農工大の樹  その105

   
ムクゲ
(アオイ科フヨウ属の種、学名:Hibiscus syriacus L, 別名:ハチス)
 この種は、中国原産で、高さ3〜5mになる落葉低木です。この種は熱帯から亜熱帯を代表する花、ハイビスカスと同じ仲間です。乾燥にも低温にも強い性質を持つために世界各地で栽培されています。原種の花の色は淡い紅色でしたが、今では紅、紫、白、八重など多くの園芸品種があります。ちなみに、この写真は「日の丸」と呼ばれる品種です。日本では梅雨が明ける7月頃から、枝先に大きな5弁の花びらを持つ5〜7cmの花を咲かせます。花は9月頃まで咲きますので、まさに夏の花と言えるでしょう。しかし、花の寿命は短く、朝3時頃から咲きはじめて夕方には萎んでしまう、いわゆる「一日花」です。このムクゲは韓国の「国花」になっていますし、日本でのこの種の呼び名「ムクゲ」は韓国での呼び方「ムキュウゲ」が変化したものとも言われます。日本でこの種は、庭園木として使われることが多いのですが、中国では水虫の薬としても利用されるそうです。
環境資源共生科学部門 教授 福嶋 司
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