農工大の樹 その87 |
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モクレイシ |
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(ニシキギ科モクレイシ属の種、学名:Microtropis japonica Hallier f.) |
この種の仲間は、アジアの熱帯の山地に多い低木で、世界で約70種、アジアに25種、中央アメリカに1種が分布すると言われています。日本のモクレイシ属はモクレイシ、1種だけが分布しています。分布地域も特異的で、関東の房総半島南部、湘南地方、伊豆地方、伊豆七島、そして、はるかに離れて九州南部、五島列島、琉球諸島に隔離して分布しています。また、日本以外では台湾に分布することが知られています。この種の葉は光沢のある革質で、対生についています。花は写真のように、葉の付け根付近からでます。雌雄異株で、花を解剖すると、雄花には退化した雌しべ、雌花には退化した雄しべがみられます。この種は低木であることから用材としての利用はありません。まれに庭園樹として植えられる程度で、めずらしい木の部類に入るでしょう。 |
環境資源共生科学部門 教授 福嶋 司 |
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