農工大の樹  その120

モミジバフウ
マンサク科フウ属の種、学名:Liquidambar styraciflua Linn.

  この種は高さ25〜35m直径50〜80cmになる落葉広葉高木です。自然の分布は北米の中部から南部にかけての大西洋側地域、メキシコ、ガテマラです。アジアでは、中国、台湾、海南島にフウ(楓)と呼ばれる別の種があります。余談ですが、カエデの漢字を楓と書くのは間違いで、本当はこの仲間を示す漢字といわれます。また、葉は5枚に裂けることが多いことからカエデの仲間のように思われがちですが、早春に黄色のひも状の黄色の花弁を持つ花を咲かせるマンサクと同じマンサク科です。このことは、カエデの仲間は葉が対生につくのに対して、この種は互生につくことで容易に区別できます。この種の樹皮は濃い灰褐色で、深い溝がありコルク質の稜ができること、秋には突起を持つ丸い果実が枝にぶら下がることも特徴です。この種は大型の樹木ですが、整った樹形をしていること、秋には紫、黄色、赤紫などの様々な色で紅葉することなどから、公園などによく植えられています。

農学研究院自然環境保全学部門 教授 福嶋 司

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