並んだ整数であるためには、17, 19または34, 38を含むものを考えればよい。ただし、3438を含むものは34×35×36×37×38であるが34×35×36×37×38>305=24,300,000>2,441,880なので適さない。したがって、17, 19を含むものを考える(17, 18, 19を含む)。16を含むと16だけで24が約数になるので適さない。したがって17×18×19×20×21が候補として考えられるが、確かに17×18×19×20×21=17×(2×3×3)×19×(2×2×5)×(3×7)= 23×33×5×7×17×19となる。答:5つの連続した整数は1718192021である。

 または17×(2×3×3)×19を約数に含むから残りの数の積は、22×3×5×7となる。7の倍数は7, 14, 21, 28・・・であるが14を含むと19が含まれないので不適。28だとすると17, 19が含まれないので不適。したがって7の倍数は21である。残りは20なので題意に適する。

 実際小学生はどんな解き方をするのでしょうか・・。それにしても恐ろしいことです。

 次のような事項を知っていると少しだけ話しが簡単になると思うが・・

・連続するn個の整数の積はn!で割りきれる(この場合120
mから始まるn個の整数の積はm(m+1)(m+2)・・・(m+n-1) である。

[m(m+1)(m+2)・・・(m+n-1)]/n!=[123・・・・(m-1) ×m(m+1)(m+2)・・・(m+n-1)]/[ (m-1)! × n!]=[ (m+n-1)!]/[ (m-1)! × n!]=m+n-1Cm-1

m+n-1個の数からm-1を選ぶ組み合わせなので、これは整数(割り切れる)
→ここから2441880=120×20349となり、1719の倍数と判定が少し早くなる?

倍数ものでは、

2の倍数(偶数)は1の位が偶数
3の倍数は各桁の数の和が3で割りきれる
9の倍数は各桁の数の和が9で割りきれる
11の倍数は各桁の数を一つ飛ばしに足した和の差が11の倍数となる。
nが偶数のときは10n-111の倍数で、nが奇数のときは10n+111の倍数になることで、証明できます。
13の倍数は一の位から順に3桁ずつに区切ったときの奇数番目の3桁の数の和と偶数番目の3桁の数の和の差が13の倍数となる。
→例えば、362,866,179について考える。179+362-866=-325=13×(-25)。従って13の倍数。


今日のおまけで、244188011の倍数でもなく、13の倍数でないことがわかると少し見通しが立つだろうか・・。11132226も含んではいけないこということと、205(=3200000)より小さいことを使うと・・・。やはり1719を含むことを知らないと難しいと思います。


 (2021.3.21)