農工大の樹 その113 |
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ヤマモモ |
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(ヤマモモ科ヤマモモ属の種、学名:Myrica rubra Sieb.et Zucc.、漢字:山桃、中国名:楊梅) |
この種は樹高20m(時に25m)、胸高直径150cmにも達する常緑広葉樹で、雄と雌の別がある雌雄異株です。分布は広く、本州の太平洋側では千葉県房総半島以西、日本海側では福井県以西、四国、九州、琉球、韓半島南部、中国南西部、台湾、フィリピンにまで分布しています。この写真は保健管理センターの西側に生育するこの種で、雄株です。写真右は雄花で、日が当たる場所ではこのように赤くなります。雌花は6月頃に熟し、球状の1〜1.5cmの赤い球果になります。この実は甘酸っぱい味がし、そのまま食することができますが、塩漬け、ジャム、ゼリーなどにも加工され、果実酒も造られます。和名は山に生え、桃のように食べられることからついたものです。樹皮はモモカワ、渋木と呼ばれ、オリーブ色やカキ色の染料に使われますし、乾燥した樹皮を楊梅皮と呼んで、火傷、下痢、打撲傷などの漢方薬として利用されました。この種はほぼ円形の美しい樹形をなすことから、庭園樹や公園樹としてよく利用されています。 |
環境資源共生科学部門 教授 福嶋 司 |
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