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「小金井」について-part I-

ここ数年、栃木県の小山には所用で何回も出かけている。時間帯にもよるが、大学からだと武蔵野線経由で大宮にでるか、新宿から埼京線もしくは湘南新宿ラインを利用するかというチョイスになる。大宮から宇都宮方面には、上野東京ラインを経由しての東海道線からの編成も利用できる。
 所用も恙無く終わり、小山から上りの電車に乗るつもりが、何を思ったか下りの電車の乗ってしまった(上り下りともに発車時刻が迫っていて、思わず間違えた・・・)。逆方向に電車が動き出した時の絶望感はたいへんなものだったわけだが、そんなわけで降り立った駅が隣の「小金井」である。東京のように小金井市があるわけではなく、栃木県下野市小金井という地名に基づく駅である。その地名は江戸時代の日光街道の宿場町の名前である。東海道線等の15両編成の列車に対応しているので、ホームは長くまた近くに車両基地を有する立派な駅である。



 東京都下で国分寺に居を構え、勤務先が「東小金井」である私としては「小金井」というと当然のように「小金井市」であり、その代表的な駅としては、「東小金井」と並んで「武蔵小金井」が思い浮かぶ。その他「花小金井」(小金井市ではなく、小平市花小金井町ですが)「新小金井」と4つの駅があるが、「小金井」と名乗るのは今回の「小金井」である。駅の誕生を比較すると以下のようになり、なるほどということになる。

「小金井」1893年3月25日
「新小金井」1917年10月22日
「武蔵小金井」1924年4月4日(仮乗降場)、1926年1月15日(停車場に)
「花小金井」1927年4月16日
「東小金井」1964年9月10日(ご存知、住民の請願によりできた駅。中央線では、昭和48年4月1日の武蔵野線の開業に伴ってできた西国分寺の次に新しい)

小金井市の駅では意外にもあの「新小金井」が一番古い。古いのに「新」がつくのは「小金井」と区別するためであると推察される。現在の乗降者数では当然、「武蔵小金井」が他を圧倒する。

 とんだ間違いで30分近く時間をロスしたが、いろいろと面白いことがわかり、よかったです。「ムサコ」と言えば「武蔵小金井」であり、「武蔵小杉」ではないのは当たり前ですが、「ヒガコ」は、残念ながら、まだまだローカルのようです。

 それにしても「小金井」で乗った帰りの電車が「伊東」行だったのには、懐の深さを感じます。宇都宮から東京にでるつもりが、寝過ごして伊東とか洒落になりません。