帽子の色 追記)古典的な問題のようですが、とても面白い問題を文末に紹介します(2020年4月19日)
この前、石和の実家にいって、古い本をゴソゴソやって多湖輝先生の「頭の体操」(光文社、初版発行、昭和41年12月15日、16版発行昭和42年1月12日)を見つけた。本の情報から判断しても、おそらく父親が購入したものである。Wikiによるとこの本は250万部以上売れたようで、12月初版で1月に16版というのも頷ける。
その中で、最後のほうの囚人が帽子の色を当てる問題。合理的なものの考え方というかロジカルというか、随分感動したことを覚えている(あまりにも繰り返し読んだ本なのでいつだったか忘れているが)。
・上図のような牢屋に3人の死刑囚。互いに相手をみることができる
・国王は囚人に白か黒の帽子を被せる(囚人は自分の帽子を見ることはできない)
・国王は以下2つの条件が満たされた場合、釈放すると宣言した。
1.自分以外の2名が白い帽子をかぶっているとき
2.自分の帽子が黒であることを、合理的に判断できたとき
・国王は実際には全員に黒の帽子をかぶせた
・しばし睨みあった後、一番頭のよいAが自分の帽子が黒であることを推理した。
問題:Aはどうやって黒であることを推理したか?
(制限時間20時間とされている)
解答:
・まず自分の帽子が「白」と仮定すると、B,Cともの白、黒を見ていることになる。この場合、Bは「自分が白だとするとCは白、白を見ているはずで、なんにも言わないので、自分は黒だな」と簡単に推理できる。Cも同じである。
・B,Cともに出ていかないということは、最初の仮定が間違いでAの帽子は黒と判断できる。
昔、娘が通っていた塾の算数の問題にこれと似たような問題があった。こんなのがスラスラできる小学生って・・・。野生児だった自分の小学生時代を思い返すと「今と昔」、「田舎と都会」に横たわる溝を感じたものです。
問題)
赤い帽子が3つ、白い帽子が2つある。この事実を知ったA,B,Cの3人に、それぞれに5つの帽子の中の1つをかぶらせ、残りの帽子を彼らにわからないように隠した。それぞれ自分の帽子の色はわからないが、他の2人の帽子が何色かはわかる。それぞれに自分の帽子について尋ね回答を得る(回答はすべて論理的に行われている)。
1)一回目。Aに「あなたの帽子は何色かわかりますか」と尋ねると「わかりました」と答えた。B,Cの帽子の色は何色か。
2)二回目。Aに「あなたの帽子は何色かわかりますか」と尋ねると「わかりません」と答えた。次にBに「あなたの帽子は何色かわかりますか」と尋ねると「Aの答えを聞いてわかりました」と答えた。Bの帽子は何色か。
3)三回目。Aに「あなたの帽子は何色かわかりますか」と尋ねると「わかりません」と答えた。次にBに「あなたの帽子は何色かわかりますか」と尋ねると「わかりません」と答えた。Cの帽子は何色か。
解答)
1)Aが最初にわかるのは、B、Cともに白の場合(答)。
2)Aが最初にわからないと答えたということは、B、Cが(赤、白)、(赤、赤)の場合となる。この時点でBが断定できるのは、Cが白の場合のみで、Bは自分の帽子が赤と判断できる(答)
3)Bがわからないと回答したことは、Cが白である可能性がなくなるので、Cは赤である(答)。
(回答は背の高い人から順番に、黒、白以外のことを口にすることはできない)