整理整頓について
これに関してはよく血液型でそのタイプが分類される(半分、面白可笑しくということだろうが)。A型は几帳面とされ、整理整頓が得意な人が多いと言われているが、たぶん自分の居室の惨状を知っている学生諸氏、OBの皆さんは、この血液型による分類に懐疑的になるだろう。「一見散らかっているように見えるけど、実はどこになにがあるかわかっているのですよね」とか「仕事ができる人の部屋はこうなる」とか忖度してくれる優しい人がときどきいるが、自分の場合は絶対に違うし、一般的にもそんなことはない気がする。
自分に関していうと爆発へのプロセスはこうである(単純な話)。ある作業(資料作りとか論文執筆とか)を始めると、機能性を追求するあまり手の届くところにいろんな材料を集めるので、自然の摂理に従ってエントロピーは増大していく。一つの作業が終わって、「やれやれ、まずは片付けて次の作業を・・」というクッションが挟まれば問題はないのだが、基本自転車操業の身なので、何事もなかったかのように次の作業が始まり、「重ね置き」という事態になる。以下同じ・・・。
乱雑さの問題ばかりではなく、量的な問題として自分の手元にある書類など紙ベースの資料が、実験室の「試薬」と同じように「自然増殖」するので、別な意味で事態はさらに悪化の一途となる(貧乏性のせいか、捨てる作業を怠るから。さらに単純な話)。
そんなプロセスが連綿と続くとさすがに「大爆発したゴミ屋敷」状態になってしまうので、ときどきは片付けに対するモチベーションが上がることがある。一般的には年末や年度末、夏休み前などが大掃除の季節であるが、日記とか禁煙とかダイエットと同じで、そういったときに「さあやるぞ」と意気込んでもうまくいかない場合がほとんどである。実は、いろんなトラブルを抱え、そのトラブルに対してなす術がなかったり、対応するのが億劫だったりと本来やるべき作業の効率が低下しているとき、気分転換という意味で片付けをゴソゴソ始めることが多い。「苦しい時は成長する時」のような、若い人たちには身に沁みる言葉があるが、齢を重ねた人間には、「苦しい時はじっと忍ぶのみ」である。片付けは苦手だが、それが上手く進んだりすると、小さな成功体験を感じたり、実は綺麗なところが大好きなので、気分的に相当ましになるような気がしています。というわけで、部屋が片付いているときは、若干トラブルを抱えているときである確率が高いです・・。
おまけ(今回は、この季節の植物系の写真。昔は植物で癒されることなどなかったが、最近は・・・。何かが変わってきたのだろう)
ハマナスの実。先月北見にいったとき撮影。本州の太平洋側ではなじみのない花なので、観たのは初めてである(Google先生の画像検索で何かを知った)。アイヌ語ではマウニと呼び、食用(ビタミンCが豊富)にもなっていたようで、“知床の岬に
はまなすの咲くころ・・・”(古い)で有名。
彼岸花(曼珠沙華)。ちょっと前に府中のキャンパスで撮影。これほど多くの異名を持つ花があるだろうか。自分の故郷でも、町内を流れる「平等川」の土手や田んぼの畦道でよく見かけたが、「はっかけばばあ」という酷い名前で呼ばれていた。葉は花が散ってから出てきて、春になると枯れる。球根には毒(下図)がある。そのため、モグラとかネズミ対策として、土手や畔、墓地などに広まったという説もある。
金木犀。寮の前の国際交流会館の垣根で去年のちょうど今頃撮影。今年は秋の訪れが遅いのか剪定されたためなのかよくわからないが開花していない。中国では桂花と呼ばれる種があり、「桂花茶」の香り成分として利用される。あの香りを道端(キャンパス)で感じると季節の移ろいを感じる。金木犀は、北見の薄荷(ハッカ)のように水蒸気蒸留では綺麗な香りの精油が取れないので、ヘキサンを使った抽出物をエタノールで抽出することで、アブソリュートとする。こんな化合物が成分らしいが、100種類の混合物らしく人工で再現するのは難しいようです。いい香りですよね。
このあたりが主成分
このあたりがマイナー成分
(2019.10.3))